優美で繊細なデザインの住宅や建築物があるイタリアは、街並みそのものが“芸術的”です。人々を魅了する素敵なイタリアのデザインを家づくりに取り入れたいという方もいらっしゃるでしょう。
一方で、「憧れだけでイタリアの家を日本で建てられるのだろうか」「イタリアの家を本格的にデザインしてくれる会社はあるのだろうか」と、海外デザインの家を日本国内で忠実に実現するのは簡単ではないと感じる方もいるかもしれません。参會堂はこれまでにヨーロッパデザインの住宅を長きにわたってデザインしてまいりました。特に、現地イタリアデザイナーとのネットワークも構築しており、本場の“イタリアの家”をデザインした施工事例も豊富です。
今回は、イタリアの街並みの特徴をはじめ、本格的なイタリア住宅を建てるためのポイントを詳しくお伝えします。
目次
イタリアの家と街並みの特徴
まずはイタリアの街並みを見ていきましょう。
ローマの街並み
古くからイタリアの中心的存在として発展を遂げてきた首都「ローマ」。
ローマと言えば、コロッセオやパンテオンなどのように曲線で描かれるローマ建築の発祥地です。世界遺産や中世建築物も多く、観光地として人気があります。
街には、ベージュやブラウン、オレンジなどの外観が特徴の建物が立ち並びます。まるで絵に描いたような綺麗な景色です。
カラフルなのに、伝統的で落ち着いた印象さえ感じます。街を歩けば、時は現代のはずなのに中世の街をさまよっている…。そんな不思議な感覚となる街並みです。
ヴェネツィアの街並み
イタリア北東部に位置するヴェネツィアは水の都として知られ、貿易の都市として栄えてきた歴史があります。
車の乗り入れができないヴェネツィアでは、人々の交通手段は運河に浮かぶ水上バスやゴンドラです。
路地裏にある水路を通ると、まるで水のなかに佇み、あるいは水に浮かぶような感覚となる建物が水際に迫ってきます。水の都「ヴェネツィア」ならではの美しい街並みです。
また、住宅はオレンジや赤など、気分が高まるようなカラフルな外観が多く、水の“青”とのコントラストに見惚れることでしょう。水辺に映ったとき、太陽の光に照らされたとき、そして夜にライトアップされたとき…と、時間帯によって雰囲気が変わります。
多くの住宅は、三階建てや四階建てです。長方形やアーチを描いた形で装飾性の高い窓が並び、カラフルな外観とも相まって、美しさはもちろん、どこか可愛い印象を感じさせてくれます。
フィレンツェの街並み
イタリアの中部に存在する観光都市のフィレンツェは“花の都”という別名を持ち、美しい街並みを誇る都市としても有名です。
街中がまるで美術館のようで、歩いていると美しい建築物を眺めることができます。
ルネサンス時代からの建築物が今でも立ち並んでいることから、街そのものが世界遺産にも登録されているほどです。
アイボリーや薄いブラウンの暖かみのある外壁に、赤の屋根材。景観を保全するための建物の色に関する建築条例もあることから、街の建物は統一された印象を受けます。
年月を経ても古いという感じはなく、“素朴”なのに“惹きつけられる”、そんな美しさを持つ建物が立ち並んでいるのがフィレンツェの街並みと言えるでしょう。
カモーリの街並み
カモーリは、イタリアの北部にある小さな港町です。
海岸線に沿うように建てられた家々は、オレンジや赤系統でまとめられたカラフルで華やかな色味が特徴的。
緩やかな丘陵地に段々と建つ住宅は、5階建て、6階建てと大規模でありながら、街全体が同じような色合いで統一され、どこかほのぼのとした印象を受けます。
リヴィエラ海岸沿いのこの街は、イタリアの観光地としては穴場的な存在かもしれません。でも、建物の色合いやデザインが統一された街並みは、“リゾート地”としてもふさわしく、まるで絵画のような独特な景観を見ることができます。
オストゥーニの街並み
南イタリアのプーリア州にある「オストゥーニ」は、多くの観光客が訪れる人気の街。
丘の上に立ち並ぶのは、晴れやかな気持ちに誘う“白”の建物ばかりです。通称「白の街」とも言われるオストゥーニでは、白い外壁が一般的です。
小さな窓やアーチ型のデザインが外観を一層華やかにしています。太陽の日差しも柔らかく遮る白い外壁により、建物内も快適に過ごせることでしょう。
白く輝く“白の世界”を堪能しつつ、心地良い風に包まれた時間を過ごせる街並みとなっています。小路に入ると所狭しと建物が立ち並んでいますが、外壁や通路の石畳などが全体的に明るく、圧迫感がありません。
日本の家とイタリアの家の決定的な違いとは
イタリアの街並みについての特徴を前述しましたが、立ち並ぶ建物を見ても「日本とは違う」という感覚になった方も多いかもしれません。
それでは、日本とイタリアの家の大きな違いを見ていきましょう。
何百年と残る家にこそ価値が生まれる
イタリアをはじめ、ヨーロッパでは家づくりにおいて「長く住む」ことを前提とした考えがあります。日本の木造住宅は、築30~40年にもなると古いと敬遠されてしまいがちです。
ところがイタリアはその逆。日本では築100年も過ぎると「古くて大丈夫?」となりますが、イタリアではむしろ100年ほどでは古いとは言われません。
100年を超え、200年、300年と建つにつれて価値が生まれ、一層魅力的と考えられるのです。
イタリアの都市部では4階建て、5階建てのマンションが住宅となっていることも多いですが、都市部から離れた郊外にいけば一戸建て住宅も見られます。
どちらも“古さ”が魅力となり、年月を重ねたなかで生まれた味わいや強固さに価値が見いだされます。個人の家が歴史的建造物になることもあります。家はプライベート空間ではなく社交の場
日本では、家に対して「プライベート」を重視する傾向にあります。
仕事や学校で一日を過ごして緊張していた心を解放せるような、リラックスできる空間作りが求められています。
イタリアの場合、家は「人を招く場所」でもあります。そもそも集合住宅が多いイタリアでは、人との交流は日常的。家族以外の人と自宅で交流することへの抵抗は薄く、むしろ客を招くための工夫も取り入れます。イタリア人にとっての家は“社交場”でもあるのです。
また、日本では、お客様を招くときはリビングに通すケースが多いかもしれませんが、イタリアでは玄関先や庭なども人を招き入れるスペースです。そのため、広々とした玄関を持つケースも多く見られます。
玄関は家への出入り口という目的だけではなく、訪れた人とティータイムを楽しめるような開放的な空間となっている住宅も多いです。
木造ではなく、石材を使った家づくりが主流
イタリアは温暖な地中海性気候で“四季”がある点では日本と似通っています。ただ、夏の日差しは強く、気温も高くなります。冬は降水量も増え、多湿傾向です。
そこで、「熱を通しにくくする・乾燥から守る」ための対策として石材を使った家づくりが主流。地中海の青い雰囲気にもなじむ、カラフルな外観が特徴的です。
また、日本の気候は多湿傾向にあり、通気のために大きめの窓を設けることも多いですが、イタリアの家は日差しを入れないために窓も小さいのが特徴となっています。
住むだけの場所ではない、自分を表現する場所
イタリアでは、住宅に対して単に“暮らす”だけの目的ではなく、自分を表現する場所という考えがあります。
カントリー風のキッチン、おしゃれな装飾、インテリア感の強い暖炉、高級な家具など、自分のこだわりや個性が感じられます。
また、イタリアの統一性のある街並みからも分かるように、イタリアの住まいは外観にも気を使うことが多いです。外から見える窓に植栽を飾ったり、アイアンでデザインを工夫。家主はもちろん、外を通る人々の目をも楽しませてくれるアイデアが詰まっています。
“質”にこだわった家づくりをしている
古ければ古いほど価値を感じさせてくれるイタリアの家ですが、それはやはり「本物の素材」にこだわっているからと言えるでしょう。日本では、家を建てるときに「リーズナブル・コストをおさえる」というワードに心を奪われる傾向にあります。
最近は、“海外風”や“北欧風”、“ヨーロッパ調”など、表面上似せた素材を使う方も増えています。家づくりの一時的なコストは安く済みますが、耐久性が良いとは言えません。
イタリアでは、本物の質の高さにこだわった家づくりが行われているからこそ、100年、200年といった長期的な住まいが叶うのです。
高級家具や装飾品の美しさが感じられる
住まいに“質”を求めるイタリアの人々は、「家具・装飾品」にも本格的なものを追求します。名だたる芸術家も多く輩出されたデザイン大国イタリアでは、職人の手作業による上質な家具も作られています。
イタリアでは、機械的に量産した製品では叶えられない高級家具や装飾品を家に飾る方も多いです。
子や孫世代までも受け継いでほしいという気持ちはもちろん、社交場となる家に誰かを招いたときに充実した時間が過ごせる空間にしたいという想いが感じられる家づくりが背景にあります。
お手入れをして未来につなげるという感覚がある
イタリアでは、住宅に対して「何十年も住んでいく」という気持ちがあります。
基本的には、傷んだ箇所は修繕をして直しながら大切に使っていきます。
また、前述したように家はプライベート空間ではなく、社交の場でもあることから、掃除はこまめに“綺麗”にする努力は怠りません。
丁寧なお手入れが住まいの未来につながるという感覚があります。ヨーロッパ住宅専門の参會堂が建てるイタリアの家
参會堂はヨーロッパ住宅専門の会社としてこれまでに数々の家づくりを手掛けてまいりました。今回は、その中からイタリアの家の施工事例を3つご紹介します。
イタリアのリゾート地を彷彿とさせる上品な住宅
淡いベージュの外観で落ち着きのあるデザインの外観です。
屋根材にはグラデーションのある洋瓦を使い外観のアクセントにしました。イタリアでは、瓦一枚に対しいくつかの色味が焼かれている特徴があります。
アイアンフェンスで囲まれた庭には、イタリアのリゾート地を彷彿させる植樹の緑。ベージュなどの淡い色調の外観に、上品な華やぎを添えてくれます。また、ガレージの木製の扉や石張りの壁、窓に取り付けられたアイアンなど、素材の質感の違いでアクセントをもたせることができました。
リビングは様々な素材を組み合わせたインテリアとなりました。
2階の梁を1階の天井に露出させる“現し”という仕上げです。通常では見えない構造の梁が見えることにより、木材の質感や高級感のある色彩がインテリアのひとつになります。
イタリアでは、このように天井に木の梁現しが見られるインテリアも多いです。本来であれば隠すはずの梁も、装飾を施せば一層デザイン性が高まります。木という素朴な素材も、高級感を感じさせてくれる仕上げとなりました。
部屋の中心には個性溢れるヘリンボーンのフローリング、アーチ状の窓を囲うのは木製の額縁、高級感のある造り付けのテレビ台というように、本物の木の質感によりまとまりのあるインテリアに仕上がりました。
カラフルな外観がイタリアをイメージさせる住宅
外観の色は、イタリアをイメージさせるようなカラフルなピンク色です。
妻側の壁面には、白い妻飾りをデザイン。穏やかなピンク色の外壁に存在感を放ちつつも、上品で繊細な装飾となりました。
また、半球型をしたドーム型の屋根が個性を演出しています。
オレンジや白などが織り交ざった瓦屋根、ピンク色の外壁、白いモールディング装飾、アイアンの門扉など、動きのあるデザインですが、バランスよく配置されたことでまとまりが感じられました。
アプローチには、優しい色味の乱張りされた自然石。建物のデザインはもちろん、アプローチまでもが芸術の都“イタリア”をイメージさせる佇まいとなりました。
プライベート空間となる中庭です。瓦屋根と同系色のタイル、そしてピンクの外壁も相まって全体的にカラフルな色味の空間となりました。まるで地中海のリゾートにいるような感覚です。
アーチ壁を取り入れたタイルテラスを通じて、屋内と屋外の行き来もしやすく、くつろぎの時を過ごせる上質な空間となりました。
イタリアでは、外観にアーチ壁(アール)を取り入れたデザインがよく見られます。
イタリアの街並みを連想させる高級感のある住宅
イタリアの街並みにあるようなデザインにしたいというお客様のご要望によりデザインした外観です。
1階部分は重厚で高級感のある石貼り、2階・3階はクリーム系の外壁と違った素材を使いました。1階から3階までに、柔らかな曲線のアールを取り入れデザインを統一しています。
縦長の格子窓を各階で左右対称にバランスよく配置しました。芸術的なイタリアの家をイメージした、シンメトリーの安定感のあるファザードです。
昔のヨーロッパ建築は、2Fが主人が住むフロアで上階に使用人が住むフロア、そして1Fが客間…というように、それぞれの階の階高が違うことが多い傾向でした。それを忠実に再現したデザインとなりました。
ベージュやクリームなど暖色系でまとめた室内です。通路にはアーチ壁を取りいれて奥行きをもたせました。
ヨーロッパ建築において歴史を持つモールディング装飾も施し、陰影による立体感が芸術的な美しさを放っています。
優しい淡い色合いのリビングは、壁や床材の素材を部分的に変えたことによるアクセント効果で立体感のある空間となりました。
日本国内でも本物を追求。イタリア「風」で終わらせない家づくり
イタリアの家には、日本にはない特徴がたくさんあります。
デザイン大国イタリアならではの美しい技法や建築にこめられた工夫は、見る人の心を深く揺さぶるものばかりです。それに魅了されて「日本国内でイタリアの家を建てたい」という方もいるでしょう。
ただ、歴史や風土の違いから、日本の家とイタリアの家には異なるポイントが多いです。つまり、イタリアの家の特徴を知り、“海外風の家”として一括りにしない配慮も必要なのです。日本に数多く建っている「風」の家
最近の日本では、イタリアをはじめ、海外を彷彿させる“海外風の家”がたくさん建っています。異国情緒漂う住宅に憧れを持つ方も多いでしょう。ただ、多くの場合、それらは「風」でしかありません。
その理由は、その家の設計デザインを行った方が、本当の海外の家を知らないからなのです。日本で海外住宅を建てることは難しい?
それぞれの国によって住宅のデザインが異なるのは、風土に合った形で進化を遂げているからです。そのため、日本にそのままの状態でイタリアの家を建てても本当の快適性が追求できません。
特にバスルームやキッチンなどの水回りもイタリアの風土に合わせてしまうと、日本人では使い方も分からないものとなることもあります。
日本で海外住宅を建てることは難しくもありますが、海外との違いを把握しつつ、日本の風土に合わせた設計や、建材の特徴などを熟知している会社に依頼することがとても重要となるのです。参會堂なら本物のイタリアの家を建てられる
イタリアの文化や暮らしを深く知り、本物の質の高い素材で作るイタリアの家。海外住宅施工歴30年以上の設計事務所である参會堂なら、“風”ではなく、本物のイタリアの家を建てることができます。参會堂には、イタリアを知り尽くした現地のデザイナー、そして現地の建材・家具を輸入できるネットワークがあります。
住まい手の方が思い描く、イタリアの家への希望や憧れを形にできる整った体制を持っています。
また、日本の家づくりと海外の家づくりを組み合わせることで、独自の方法で本物のイタリアの家をつくれる提案力と技術力がございます。
一切の妥協を許さない参會堂の家づくりは、あなたの想像を超えた建物を完成させます。
まずは、私ども参會堂にお客様の家への想いをお話くださいませんか。イタリアの家や海外住宅の魅力について共に語り合うなかで、お客様のかけがえのない家づくりを形にしてまいります。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。