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家づくりに大理石を取り入れるメリットとデメリット【施工事例あり】

家づくりに大理石を取り入れるメリットとデメリット【施工事例あり】

大理石をお住まいの建材として使用すると高級感や華やぎを得ることができます。

鏡面のような輝きのある光沢、自然から生まれた独特な模様…。

大理石は、たくさんの人を魅了する素材です。

とにかく美しい大理石という素材は、家づくりに取り入れることで、おしゃれで洗練された生活を送りたいという気持ちになる事でしょう。

しかしながら、一方では「メンテナンスはどうするのだろう?」「インテリアのデザインが難しくなりそう…」などのご不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大理石は住宅のなかに華やかさなどのメリットをもたらしてくれる素材ですが、少なからずデメリットも存在しています。

ただ、デメリットを正しく知ることで、それを避けるための対策もできるのです。

今回は、家づくりにおいて大理石がどんなものか、参會堂がこれまでに手掛けた大理石のお住まいとともに、メリット・デメリットを詳しくお伝えしていきます。

大理石の性質と種類

“大理石”という言葉は、私たちの生活に深く浸透しています。多くの方が、素材の印象として、ハイクオリティでセンスの良さを感じているのではないでしょうか。

近年、住宅の建材としても採り入れられることが増えてきた大理石ですが、それでも古くからのイメージで高級感のある印象を抱く方が多いかと思います。

もともと中国の“大理”という地域が有名な産地であったことから、大理石という呼び名が一般的となりました。中国のほか、イタリアやスペイン、フランス、トルコなどの大理石も世界的に知られています。英語表記は‟マーブル”です。

大理石の性質や特性について

貝やサンゴの殻などが堆積して固まった石灰岩が、地中においてマグマ熱に圧力を加えられて再結晶するといった変成作用によってできたものを大理石と言います。

古くは神殿や彫刻に使われ、その後、壁材や床材、キッチンの天板など、建築物に数多く使われてきました。

自然界で形を変えながら長い時間を経て現在に至る…。大理石の表情は、辿ってきた時間を表すかのように、一つ一つが味わい深く、個性に溢れたものばかりです。

産地によって模様や色の傾向が異なります。

水と酸への耐性が弱いため、主に屋内で内装材として使われるケースが多いです。

大理石はほかの天然石とどう違う?

建築に使われる“石”と言えば、大理石をイメージする人も多いのではないでしょうか。

しかし、実は大理石のほかにも、さまざまな天然石が建材として使用されています。代表的な天然石について、大理石と比較しながら違いを見てみましょう。

・天然大理石

大理石を天然のまま採石、それを加工したものが天然大理石です。

色や模様など天然が持つ素材の魅力がふんだんで高級感があるのがメリットです。

多孔質で水分が吸収されやすい、変色の原因となる酸への耐性が弱いという、天然ならではの性質から屋外にはあまり向いていません。

大理石の美しさを保てるように、内壁や床材として幅広く使われています。

・ライムストーン

ライムストーンは、海中にある貝殻やサンゴなどが堆積されて“岩石”となった石灰岩の一種。

石となるまでに熱を受けておらず、天然石の中でも柔らかく強度が弱いという特徴があります。大理石と比べると吸水性が高く、強度も弱いことから、床材としてはあまり適していません。

・火山岩

高熱のマグマが冷えてできた「火成岩」のうち、地表に出て短時間で固まったものが「火山岩」です。そのなかでも建築に使われる代表的なものに“安山岩”があります。

地表で急速に固まったため、結晶になりづらく、細かい粒が表面に見られます。暖かみのある色合いが特徴の大理石と比べると、灰褐色の色合いが多いです。

・クォーツサイト

別名「石英岩」とも言うクォーツサイトは、石英と呼ばれる鉱物を多量に含む天然石です。

強度が高いことから、お住まいのアプローチなどの敷石として多く使われれています。

赤みのまじったものや黄色みがかったものなど、色合いが豊富です。

比較的よく耳にする御影石について

兵庫県にある「御影」という地域が産地の“御影石”も、建築で使われる石材のなかでは有名です。大理石と比較すると硬く、水や酸にも耐性があります。水回りの施工事例が多い石です。

家に大理石を使用するメリット・デメリット

多くの人を魅了する大理石。

ありふれた家づくりではなく、ワンランク上の優雅な生活を自分のものにしたいとお考えの人に選ばれる素材です。

そこで、家に大理石を使うときのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

大理石のメリット

・高級感が出る

大理石には、ほかの建築素材にはない、“光沢”や“優美さ”があります。

日本では、高級ホテル・美術館のロビーやエントランスなど、格式高い建物の内装で使われることが多いです。そのイメージから、大理石には風格漂う空間を演出する力が感じられます。

産地によって模様や色の傾向も変わります。白やベージュ、ピンク、アイボリー、イエローなどの淡い色合い、黒やブラウン、深い緑といったシックで重厚感のある色合いなど様々です。

模様もひとつひとつが微妙に異なります。

シンプルにスジが入った模様、地層の重なりのような模様、複数の色がにじみあっているような模様…など、自然素材はから生まれた不規則な模様。美しく輝き、一つとして同じ模様が存在しないというのが大理石の魅力です。

非日常で贅沢な気分にさせてくれる極上の床材です。

・空間が広く見える

光沢をもつ大理石は、まるで床の下にまで空間があるような“広がり”や“奥行”を感じさせてくれる素材です。

さまざまな角度から光を受けることで、その都度、表情が変わるのも特徴です。白をはじめとした淡い色を選べば、光を受けたときの輝きが増し、空間が一層広く感じるでしょう。

また、黒や茶色などの落ち着いた色を選んだとしても、光沢があることで重々しくならず、広々とした開放感を得ることができます。

・掃除がしやすい

光を反射する素材で、常に輝いた風合いです。自然から誕生した個性的な模様があるので、埃やゴミがそれほど目立つことがありません。

ふだんのお手入れも難しいことがなく、柔らかい毛などを使えば、掃除がしやすい素材と言えるでしょう。ほこりや汚れを見つけたときに掃除を心がけていれば、清潔な気持ちで過ごせる床材です。

また、石の表面は硬く、カーペットやフローリングのように、水分がぐんぐんと浸透していくことがありません。汚れをこぼしたとしても、慌てずにさっと拭き取ることができれば、シミなどにならずに済みます。

大理石のデメリット

・転んだり、物を落とした時に危ない

石材のなかでは加工しやすく柔らかい大理石ですが、石ですから硬いです。

「転んだときに痛い」「物を落とすと割れやすくケガをする」というリスクもあります。

・変色の恐れがある

大理石のもともとの色にもよりますが、黄色や茶色などのシミが発生するケースがあります。

酸と水には弱い石ですから、飲み物や油などの液体を長く放置したことが原因で変色するケースが多いです。

そのため、変色の原因となりそうな液体を大理石にこぼした場合、すぐに拭きとって成分を残さないことです。水拭きをした後は、乾いた布や紙タオルなどで水分を取りましょう。

・夏には嬉しい断熱性が冬にはデメリットに…

大理石が熱を断ち、石が持つ冷たい感覚が続きます。夏場は、自然の保冷剤のようにひんやりした質感に心地よさを感じることでしょう。

しかし、寒い冬には足元の冷えが気になるかもしれません。足から伝わってくる冷気によって、関節がこわばるなどの負担があることも。

スリッパや靴下を履くことで冬場に大理石から冷えが伝わるのを抑えることができます。

また、床暖房を施工することで冬の寒さ対策になります。床暖房というと、“木”の素材の床をイメージするかもしれませが、大理石にも施工ができます。

実は、大理石のような天然石は、熱伝導率が高く蓄熱性もあり、床暖房の効果は高いのです。

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大理石を使用したおしゃれな住宅の施工事例

参會堂では、洗練されたヨーロッパデザインの家づくりをこれまでに多数手がけてまいりました。

そこで、本場ヨーロッパが産地の大理石を用いたおしゃれな住宅の施工事例を3つご紹介していきます。

空間に統一感がある落ち着いた大理石デザイン

空間に統一感がある落ち着いた大理石デザイン1

大理石を使用した玄関ホールです。

使用した大理石は、ダークエンペラドールとクレママーフィル、クリジオカルニコなどです。

スペイン産地のダークエンペラドールは、落ち着いた濃いブラウンにまだらに筋の模様が入っています。

クレママーフィルは、スペイン産のベージュ系の大理石です。こちらは、模様がそれほど入っておらず、優しい風合いが感じられます。

また、クリジオカルニコは重厚感のある濃いグレーが特徴的な産地がイタリアの大理石。落ち着いた濃い色が部分的に入り、穏やかな雰囲気のなかに、引き締まりも感じさせてくれます。

このように、いくつかの種類の大理石を組み合わせることで、色味の違う立体的な空間となりました。

また、2枚並んだ格子窓から差し込んだ光が大理石の上に光ります。そして、大理石の表面が鏡のように格子窓の模様を反射させています。

空間に統一感がある落ち着いた大理石デザイン2

玄関および室内建具の茶系の色味にもマッチしている大理石です。

玄関や室内扉などに使われている濃い茶色は、木材が持つ上品で落ち着いた風合いをしています。大理石の床の端部分は扉にマッチする濃い茶色ですが、中心に向かって明るい色を採り入れました。

“折り上げ天井の白い部分”と“床材の中心の白い部分”とが、バランスよくまとめられた配置となっています。

大理石の表面には外から差し込んだ光が優しく散りばめられ、大理石が持つ気品と優雅さが表現された空間に仕上がりました。

エレガントを追求した清潔感のある大理石デザイン

エレガントを追求した清潔感のある大理石デザイン1

イタリア産のボテチーノをLDKの大理石に採り入れました。薄いアイボリーの大理石は、穏やかで優しい色合いです。

窓から入り込む光が控えめながらにもしっかりと反射し、上品な輝きが大理石から放たれています。

お部屋の中心部のタイルは、目地が斜めになるように配置しました。

一般的な床材の場合、LDKという大きな面積に使うと単調になってしまうこともあります。

大理石の場合、部分的にタイルの向きを変えるだけで、淡い色合いも素敵なデザインのインテリアとなります。

「タイル目地の配置を斜めにした部分」と「折り上げ天井の部分」は、上下で対称的となり、デザイン性が高まりました。

アイボリーの淡く上品な色合いの大理石に、ところどころに描かれている茶色のスジ模様。細く流れるようなラインが美しいです。

ガス暖炉まわりにあるのは、マントルピースと呼ばれる大理石の装飾棚です。こちらの大理石はグレー系の色味で、シックで落ち着いた印象があります。

冬にはお住まいを暖かく保ってくれるガス暖炉。グレーという温度を感じさせない中間色の大理石をまわりに使うことで、暑い季節でもインテリアのように感じさせてくれます。

エレガントを追求した清潔感のある大理石デザイン2

玄関ホールのタイルも、イタリア産のボテチーノとなっております。

ベージュ系の大理石のなかでも、特に知名度と人気が高く、落ち着いた色で、高級感のある上品な空間で使われることが多い大理石です。白を基調とした壁の色ともよくマッチする色味で、一層、広がりのある空間となりました。

鏡面仕上げの大理石には、壁の白い色が映し出されさらに明るい印象です。白い壁、ベージュ系の大理石、黒い玄関扉、アイアン素材の階段手摺り、金色の建具の取っ手、木製の濃い茶色の花台と、全体的にまとまりのある色味です。

それぞれが主張し過ぎることなく、それでいて上品なアクセントとなっています。優しく気品の良さが表現されています。

自然の産物である大理石は、切り出す位置によって模様と色合いが異なります。タイルひとつひとつを並べるときは、アンバランスにならないような配置をしています。全体的に、流れるような美しいラインの模様が感じられます。

地中海の彷彿とさせる優しいイメージの大理石デザイン

地中海の彷彿とさせる優しいイメージの大理石デザイン

エントランスの床には、スペインのマーフィルという大理石を使用しました。

地中海の穏やかな気候を彷彿させるような、明るく優しいクリーム系の色合い。マーフィルの地色は薄めで、地色に馴染みながら、優しい色調と流れで模様がランダムに描かれています。

階段手摺りは、大理石と同系色でまとめました。色味は穏やかで似ていますが、手摺りに描かれた曲線が陰ながらアクセントとなります。

曲線で描かれた螺旋状の階段は、エントランスの大きなインテリアにもなっています。直線の階段では見られないような、優しい表情に惹きつけられます。奥側の扉の上部もアーチ状で、丸みを帯びています。

ところどころに存在する曲線部分が大理石の優しい色合いとのコンビネーションの良さを感じることができます。

また、大理石は、色味によって全体の印象が変わる素材です。ブラックや濃いグレーなどはシャープでスタイリッシュな雰囲気となりがちですが、このように、ベージュやクリーム系を使うと、上品で穏やかな雰囲気になります。

階段の中央部分には、グレーのカーペットを敷いたことで、安全に昇り降りができます。カーペットをしっかりと固定するために、真鍮のカーペットホルダーという金具も取付けました。

金色に美しく輝くカーペットホルダーの存在は、安全対策としてはもちろん、階段のエレガントな演出にもなります。

大理石という素材をあなたの生活の中に

日本において、かつては高級ホテルなどに使用されるイメージが強かった大理石。

しかし、近年では家づくりの建材として大理石も注目されています。

大理石が持つ上質な素材感や美しい模様は、見る人の心を豊かにしてくれます。洗練されたワンランク上の生活へと、いざなってくれる素材と言えるのではないでしょうか。

ただし、注意したいのは、大理石は「どんな家にでも合うわけではない」という点です。

“大理石”の特性をよく知ったうえでデザインしなければ、せっかくの上質な大理石も素材の良さが活かされません。

大理石を家づくりに採り入れる際に大事なのは、大理石が映えるデザインの家を作ること。

しかしながら、大理石を使ったデザインの経験がない建築業者の場合、本来、誰しもを惹きつける魅力溢れる大理石という素材が、浮いてしまいかねないのです。

ただやみくもに大理石を使えばいいというものでもありません。天然の大理石は、産地によって色味や模様の表れ方が異なります。

しかも、同じ産地だとしても、ひとつひとつの表情が微妙に変わるのも特徴のひとつです。

大理石は、並べ方によってお部屋の印象を左右し、インテリアにもなり、空間にバランスよく配置する技量が問われる素材と言えます。

大理石の産地は、イタリアやスペイン、フランス、トルコなど様々です。参會堂では、大理石という素材に対するこだわりがあり、本場で出会った“本物”を家づくりに使用しています。

近頃は、大理石の外見を模倣した大理石調のフロアタイルなどの素材も増えていました。これらは、大理石に似た印象がありますが、性能や質感がまったく異なります。

参會堂では、これまでに大理石を取り扱った数々の施工事例がございます。

「大理石が似合うインテリアが知りたい」「施工事例を見ながら自分の理想の大理石を見つけたい」など、お客様それぞれにある大理石に思い描く想いに対して、親身になって寄り添いたいと考えております。

一緒に大理石について語り合ってみませんか。

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