新築するとき「庭があるとオシャレな感じがする・見栄えのよい庭に憧れる」など、庭にこだわりたいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一方で
- 庭は本当に必要なのだろうか
- 庭の手入れって何をすべきか分からない
- 安っぽい庭になったらどうしよう
- 自分の好みの庭にならなくて後悔したら…
といったような疑問や不安も、たくさん浮かんでくるかもしれません。
“庭”と一口に言っても、仕上げの方法によって見た目はかなり変わり、そのほか注意点も異なります。事前に理解しておかなければ後悔にもつながりやすいでしょう。今回は新築住宅の“良質な庭のデザイン”のポイントについて、私ども参會堂が手掛けた高級注文住宅の施工事例を参考に詳しく解説していきます。
ぜひご参考ください。
目次
新築に庭を作るメリット・デメリット
「戸建て住宅の庭」と聞いただけでオシャレな風景がイメージできますが、具体的にどんな風なメリットがあるのでしょうか。また、どんな仕上げだとしても、デメリットとなる現実的な部分も少なからずあります。
ただし、デメリットに関しては、対策や心構えができていれば、特に大きな後悔につながることもないでしょう。「庭があればいい」という何となくの理由ではなく、メリットとデメリットの両方を頭に入れて、庭づくりの計画を進めていきましょう。
【新築に庭を作るメリット】
①遊び場ができる
“庭”と聞くと、多くの人は子どもやペットが遊んでいる姿をイメージするのではないでしょうか。自宅の敷地内で安全で自由な遊び場ができるのはメリットです。
②趣味が広がる
子どもやペットばかりではありません。大人だってもちろん楽しめます。
「友人たちと一緒にバーベキュー・テーブルセットを置いてティータイム・休日にDIYの作業スペースに」など、趣味が広がりそうですね。
③日当たりの確保
土地に対して建物を大きく建てた場合、隣家との距離が近くなります。影となる部分が増えて、日当たりの悪さを感じやすいでしょう。
そこで、庭を広めに設けることで、日当たりを確保することができます。
【新築に庭を作るデメリット】
①手入れが必要
庭を作ってデメリットと感じるのは、手入れの必要性です。
どんな仕上げにするかで、お手入れのしやすさや方法も異なりますが、ノーメンテナンスで綺麗な庭を保つことはできません。
汚れたら掃除、劣化したら補修…というように、建物と同じように愛着を持ってお手入れしてあげることが大事です。
②広めの土地が必要
庭を作るには、家の間取りに支障がないように庭をデザインするとなれば、広めの⼟地が必要となります。結果的に、購入費用が高いと感じるかもしれません。
注⽂住宅の庭の仕上げ⽅法と特徴
庭の仕上げ方法には、芝生や砂利などさまざまなパターンがあり、特徴が異なります。
仕上げ方法は庭の印象を大きく変えるだけでなく、メンテナンスとも関わりがあるもの。主な仕上げの方法について、特徴をおさえておきましょう。
芝生の特徴とメリット・デメリット
光の当たり具合で色の微妙な違いを感じられるのが芝生で仕上げる方法です。お庭全体に優しい緑が広がり、室内から見た庭の風景に癒されます。欧米では自宅の庭に芝生をふんだんに設置するのが一般的です。
芝生で仕上げた庭は、高級感があって洗練された印象となるのはもちろん、“安全性”が加わります。転んだときの衝撃も和らぎ、子どもやペットのいるご家庭で好まれる仕上げです。コンクリートと比べると太陽光の反射が柔らかで、涼しい空間となるメリットもあります。
一方でデメリットと感じやすいのがお手入れ面です。
芝生には2つの種類があり、天然芝の場合、日常的にお世話をしなければなりません。「伸びてきた芝を刈る」「雑草をむしる」「肥料や水やりを適度におこなう」といったメンテナンスをしなければ、景観を損なってしまうでしょう。
お手入れが苦手なら人工芝がいいでしょう。枯れることなく見た目が通年キープできます。とはいえ、半永久的とは言えず、素材の寿命が短く、10年もすれば交換時期がやってくることを心得ておきましょう。
砂利の特徴とメリット・デメリット
砂利には「防草シートを使用するため雑草が生えづらい」と「水はけがよい」という特徴があります。土を隠して清潔感のある空間づくりが可能です。
砂利の種類は多彩で、明るくシンプルで和洋どちらにも合う“白玉砂利”、黒く光って高級感のある“黒玉砂利”、天然の赤みが美しい“赤玉砂利”、華やかに見せる“ピンク玉砂利”などがあります。大きさや形状、色によって雰囲気が結構変わりますから、ご自身のお庭に抱くテイストの好みに合わせて選べるでしょう。
また、砂利は音が出ますから防犯対策としても注目される仕上げです。さらに、一般的な砂利よりも音が大きい“防犯砂利”などもあります。しかし、デメリットは歩きづらい点。歩行が未熟な子どもは、砂利で転ぶ可能性が高まります。
常に歩行する部分は砂利敷にしないなど、部分的に仕上げを変えるといいでしょう。
また、年数をかけて自然が生み出した“砂利”のほか、人工的に砕いた石を“砕石”もあります。丸みのある砂利と違い、砕石は角が多いため、切ったり刺さったりなどのケガが心配かもしれません。
コンクリートの特徴とメリット・デメリット
雑草が生えずにお手入れがしやすいのがコンクリートです。耐久性があって重量にも耐えられる素材のため、駐車場によく使われています。
砂利のようにタイヤや車のボディに傷がつく心配もありません。グレー系の色味で見た目も落ち着いています。子どもも歩行しやすく、車いすで出入りする方にも安心感があるでしょう。ただ、鉄筋を敷いて埋める施工法ですから、いったんコンクリートを敷いてしまうと撤去は簡単ではありません。庭のレイアウトを変更するのが難しいでしょう。ゆるやかに傾斜をつけなければ、水が溜まることもあります。
それに、極端に安価な業者の場合、コンクリートの質が悪いことも。数年もすると、ひび割れや穴のような凹みなどが顕著となってくる可能性があるので注意しなければならないでしょう。
タイルの特徴とメリット・デメリット
石や粘土などを高温で焼いたタイルは、内装はもちろん、外装でもよく使われる素材です。
屋外にも関わらず、高級感がある雰囲気を演出。水に強く、鉢植えの植物を置けばガーデニングもできます。草花がよく映える美しい仕上げ方法です。また、コンクリートと同様に「雑草が生えにくい」という特徴があります。メンテナンス性が高いうえ、景観を損なわずに“綺麗な庭”を楽しめるでしょう。
ただ、一方で降雨時にデメリットに…。
釉薬を入れて光沢を出しているタイルは汚れがつきにくいですが、それが“滑りやすさ”にもつながっているので注意しなければなりません。外部の床として使える防滑性のあるタイプを選ぶことが大事です。
新築に庭を作る際に注意すべきポイント
本来、快適に過ごすために作る庭も、失敗すると使う頻度が激減。“単なる空間”と化して後悔にもつながります。
そこで、新築で庭づくりを計画するとき、注意したいポイントを見てみましょう。
庭の使い道を考えた設計にする
「庭があると素敵」「ウッドデッキにあこがれる」など、庭づくりでは“なんとなく”というイメージだけで、明確な目的を特に持っていない方も実際にいらっしゃいます。
はじめに、「どんな風に使いたいか」という目的をしっかり持っていなければ、仕上げ方法やデザインなどの方向性が定めることができません。
たとえば、「子どもの遊び場所にしたい」というのであれば、転んだときのリスクを考えてクッション性の高い仕上げにすることが大切になってきます。「愛犬と外気浴を気軽に楽しみたい」というときは、半屋外となるウッドデッキをリビングとつなぐと快適になりそうです。
新築で庭を作るときは、まずは庭の目的を考えておきましょう。
また、仕上げ方法を決めるときに重視したいのは、手入れのしやすさ、お手入れにかかる時間のことです。“芝生で仕上げたい”という場合、天然芝と人工芝ではメンテナンス性がまったく異なります。
お手入れに対して「あまり時間をかけたくない」、それとも「綺麗にするためなら時間をかけたい」。どちらにするかで選ぶべき仕上げ方法も変わってくるので注意しましょう。
⼟地選びを慎重に行う
慎重に考えたいのが土地選びです。土地選びによっては、庭に思い描いた目的が果たせないことがあります。
周囲の建物によっては日当たりが悪く、期待していた日光浴ができないかもしれません。
庭に植栽を考えているなら、土地選びの段階から建物と植栽の配置なども検討すべきポイントです。子どもやペットの遊ぶ庭づくりをお望みの場合、“交通量の多い道路に面する環境”も後悔につながる可能性もあります。
庭は、子どもの遊び場や趣味のスペースなどの目的を持つため、“人が快適に過ごせる場所になりそうか”という視点でも土地選びをしてみましょう。
また、自家用車をお持ちの方は、駐⾞スペースも考慮して土地を選ぶことが大事です。
駐車場よりも庭に比重をおいた外構プランを考えてしまい、後から車を置けなくなるという失敗例もございます。現段階で所有している車のサイズと台数に合わせて最低限の駐車スペースにした場合、「車の台数が増えて駐車ができない」と将来的に困る可能性もあるため注意しましょう。
水道管の位置にも注意
庭づくりの計画は後回しにせず、建物と同じタイミングでプランニングしたいものです。
というのも、屋外の“桝”や“水道管”の位置によっては「植栽ができない」「タイルを敷きたかったところに桝がある」など、思い描いていた庭にできなかったという失敗もあるからです。「外構は後から別業者に…」という方もいらっしゃいますが、こうした失敗を防ぐためにも建築と同じ設計事務所に頼むことが理想と言えるでしょう。
庭のある⾼級注⽂住宅の施⼯事例3選
これまでに参會堂が手掛けた高級注文住宅のなかから、素敵な庭のある施工事例を3つご紹介いたします。
庭のある高級注文住宅の施工事例①
大きなシンボルツリーとなる立木を庭の中央に植えました。アイボリーの明るい色味の外壁とブラウン系タイルが優しくまとまった庭です。
建物の外装とまとまりを持たせたタイル敷の庭は開放感が溢れつつも、ともすればシンプルにもなってしまいます。こちらの庭のように、中央に樹木をたった1本植えるだけで建物の象徴のような存在感が生まれてきます。
自然のなかで生き抜く樹木が季節とともに変わる姿は、日々の生活に溶け込み、癒しをもたらしてくれることでしょう。
リビングから見える中庭の景色は、シンプルになるようにデザインしました。
フルオープンタイプのサッシを採用したことで、全開にしたときの開放感は格別。リビングも庭も同系色のタイルですから、庭が一続きとなった感覚となります。
晴れた日にはサッシをフルオープンにでき、自然の優しい光、ゆるやかに注がれる気持ちのよい風を部屋のなかに居ながら感じることができそうです。
ソファーに腰かけて眺める庭の風景は、立体感のある絵画のようにも見えます。掃き出し窓ですから気軽に庭へと出ることもできます。
また、庭にはブラケットライトを取り付け、夜間でも暗くならないように工夫しています。
ほんのりと明るい照明に照らされた樹木の緑色やタイルの茶色は、昼とは違った雰囲気を見せてくれることでしょう。
庭のある高級注文住宅の施工事例②
こちらは、建物に囲まれた“パティオ(中庭)”です。テーブルやチェアを置いて、リラックスできる空間となりました。チェアは壁際にもあり、座る位置によって庭の風景の見え方の違いを楽しめるでしょう。
外壁と中庭のタイルは、素材や色味のバランスもよく、一層開放感に満ちています。完全なるプライベート空間のパティオで、誰にも邪魔されることのない、くつろぎの時を安心感とともに過ごすことができます。
中庭の為、お手入れがしやすいように植栽は少なめとしました。端に寄せて置くことで、パティオの開放感のある空間をつつましやかに彩ってくれます。
タイルの貼り方にも工夫を凝らしています。よく知られているのは、タイルの縦横を一直線とする「通し目地」というシンプルなパターン。
こちらの庭のタイルは「大きいタイルと小さいタイルを交互にずらす」デザインにしました。通常の貼り方とは違った趣が感じられる中庭です。
庭のある高級注文住宅の施工事例③
中庭の床はウッドデッキとし、室内からアクセスしやすいように設計。素材には天然木を使い、ぬくもりのある風合いとなっています。
白い外壁と洋瓦ともマッチする落ち着きのある深いブラウンの色味のウッドデッキ。庭を通るたびに、穏やかなひと時を感じさせてくれるでしょう。年数が経つほどに味わい深さを感じられるのは、天然木のウッドデッキならではの魅力です。
また、必要な時は室内に入れられるように、植栽はコンパクトなものを設置しました。低木が植えられた鉢の色がウッドデッキと同系色でまとめられ、控えめながらにも中庭の空間づくりを支えてくれている印象です。
穏やかで小さい草葉がウッドデッキの中庭を明るくしてくれています。
室内から見た中庭の風景です。コの字の形の中庭でプライベート感があふれているのも魅力。
ウッドデッキと室内とは高低差がなく、床材の色味が同系色でまとめられている事で、一層つながりのある空間を感じさせてくれます。
また、中庭を囲っている壁には開口部を大きめに設け、室内が明るくなりました。太陽の光はもちろん、曇った日や雨の日でも白い壁から緩やかに反射した自然光が室内に注がれます。
豪邸のような優れたデザインの庭にする方法
優れたデザインの庭にするには、“建物+庭”が外観としてのまとまりを持ち、室内から見える“庭の風景”をインテリアにもしてくれるデザインが必要です。豪邸と言える住まいの庭は、そんなこだわりが反映されています。
植栽や植木へのこだわり
本来、庭には「風景を眺めて楽しむ」という役割があるので、植栽や植木にもこだわりを持ちましょう。
年中緑を楽しめる“常緑樹”もあれば、秋の紅葉を過ぎると葉が落ちる“落葉樹”もあります。木が成長したときの高さも違うので、それも踏まえて選びましょう。それほど高くない低木の場合、庭の空間のなかで住まう人の動線を遮らず、それでいてオシャレな庭への貢献度も深いでしょう。
庭に置くエクステリアにもこだわる
ガーデンテーブルやチェア、オブジェなど、庭に何を置くかにもこだわりましょう。
“エレガント”や“シンプルモダン”、“ヨーロピアン”、“ナチュラル”、“和モダン”など庭のテイストは様々。好みに合わせるのももちろん大事ですが、建物との統一性も考えた素材や色選びをしなければ、ミスマッチになってしまいます。木材なら温かみのある雰囲気、金属なら重厚感が演出できます。唐草模様が施されているとヨーロピアンな雰囲気にもなります。
素材感や色合いによっても庭の雰囲気がだいぶ変わるので、建物とも合わせながらこだわりぬきましょう。
室内からの景色を考えた設計に…
室内から見える景⾊と空間を考えた設計にすることもポイントです。
窓の大きさや開き方への配慮も欠かせません。フルオープンなら、窓を開けたときに室内の延長のような空間が生み出されます。
照明の数や位置にもこだわることで、昼とは違った夜の庭を楽しめるのも豪邸のような優れた庭のデザインとなります。ただ、夜間のライトアップは、ただ光を照らせばいいというわけではありません。明るさや光の質、反射によって“空間の趣”や“奥行き”を演出できるのは、デザイン力と設計力がなせる技でもあります。これまでに豊富な庭のデザインを手がけた設計事務所に頼むことも重要です。
一目でコンセプトが分かる庭を作ろう
庭づくりで大切なのは、家だけでなく、庭にもコンセプトを持たせることです。
- チェアを置いて光と風を感じたい。
- 室内から庭を見ながらリラックスしたい。
- 庭木の香りに囲まれながらくつろぎたい。
- 家族と和やかな空間に包まれて過ごしたい。
自分が庭でどんな風に過ごしているかをイメージしながらプランニングをしていかなければ、使い勝手が悪くなり、庭に“生命”が吹き込まれることがないでしょう。
庭を単体とするのではなく、“住まいとの一体感”を意識して考えるには、建物と庭の設計を共に相談することです。
「どんな庭にしたらいいか決めかねている」「建物も庭もオシャレにまとめたい」といった、ぼんやりしたイメージでも構いません。
庭づくりへの不安や迷いをぜひ私どもにお話しください。参會堂は住宅と⼀体感のある、優れた庭を作ることが可能です。
お住まいになるご家族様が“庭”という風景に癒され、そして暮らしを豊かにしていただけるように、一緒に考えてまいります。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。