日本には見られないような雰囲気を放つフランスの住宅や建築物。
写真で見ているだけでも洗練された“非日常”を感じさせてくれる魅力がありますが、実際に住んでみたいと憧れを抱く方もいらっしゃることでしょう。
ただ「日本で本格的なフランス住宅が実現できるのだろうか?」「フランスに憧れはあるけれどインテリアはどうしたらいいのだろう?」と疑問や不安があると、家づくりに反映させたくても思いとどまってしまうかもしれません。
フランス住宅のデザインを実現するためには、まずは地域ごとの傾向や日本の住宅との違いなど、背景にある秘密を知ることが大事です。
これまでヨーロッパデザインの住宅を数多く手がけている参會堂が施工事例とともに“フランス住宅”の魅力を詳しくお伝えしていきます。
フランス建築物・街並みの特徴
一口にフランスと言っても、地域によって街並みが大きく異なります。南フランスと北フランスに分けて、街並みをご紹介していきます。
南フランスの街並みと特徴の紹介
1年中穏やかな南フランスは、白やオフホワイトの淡い色調や、カラフルなオレンジ系の外壁や屋根が特徴的な街並みとなっております。
モナコの街並み
“フランスの南東部”と“イタリアの北西部”に挟まれるように、地中海に面した位置にあるモナコ。世界2番目に小さい独立国家で、南フランスではリゾート地として知られています。
建物が密着するように並んでいますが、白や赤、黄などカラフルな色調で圧迫感のない印象です。白の明るい色調の窓枠で囲まれた縦長の窓には、アイアン飾りが取り付けられ、見る人を魅了する素敵な外観です。
ニースの街並み
地中海を望む観光都市として有名なニース。旧市街の街並みは昔懐かしい雰囲気でありながらも、お洒落で活気にあふれた印象を受けます。青々とした空に映えるカラフルな街並みです。
斜面のある土地にオレンジや黄色など明るい色調の外壁が特徴の家々が立ち並んでいます。
マルセイユの街並み
フランスを代表する港町「マルセイユ」は、貿易都市として発展した古い歴史を持つ都市です。近代建築に見られるドームの建築物など、古くから独創的で美しく、デザイン性の高い建造物を楽しめます。
地中海に面しプロヴァンス地方の中心部ともなるマルセイユは、年中温暖な気候です。
港から山の方に向けて丘に立ち並ぶ建物は、ベージュや白など淡い色合いの外壁、オレンジ系の屋根材が特徴的です。
北フランスの街並みと特徴の紹介
古い伝統的な石造りの建物と、街全体が統一感のある美しい景観が印象的です。
パリの街並み
世界的にも美しい街並みとして知られるパリ。街を歩く人の目をも惹きつける美しい花々が飾られた建物が多いです。
“葉っぱの緑”と“花の赤”のコンビネーションが華やかな窓辺の装飾もパリの美しい街並みを構成するひとつと言えるでしょう。
道路沿いには、石造りの重厚な建物が立ち並び、建物の高さや外観に規制もあることから、統一感のある街並みが広がります。1階部分にはショップなどが入っていることが多く、落ち着いた色味の建物に明るい印象が加わります。
オルレアンの街並み
フランスの英雄、ジャンヌダルクゆかりの地として知られるフランスの代表的な都市「オルレアン」。中世の時代に舞い込んだような気持ちにさせる街並みが訪れる人の心を掴みます。
傾斜の急な三角屋根に、採光や通風のためのドーマー窓があるのも特徴的です。
クラシックな街並みのエリアもありますが、一方では近代的な建物を見ることもできます。
日本とフランスの住宅の違い
日本の住宅を見慣れていると、海外の家にはお洒落な印象を受けるかもしれません。フランスの家が“日本とは違う”と感じるのは、歩んできた歴史や地域性も大きく関係しています。
そこで、フランスの住宅が日本とどんな点が違うのか、見ていきましょう。
日本人とフランス人の家に対する考え方の違い
日本の住宅は寿命が短めで、多くの人は将来的に「住み替え」を考えている傾向にあります。
そのため、新築にしろ、中古にしろ、購入時には「素材よりも安さ重視」や「本物ではなく“風”でもいい」という考え方をする方もいらっしゃるでしょう。
一方、フランスをはじめ、ヨーロッパは寿命の長い住宅が多いです。「長く住みたい」という思いが住宅に詰まっていて、長持ちする自然素材がふんだんに使われています。長期的な目線で見て愛着が持てるもの…というように、“質”を重視した本物の素材やデザインを考える人が多いです。
フランス住宅の寿命が長いのは、素材や性能に対する細かな点を考慮した家づくりをしているからなのかもしれませんね。
屋根や外壁、窓などの外観デザインの違い
屋根や外壁の素材は、金属や樹脂など様々な素材が使われている日本。様々なカラーの塗料があるとはいえ、落ち着いた雰囲気のものを選ぶ人が多い傾向にあるのではないでしょうか。
個性よりも、周囲とのバランスなどを意識し、どこか埋もれた雰囲気になるケースもあるかもしれません。
日本と比べると、フランスの屋根や外壁は目を惹きつけるようなカラフルさが印象的です。屋根材は瓦が採り入れられ、雨が少ない南フランスはS形瓦、降雨量が多い北フランスは平たい瓦が多いです。屋根の形なども気候から住まいを守り長持ちさせる工夫が施されています。
また、窓の形状も日本とは異なります。
湿気が多い日本で多いのは換気のしやすい引き違い窓ですが、温暖なフランスの窓は小さめの傾向にあります。
南フランスは、年間通じて晴れた日が多く、夏には日差しも強まることから断熱性を考慮した両開きの小さめの窓に、日除けのためのシャッターもよく見られます。雨が多い北フランスでは、光を多く取り入れるため、大きめの窓が主流です。
間取りや建具、インテリアなどの内装の違い
かつては間仕切りの多い住まいが主流だった日本も、現在では洋風の間取りに近づけたオープンな住まいも増えています。リビングとキッチンの考え方も昔とは違い、両者を融合させたLDKが主流となってきました。
フランスでは、リビングとは別に独立したキッチンが多いです。ただ、ひと昔前の日本のように閉鎖された空間のキッチンとは少し違います。キッチン扉や取手など細部のデザインにこだわり、見た目と使い勝手の良さも兼ね備えています。
また、フランスの家づくりにおいて、素材や質感という観点で建具やインテリアを選ぶのも大きな特徴です。天然素材の床材や壁は、温かみのある印象になるのはもちろん、蓄熱性能も高まります。室内を行き来するためのドアなどの建具にも、本物の素材を追求します。
天然素材は年月を増すごとに色合いが変化しますが、家族とともに変化した建材は“唯一無二の味わい深さ”とも言えます。
家具にもこだわるのがフランス流で、住まいへの考え方と同じで、フランスでは修繕を繰り返しながら長く使うという考え方があります。
天然の素材に職人の技が光る細やかな彫刻など、内装の印象に合わせてこだわることで洗練された空間づくりをしています。
参會堂が建てるフランス住宅の施工事例と技
これまで参會堂は、日本において、沢山のフランス住宅を手掛けて参りました。参會堂が建てたフランス住宅の施工事例と技をご覧ください。
フランス住宅の施工事例①
明るく爽やかな印象の真っ白な外壁です。白の格子付きの両開き窓を使用しました。日本の住宅でよく使われる一般的な窓のサイズよりも大きく、採光性が高いです。
開口部を広めに確保することで、室内には明るい光が差し込みます。夜になって辺りが暗くなっても、プライベート空間となる中庭には室内からの灯りが優しく広がるでしょう。
中庭に面している窓の2階部分にはアイアン手摺を取り付け、フランスのイメージを再現し、真っ白な雰囲気の外観に、アイアンの縦に伸びるシャープな線がアクセントとなっています。
中庭の石貼りは、淡いグレーの色味です。
太陽の光を優しく反射し、白い壁とのコントラストが美しいです。
室内側から見ると、外の光が優しく降り注ぐような、存在感のある大きな窓。カーテンレールは、窓枠よりもかなり高く、天井に近いところに取り付けました。開閉もしやすく、それでいて存在感のあるカーテンとなりました。
カーテンの裾を床にたるませた「ブレイクスタイル」を採用しています。真っ白なカーテンはまるでドレスをまとっているかのようです。
エレガントな窓辺となり、お部屋全体に優雅な雰囲気が漂います。フランスをはじめ、ヨーロッパでは昔からある伝統的なスタイルです。フランスの寒い地方では、冷気を窓から取り込ませないように採用されていた工夫です。
天井から床までゆったりとしたカーテンは、お部屋のインテリアとしてもお洒落ですが、何よりも「光が漏れない・冷気が入り込みにくい」という機能性も兼ね備えています。
フランス住宅の施工事例②
切妻の屋根には、洋瓦を使用しました。
洋瓦を取り入れることでフランス住宅の外観のイメージに近づきますが、単色では周囲の家に埋もれてしまうかもしれません。
こちらのお住まいでは、違った色味を混ぜて“ムラ”を出して焼き上げた「混ぜ葺き」の洋瓦を採用して工夫しました。
フランス住宅を彷彿させるオレンジの繊細な色味の屋根材を採り入れたことで、お住まいの明るい雰囲気とのコンビネーションも抜群。外観の表情に、味わい深さをもたらしてくれます。
2階の窓にはウィンドウボックスを設け、ヨーロッパの窓辺をイメージしました。
外観には、三角形の屋根、四角い縦長の窓、アプローチに描かれている芝生の半円…というように、外観にさまざまな形状が各所に散りばめられているのが個性的です。
キッチンの床はアンティーク調のタイルで仕上げました。六角形の“ヘキサゴン”と言われる個性的な形状です。白を基調としたシンプルな内装に、暖色系で独特な形状のタイルを加えることで、素材のテクスチャーが際立ちます。
ワークテーブルの木目との相性も良く、タイルの素朴な質感により、お部屋全体に温かい印象が生み出されました。
キッチンへの通路の上部には、アーチ状のデザインを施しています。長方形の直線で描かれたウォールキャビネットの横にあることで、柔らかな印象がプラスされます。
フランス住宅の施工事例③
南フランスのようなカラフルな外観です。
淡いピンク色の外壁に、白いモールやブラウンの窓枠など、色を変えたデザインにしています。中央に玄関を配置、左右に広がりのあるシンメトリーなデザインです。
窓枠にはアーチや長方形、円形を取り入れ、上品でありながらも個性やデザイン性が感じられる外観となりました。
外装タイルは、駐車場部分を淡い色調の乱貼りで、お住まいの外壁の色味ともマッチします。
玄関に通じる部分は、シンプルな貼り方の通し目地に…。重厚感のあるブラウン系でアプローチの表情に優美さも感じられます。
玄関周りの外壁には優しい風合いの石貼りを施し、黒いロートアイアンの門扉を取り付けたことでアクセントとなり、しなやかな曲線の装飾によりエレガントな印象となります。
中庭の中心には噴水を設け、ヨーロッパの公園のようなイメージにしました。お住まいの優しい色合いの外壁との相性が良い白い噴水です。滑らかな円筒状の石柱の上部には、繊細な装飾が施されています。
フランスの伝統的な宮殿を思わせるような石柱が等間隔で配置され、広々とした空間に格式高い趣も感じさせてくれます。
建物に近い部分には大きなデザイン、それを取り囲むように小さめのデザインのタイルを並べました。
中庭に面した建物の一部には、半屋外とも言える通路を設けたことで、雨の日にも中庭の素敵な風景を堪能することができます。
日本国内でヨーロッパ住宅を建てる夢を叶える
ヨーロッパデザインの住宅は、日本住宅にはない魅力が詰まっています。明るい色彩や天然の素材などから生まれたヨーロッパデザインは、多くの人の心を惹きつけてやみません。
最近では、かつて主流だった和風住宅よりも、海外風の家づくりが好まれる傾向にあり、中でもリゾート地にいるかのような“非日常”を彷彿させるフランス住宅には憧れを抱く方も多いです。憧れを形にすべく理想を描いても「歴史や風土が異なる日本で、ヨーロッパ住宅を建てられるのだろうか」という不安も同時に感じる方もいらっしゃるかと思います。
日本国内でヨーロッパ住宅を建てる夢を叶えるためのポイントをおさえてきましょう。
“風”にならないように特徴をおさえておく
日本で建てられる洋風住宅の場合、ヨーロッパの生活様式を上手く採り入れたように見えても、実のところディティールまで再現されていないことが多いのが現状です。
見た目やコストだけを重視して家づくりを進めるとヨーロッパに似せた“風”のデザインとなり、どうしても中途半端となるでしょう。
フランス住宅への憧れと期待が詰まった家づくりも、深みのまったくない“浅い”ものとなる可能性があります。
お伝えしたように、フランスの家は屋根や外壁、窓などの外観デザインが日本住宅とは大きな違いがあります。しかも、カラフルで明るい色使いの南フランス、窓を大きめにぬくもりを重視した北フランスというように、テイストは異なります。
ただ、共通して言えることが、外観はもちろん、建具や家具などのインテリアにも自然素材をふんだんに使っていることです。
このように、大まかでもいいのでフランス住宅の特徴を知っておくことが大切です。
ヨーロッパ住宅に精通している施工会社に頼む
外観や内装など表面的なポイントを似せるのではなく、「これからどんな暮らしを送りたいか」など、“住まい方”についても同時に考えることが大事となってきます。
日本国内でも、本格的なフランス住宅を建てることは可能です。
ただ、あなたの思いを現実のものにするには、施工会社の“家づくりへの想い”と“しっかりと形にする提案力・技術”も欠かせません。参會堂はヨーロッパ住宅を建て続けて30年という長い歴史がございます。
海外の家づくりを手がけてきたなかで、現地から本物の素材を独自のルートで輸入。建材にも“本物”を採り入れてまいります。
現地の家づくりを知り尽くした現地デザイナーとのタッグを組み、あなたが理想とする住宅を提案することが可能です。
また、参會堂は注文住宅と企画住宅の両方の顔を持っており、海外スタイルに精通した参會堂が厳選した直輸入の素材とデザインをもとに、趣のある“本物の家”を叶えてまいります。
企画住宅となるシェリーハウスは、住まう人の使い方で変化させることができるプランオーダーができます。
自由設計の家、企画住宅ともに、参會堂がお客様のお話をじっくり聞くところから進めてまいります。はっきりとした形になっていなくても、ぼんやりした理想でも構いません。
まずは、私どもとフランス住宅について語り合ってみませんか。
何気ないお話のなかから、じっくりと一緒に形にしてまいりましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。