おしゃれなデザインの住宅によく使われている「アーチ壁」「R垂れ壁」は、可愛らしくもあり、それでいて上品で素敵な雰囲気が漂っています。
注文住宅で理想のデザインを叶えるために「アーチ壁を取り入れてみたい」「ヨーロッパ住宅のようなR垂れ壁にしておしゃれなマイホームにしたい」という方もいらっしゃることでしょう。
ただ、単に「おしゃれになりそう」とありふれたアーチ壁を作ると、家のデザインとの統一性がなく“浮いたデザイン”となって後悔することも少なくありません。今回はヨーロッパ住宅を30年以上建て続けている参會堂が、アーチ壁・R垂れ壁を取り入れた施工事例とともに、メリットやデメリット、そして人気の理由を詳しくお伝えしていきます。
目次
⼈気のアーチ壁・R垂れ壁(アール垂れ壁)とは
最近の家づくりでアーチ壁・R垂れ壁は大変人気があります。新築一戸建てはもちろん、リフォームやリノベーションでも注目されています。
「アーチ壁」とはどんなものなのでしょうか。
垂れ壁にはいくつか種類がある
アーチ壁とは「垂れ壁」のひとつです。垂れ壁とは、天井から突き出て垂れている壁です。下方向に下がっているスタイルのため、「下がり壁」とも言われます。
主な垂れ壁の種類は、下記の3つです。
- ・天井や床と平行に垂れ下がる「垂れ壁」
- ・三角形の形をした「三角垂れ壁」
- ・曲線で円を描く「アーチ壁(R垂れ壁)」
一般的な「垂れ壁」は、ストレートなラインですっきり、空間をスタイリッシュに仕上げてくれます。
「三角垂れ壁」は直線と角によって構成された個性的な形状ですが、“三角形”という形が可愛らしい印象にもなります。
そして、丸みのある優しい雰囲気に仕上げるのが「アーチ壁・R垂れ壁」です。
アーチ壁はどんなデザインの家に合う?
アーチ壁が似合う住宅は洋風の住宅です。
西欧建築では、古くから外装や内装にアーチを描いた建物が多く、“アーチ”は伝統的なデザイン。曲線の柔らかなラインは、ヨーロッパデザインの住宅によく合います。
ただ、日本の伝統的な“和”の住宅に、“洋”を随所に取り入れ現代っぽさをプラスした「和モダン住宅」にもアーチ壁はマッチします。重厚でクールな印象の和のテイストのなかにアーチの曲線が描かれることで、一気におしゃれなデザインになるでしょう。
アーチ壁・R垂れ壁はなぜ人気なのか
アーチ壁・R垂れ壁が家づくりにおいて人気の理由をご紹介します。
空間のつながりを柔らかに演出することができる
アーチ壁・R垂れ壁は、直線だけで構成されたケースよりも“柔らか”で“優しい”表情になります。角のない緩い曲線は、空間のなかに柔らかさをもたらしてくれるでしょう。
インテリアのアクセントとして手軽に取り入れられる
通常、家づくりでは、壁や天井、扉など“直線”が多用されます。標準的で誰からも受け入れられるラインのなか、アーチが描く曲線を取り入れるとアクセントになります。
ストレートなラインの垂れ壁をアーチの曲線にするだけでも、何気ない空間へのアクセントとして手軽に取り入れることができます。
とにかくおしゃれでかわいい優れたデザイン性を持つ
アーチ壁・R垂れ壁の施工事例を見て多くの人が感じるのは「おしゃれ」や「可愛さ」でしょう。アール壁・R垂れ壁は極端に目立つ存在ではないのにも関わらず、デザイン性が高くておしゃれです。
アーチ壁・R垂れ壁のメリット・デメリット
アーチ壁・R垂れ壁のデザインは、日々の暮らしをもっと魅力的なものにしてくれます。メリットに惹かれて「ぜひ取り入れたい」という方は多いでしょう。一方でデメリットにも目を向け、それを緩和できる工夫もおさえておきましょう。
アーチ壁・R垂れ壁のメリット
圧迫感なく部屋を区切れる
お部屋や廊下、キッチンなど、住宅のなかにはさまざまな空間があります。ただ、全部を“壁”で区切ると、どうしても圧迫感が出て狭さを感じるものです。
だからと言って全部をつなげるのも、個々の空間の独立性が保たれません。そこで空間の区切りにできるのがアーチ壁・R垂れ壁です。圧迫感を感じさせずにゾーニングをはっきりさせることができます。
完全な区切りではなく、開口部から視線を広げることも可能。緩やかに空間の繋がりを感じつつも、独立されたそれぞれのスペースが叶うでしょう。
デザインがワンランク上がる
アーチを描くような垂れ壁にすることで、空間に動きが見られます。全体がアーチ壁の下部分で緩やかにつながっているので奥行きのある雰囲気になります。
アーチ壁で区切ったそれぞれの空間において、内装や照明、カラー、デザインに変化をもたせれば、立体感のある印象に…。アーチ壁がアクセントとなり、ワンランク上のデザイン性が得られます。
アーチ壁・R垂れ壁のデメリット
設置場所を間違えると逆効果になることも
アーチ壁・R垂れ壁は設置場所を選びます。
「見た目がおしゃれだから」「海外のようなデザインに憧れるから」という理由だけでどこにでも設置できるわけではありません。たとえば、もともとそれほど広くない空間にアーチ壁を作った場合、天井から垂れさがった壁部分が圧迫感の原因になる可能性があります。
部屋の中心部に存在感のあるアール壁を配置した結果、「ない方がよかった」という後悔につながらないように注意しなければなりません。
また、設置場所によって採光に影響が出ることもあります。
本来、外からの光が奥深く入り込める間取りだったところに、アール壁で空間を区切ると失敗の原因に。可愛らしく素敵なデザインなのに、「少し暗い感じがする」とデメリットに感じる結果につながりかねません。
特に、キッチンは明るくしたいスペースですから、「キッチンの広さ・アーチ壁の配置・明るさの確保」などを慎重に考えながら、丁寧にプランニングできる設計会社に依頼することが大事です。
似合うデザインが絞られる
シンプルになりがちな色味の外壁・内壁でも、アーチ壁・R垂れ壁を取り入れることで雰囲気ががらりと変わるインパクトもあります。
ただ、むやみに多用すればいいものではなく、全体的なコーディネートも大事です。アーチ壁の曲線のラインがしっくりとマッチするデザインでなければ、浮いた感じになる可能性もあります。
似合うデザインが絞られるからこそ、設計者やデザイナーの手腕も問われます。アーチ壁を取り入れる場合は、アーチ壁の施工実績の多さにも着目しましょう。
アーチ壁・R垂れ壁のおすすめアイディア例(施工事例)
参會堂では、これまでにアーチ壁・R垂れ壁を取り入れた海外デザインの家づくりを行ってまいりました。
アーチ壁を取り入れる際のアイディアがふんだんに詰まった施工をしております。そのなかから、おすすめのアイディアの施工事例を3つご紹介していきます。
外壁のアーチ壁が特徴的な海外デザイン住宅
外壁部分にアーチ壁を採用しました。
直線的なラインだけではシンプルになり過ぎるところが、アーチ壁の曲線によって柔らかさが増した外観となりました。
海外デザイン住宅では、こちらの住宅のように格子窓を使うことが多いです。白い格子は、白い外壁にナチュラルになじみ、爽やかな表情となりました。敢えて2階だけを格子窓とし、1階は光を取り込みやすい三枚窓にしています。また、連なった2箇所のアーチ壁がリズミカルな雰囲気にし、外観の表情に動きを感じさせてくれます。
2階は格子窓とアーチやストレートのライン、そして1階は三枚窓と連続したアーチ壁。上下のデザインを分けつつも、バランスよくまとめられています。
室内に直射日光が入るのを和らげるため、敢えて壁を作ったタイルテラスです。開口部分をアーチ形状にしたことで、優しい印象の外観となりました。
適度に注がれる太陽の光とともに、自然に流れてくる軽やかな風を感じ、気持ちの良い過ごし方ができることでしょう。
アーチ壁の下は天候に左右されず、晴れた日はもちろん、雨が降ったときでも濡れることなく過ごせるスペースです。
玄関ドアは穏やかな色味のブラウンを使い、白を基調とした外観のアクセントとなりました。縦長の採光窓が中央に設けられた玄関ドアによって、玄関内部への明るさを確保できます。
意匠性の高いアーチ壁がおしゃれなインテリア
こちらの住宅は、構造により下がり壁が必要となり、そこに意匠性をもたせてアーチ壁としました。アーチ部分と柱部分の色を変え、柱の意匠をより際立たせたデザインです。
柱をつなぐように描かれたダークブラウンのタイル、サッシの木目の太い枠と色味のバランスもよくまとまりました。奥側と手前の床デザインに変化をつけたことで、アーチ壁を境として空間を緩やかに区切っています。
アイボリーの優しい色味の光沢のあるタイルの床は、空間全体を暖かな雰囲気に演出。タイル目地の配置を斜めや縦と変化をもたせて、デザイン性を高めました。
また、素材の美しさが際立つような優しい光を放つアイアンの照明を天井や壁など数か所に施しています。
ひとつの空間に一つの照明で強い光を広げると空間が明る過ぎて落ち着かない印象になりますが、このようにワットの低い照明を数か所に分けて取り付ける“多灯分散”はデザイン性を高めることが可能です。
階段ホールからキッチンに向かうまでの通路は、扉を設けずにアーチ壁を施しました。壁で区切ってしまうと圧迫された印象になりますが、こちらの住宅のようにアーチ壁により柔らかに区切ることで空間に奥行きが生まれます。
窓から取り込まれた自然光は淡い色味のタイルに反射し、上品な明るさを感じさせてくれます。扉がないことで、開閉時の動作もなくなり、キッチンから階段への移動もスムーズ。
アーチ壁の滑らかな曲線が美しい空間デザイン事例
扉を設けていない為、間仕切り壁が単調な印象を与えないようにデザインしました。アーチ壁の優しいラインで描いたデザインと輝く大理石が空間全体に美しさや上品さをもたらしてくれます。
開口部を大きくしていること、そして扉を取り付けずにアーチ壁で区切っていることでお住まい全体につながりが生まれ、明るく気持ちの良い空間になりました。
テーブルセットを置いた部分の床材はモザイクタイルの細やかなデザインを施しました。部分的に大理石の大きさや色味を変えてデザインをもたせることで、シンプルになり過ぎることもなく、それでいて華美過ぎることのないナチュラルなアクセントとなっています。
美しさや可愛さと言った見た目、そしてアーチ壁を通り抜けることによる動線の利便性…と、美観と機能性を備えた空間となりました。アーチ壁の柱部分にもパネルやモールで装飾しています。
表面がフラットなアーチ壁・柱の場合、優しく柔らかな印象を与える”アーチの曲線”もシンプルで存在感がなくなることもあります。
こちらのお住まいのようにアーチ柱に凹凸をもたせたモールディング装飾をすることで、おしゃれで上質な印象にでき立体感も演出できます。
大理石の輝きや、内装の美しい色合いにも負けず、存在感のあるアーチ壁・柱となりました。
アーチ壁・R垂れ壁で後悔しないための情報
デザイン性が高く、個性も演出できるアーチ壁・R垂れ壁。“大人かわいい家”や”上品でクラシカルな家”へ憧れている方はぜひとも取り入れたいアクセントです。
ただ、注意しなければならないポイントもあります。後悔しないため、まずは次の2点をおさえておきましょう。
アーチ壁はクロス剥がれが起きやすい
アーチ壁・R垂れ壁で起こる後悔のひとつに「クロス剝がれ」があります。
アーチ壁は曲線のため、壁紙を密着させることが難しく、クロスで仕上げると後から剥がれが起きやすいです。初めのうちは何ともなくても、しばらくしてから剥がれやめくれに気づくこともあります。
せっかくの美しくおしゃれなデザインも、クロス仕上げを選んだばかりに「剥がれて後悔」という結果になるのは残念なことですよね。模様入りのクロスも曲線が丸みを帯びるほどに合わせづらく、技術的な観点でトラブルを起こす可能性も考えられます。
いずれにしても、クロスで一見「綺麗なアーチが描かれた」と思っても、剥がれ・隙間ができるのは時間の問題とも言えるでしょう。
そこで、アーチ壁・R垂れ壁の仕上げには、クロスではない素材を使ってあげることが大事です。ヨーロッパデザインの住宅との相性が良いアーチ壁・R垂れ壁は、本格的な“塗り壁”で仕上げることがおすすめです。綺麗に仕上がることはもちろん、手塗りの味わいのある表面が空間を穏やかに演出してくれます。
また、モールディングで装飾するのも工夫のひとつです。アーチ壁をさらに豪華に演出し、可愛い雰囲気にもできますし、クラシカルで上品な雰囲気にもできます。シンプルな空間のデザイン性を高めてくれる素材です。
アーチ壁を複数置く場合はスタイルを揃える
アーチ壁を同じ空間に複数取り入れるときは、全体のバランスを整えましょう。角度や方向、大きさ、幅などがすべてバラバラでは、まとまりのない空間となるからです。
アーチ壁を隣りあわせに連続して設置するときは、アーチの角度とサイズを揃えましょう。
また、少し離して平行に、向かい合わせとなるように取り入れるときも、手前から奥側のアーチ壁が目に入るようにスタイルを揃えると綺麗です。扉と違って常に開口している部分のアーチ壁は、そこを通して向こう側に見える景色もインテリアの一環となります。
「その空間がどう見えるか」「せっかくのアーチが綺麗にまとまっているか」も含めて、スタイルを揃えた設計が大切です。家のデザイン性を底上げするアーチ壁・R垂れ壁
アーチ壁・R垂れ壁は、ストレートなラインだけで構成される部屋と比べると、住宅のデザイン性を底上げしてくれる存在です。空間に曲線があるだけで柔らかいアクセントとなり、ほかの部分のカタチとのバランスをまとめると印象を大きく変えることができます。
しかし、設置場所を間違えると後悔につながることもあります。アーチ壁・R垂れ壁の位置が悪すぎて「かえって圧迫感が出た」「照明計画を失敗して薄暗くなってしまった」というのもよく耳にする失敗談です。可愛らしくおしゃれなデザインですが、無計画にアーチを取り入れたことが逆効果となる可能性もあるのです。
そこで大切なのは、アーチ壁・R垂れ壁を知り尽くしている会社への依頼です。アーチ壁の魅力を引き出せるかどうかは、これまでに手掛けた「アーチ壁・R垂れ壁の実績数」とも比例すると言ってもいいでしょう。
配置やアーチの角度、どのように見えるかなども計算し尽くしたデザイン力と設計力によって、アーチ壁の美しさが叶えられます。私ども参會堂は、これまでにヨーロッパデザインの住宅を長年手掛けてまいりました。
アーチ壁・R垂れ壁のような曲線は、ヨーロッパ建築ではよく取り入れられる技法です。海外デザイン住宅を建て続けて30年の歴史と経験がある参會堂には、たくさんの施工事例もございます。「自分が理想とする家づくりにアーチ壁を取り入れたい」「今ある大まかなイメージをもっと具体的な形にしたい」など、アーチ壁・R垂れ壁の理想イメージを湧かせるためには施工事例を参考にするのがおすすめです。
参會堂には、今回お伝えしたほかにも、アーチ壁・R垂れ壁の素敵な施工事例やアイディアがございます。ぜひ、下記の資料請求ボタンよりご確認ください。
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参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
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