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MESSEAGE代表メッセージ

代表メッセージ MESSEAGE

住宅のデザインに至るまで

日本に輸入住宅というものができて、45年近くの時が流れました。初めて海外の住宅を見たのは米軍基地にあったいわゆる「米軍ハウス」と、テレビや映画で見るアメリカの家の様子。それを見て「なんて格好のいい家なんだ」と思ったのが住まいとデザインに興味を持ったきっかけです。当時の日本にとってアメリカというのは、すべてが輝いて見えた憧れの存在でした。 それからデザインの道に進み、自動車のデザインなどいくつかの経験を経て、ふとしたことが縁で住宅のデザインに携わることになります。そのきっかけというのはアメリカから家を輸入するという、当時としては荒唐無稽とも思えるプロジェクトに誘われたことでした。 その頃の日本の家というのはまだ戦後の復興の残影が残る頃に建てられた見た目ボロ屋といった風情のもので、戦前の伝統的な街並みともまた違う、必要な機能を満たすために建てられた最低限の住宅といったものばかり。 そういった中に海外の住宅デザインをそのまま持ち込むというプロジェクトは、当時の富裕層の方々の美的感覚とマッチして好評を博し、それが一般市場にも徐々に裾野を広げ、現在の輸入住宅というジャンルを形成することになりました。 それから輸入住宅を初めて日本に持ち込んだメンバーの一員として、長く住宅のデザインに携わることになったのです。

参會堂の始まり

輸入住宅というものが一般化するにつれ、様々な会社が輸入住宅業界に参加し、各社の間で競争が起こります。そして、既に自分たちが確立した日本における輸入住宅のスタイルを後追いで参入してきた住宅メーカーはこぞって模倣しました。 その結果、似たような輸入住宅もどきの安っぽい偽物の洋風建築が乱立しはじめ、段々と市場に供給される輸入住宅のデザインレベルが下がっていったのは残念なことです。 資材を輸入することはできても、既にある形の模倣しかできないのは本物のデザイナーが携わっていないからだとこの時に確信しました。 結局、現在住宅の市場にある輸入住宅というものは、本物のデザイナーである自分たちが直接現地の建物を見てインスピレーションを得て、試行錯誤の上に作り上げた建物の『形だけを真似たコピー』に過ぎなかったのです。 それに気が付いた時から、私は輸入住宅という言葉を捨て、新しい道を歩んでいくことにしました。それが参會堂の始まりです。 転機が訪れたのは、現在のパートナーであるイタリアのメンバーとの出会いと、ヨーロッパの建物と建材に触れたとき。それまで最高だと思っていたアメリカの住宅デザインのルーツがヨーロッパにあること、そのヨーロッパの建物デザインの歴史の深さ、懐の広さに圧倒されました。その衝撃は今でも忘れることができない程の強烈なもので、現在でも参會堂のデザインの根幹となっています。 こうしてヨーロッパの建材を個人輸入して、建物を考えるところから今日の参會堂のデザインが始まったのです。

欧州建材巡りの旅

ヨーロッパの建材を使って建物をデザインすることは、またしてもゼロからのスタートに近いものでした。幾度となくヨーロッパに渡って、デザインとそれに合う建材を探し回り、また現地の人々の暮らしを垣間見ることで、建物に込められたヨーロッパの人々の文化や考え方を知り、ますますヨーロッパの建物のデザインにのめり込んでいったのです。 参會堂の造る家が現在の形を取るようになってきたのは幾度となく訪れたイタリアやその他の欧州の国の風景が切り取られ、デザイナーの視点を通して形になったからだと思っています。同時に、同じように海外在住の経験のある方を中心に「向こうで暮らした懐かしい家の匂いがする」と言って家づくりのご相談を頂くことが幾度となくありました。 また、実際に現地に暮らした経験がない方からも、いろいろな住宅会社を見た結果、参會堂が最も本物の雰囲気があると言ってご依頼をいただいたりして、日本でも参會堂が憧れ、目指しているものの建物やデザインの価値を理解してくれる人がいることを知って、心強く思ったこともありました。 参會堂が創ってきた建物はその見た目から、クラシックなデザインを専門としているとの印象を受けられることが多いですが、実はそうではありません。これはヨーロッパの人々から学んだことですが、旧いものを大切に残しつつ、現在の最先端を考えるという新旧が混在するところにデザインの奥深さが生まれるというのが、参會堂が考える空間デザインのあり方です。建材の開発や輸入を通して日常的にヨーロッパとの交流がある参會堂が考える空間づくりは同じ時代を生きるヨーロッパのデザイン感覚を共有しているのです。

家づくりへの情熱

良い家づくりを行うためには、情熱(パッション)が必要不可欠と私は考えます。素晴らしい家を創りたい、憧れの空間に住みたい。そう強く思うことが実現への原動力になります。情熱だけがデザインや建材を引き寄せ、パートナーやクライアントとの縁を結び、参會堂の作品を地上に現せしめた。そう言っても過言ではないのです。 実際、参會堂が創り上げた建物のひとつひとつが、その情熱の結晶でした。いつでも参會堂の情熱とクライアントやパートナーの情熱との掛け算でプロジェクトが出来上がります。参會堂の建物が他を圧倒しているのはひとえにこの情熱が生んだ、デザインの力に他なりません。 ヨーロッパの住まいのもっとも優れているところは、今も昔も人間が中心にあること。建物をデザインするとき、そこに居る人の心地よさ、訪れた人が感じるおしゃれ感、街ゆく人々の目を楽しませる外観に至るまで、人がどう感じるか、ということを明確にデザインの目的にしているという点です。 コストや、機能性を重視するという言い訳でデザインを犠牲にするということはデザイナーの関わらない建築プロジェクトにはよく見られますが、欧州の建材を見るとローコストの製品であってもデザイナーが素晴らしい製品を生み出し、決してデザインを軽視していません。 どんなプランでもデザイナーが関わり、一棟ごとに条件は違いつつもその中で最高のデザインを追求するというのが参會堂のプロジェクトに臨む姿勢であり、情熱のあり方です。

デザインのある空間ならどこへでも

不思議なことに、日本の建築業界は住宅建築と商業建築と内装デザインとは、それぞれ専門業者に分離してしまっています。さらに、木造、鉄骨造、コンクリート造と会社によって建てられる工法が専門化しているというのもよく見る光景です。 しかし、そういった日本の建築業界の中でも、参會堂には、集合住宅や店舗、結婚式場やホテルなどの大型施設、医院建築まで目的も規模も様々な建物の相談があります。 建物のデザインを重視するときに、それを叶えてくれる会社が見つからないというのがオファーを頂く理由です。これは当然のことで、それだけの能力があるデザイナーを擁する建築会社が少ないことが原因なのです。参會堂はデザインの関わる空間であれば、どんな建物であろうとご相談に応じることができます。クライアントの立場に立てば、どんなデザインの建物ができるのかということが最も重要なテーマであり、どんな工法で建てられるのか、何の専門会社なのかという目線で建設会社を選ぶなどというのは本末転倒なことだからです。その為に様々な工法や設備、仕様を検討することができる柔軟さを参會堂は重視しています。 また、柔軟さで言えばエリアを限定していないことも参會堂の特徴の一つ。これまでも日本全国、北海道から沖縄までご依頼を受けた実績があります。

これから建物を計画される方へ

 私は輸入住宅の始まりから、これまでずっと海外と関わりつつ優れたデザインの建物のことを考えてきました。それは、「どの会社に相談してもデザインの話が通じなかった」というクライアントの悩みに応えてきたという歴史でもあります。 デザインの話をするときには、どんなクライアントも目を輝かせて話を聞かせてくれます。建物づくりは本来楽しいものですから、リラックスした環境で話をしながら建物とデザインの構想を広げていければと考えております。 お客様と参會堂の情熱が共鳴し、想像を超えた空間が誕生する瞬間を楽しみにしています。ぜひこれからの夢の話をお聞かせください。

株式会社参會堂 一級建築士事務所
代表 海老原進一

現地法人とのパートナーシップ

参會堂は本物の家づくりをするために、本物の建材や家具にこだわります。中でもANNIE CLAIRE社をはじめとしたイタリアの現地法人や工場とパートナーシップを結び、独自の仕入れルートを確立。その多くがハンドメイドで、心をこめてつくられたもの特注の家具たちです。好きなものたちに囲まれながら、まるでイタリアに住んでいるような満たされた空間を演出します。

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