情熱の国として知られるスペイン。陽気でフレンドリーなスペインの国民性にマッチするかのように、スペインには華やかな印象をした外観の家々が目立ちます。
伝統的で芸術的なデザインでありながら、どこか可愛く明るい雰囲気も併せ持つスペインの家。スペインの家なら唯一無二の家づくりができそう…、そんな理想をお持ちの方もいるでしょう。
ただ、「スペインの家の特徴を細やかに反映してくれる会社はあるのだろうか」「日本の風土にスペインの家づくりは合っているのか不安」という思いもあるかもしれません。
そこで、今回はヨーロッパ住宅のデザインを多数手がけている参會堂が、スペインの家について詳しくお伝えしていきます。スペインの家の特徴を知ることで、あなたが思い描く家づくりへ近づくでしょう。
目次
スペインの家と街並みの特徴とは
スペインという国のなかでも、地域によって街が持つ雰囲気と住宅の特徴も異なります。スペインでも、特に代表的な街並みと、そこに佇む家の特徴をご紹介していきます。
バルセロナの街並み
スペインのなかでも2番目に人口が多い大都市「バルセロナ」は、地中海沿岸にある美しい街です。
ガウディの代表作でもあるサグラダファミリアをはじめ、モデルニスモ建築など芸術的で歴史的な建造物が多く、見どころ満載の都市。ヨーロッパ建築の曲線美に加え、独創的で人々の目を魅了する色彩豊かな建築物が立ち並びます。
まるで基盤のように均一の間隔で並ぶ正方形の区画をしている街並みも、バルセロナの都市の特徴のひとつです。建物の階数も統一感があり、上空から見るとブロック状で整然としています。まるで絵画のような独特な風景に魅了されます。
昔の伝統的な美、現代のアート的な美など、多様な美しさを感じさせてくれる街並み。世界中から観光客が訪れています。
ミハスの街並み
スペイン、アンダルシア州にある「ミハス」は、白壁の建物が立ち並ぶ、爽やかで可愛らしい小さな街として有名です。
山の中腹に位置しているミハスは、「壮大で美しい形をした山々」と「鮮やかなブルーの地中海」のどちらも眺められる村。
透き通るような青空を背景に、白の建物が立ち並びます。その美しくも和むような景観は「可愛い白い村」と称され観光客もたくさん訪れています。
晴れた日が多いミハスでは、強すぎる日光を緩和させる目的で白い建物が多いです。通りを埋め尽くす石畳には、ぱっと目を引く色使いのテーブルとチェア。カフェやレストランのテラス席が並びます。
そして、爽やかなブルーの植木鉢にカラフルな花々、アイアン素材のアンティークな照明や看板など、どれをとってもセンスの良い景観を感じさせてくれます。
マドリードの街並み
スペイン中央に位置するスペインの首都「マドリード」は、世界中から訪れた人々が行き交い、常に活気に溢れている街です。
王宮や教会など中世を思い起こさせるクラシックな建物が並ぶ一方、スペインの首都であるからこそ、先進的な建物が混在しています。
外観・内装ともに豪華な装飾で圧巻の佇まいのマドリード王宮、中世の貴重な作品が保管されているプラド美術館など、人気の建物が多数。街全体が美しく芸術的で、人々を惹きつける大きな魅力があります。
また、夜間にライトアップされた歴史的な建物が見せる幻想的な景観は圧巻。まるでタイムスリップしたかのような華やかな街並みになります。
バレンシアの街並み
スペインのなかでも3番目の人口で、スペインの第3の都市とも言われる「バレンシア」。地中海に面した穏やかな地中海気候の都市で、バレンシアオレンジが有名です。
強い日差しを遮るべく、白壁・オレンジ色の瓦を持つ建物が多数立ち並びます。
人口が多く、発展した都市でありながら、歴史を感じる旧市街を歩くと芸術的な古さが魅力の建物も。少し足を伸ばすと現代風なモダンな雰囲気の建物も混在しています。
また、まるで近未来にやってきたかのような「芸術科学都市」も観光地として知られています。有名建築家が手掛けた現代建築が立ち並ぶ芸術と教育が融合した複合施設です。
ひとつの街で世界的遺産や現代風のアートを感じさせる建物、そして近未来の独創的な建物が入り混じる不思議な魅力に溢れる街と言えるでしょう。
ブルゴスの街並み
ブルゴスはスペインのなかでも北部に位置し、暖かいイメージのあるスペインのなかでも“寒い”地域です。
ブルゴスには、街のシンボル的存在のブルゴス大聖堂があります。
1984年、世界遺産に登録されたブルゴス大聖堂は、多角形の壮大な天井やアーチ型に彫り込まれた彫刻、美しい色で構成されたステンドグラスなど、芸術的な装飾が多く見られる建物です。
そのほか、ブルゴスの街の城壁のひとつ、サンタマリア門もブルゴスの観光地として多くの人々が訪れます。
風格漂う芸術的なファザードを持つサンタマリア門は、中世に迷い込んだような幻想的な空気感。また、夜間にはオレンジ色の光に包まれ、昼とは違った印象となり、圧倒的存在感のある建物です。
気候が真逆のスペインと日本の家の違い
スペインと言えば“太陽”や“情熱”というワードとともに、暖かい国というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
一方、日本には四季があり、夏はもちろん暑いですが、冬になると寒さがやってきます。
地方によって違いはあるものの、スペインは暑く湿度が低い気候をしていて、夏に高温多湿となる日本とは体感も異なるでしょう。
気候の特徴が違うスペインと日本では、住宅の外観の雰囲気はもちろん、家づくりへの思想にも違いが見られます。
それでは、スペインの家はどんな特徴があって、日本とどんな風に違うのかを見ていきましょう。
灼熱に耐える厚い石壁とスペイン瓦を使う
スペインの気候は、1年を通して全体的に晴れた日が多いという特徴があります。
日本でも近年は温暖化の影響で酷暑ともいえる気温が夏に目立ってきましたが、スペインはそれを上回るような「気温40度」を超えることも。“灼熱”といえる強い日差し対策として、家の造りに暑さに耐える工夫があります。
それが厚い石壁とスペイン瓦です。自然素材の石壁は厚みがあって暑さが軽減されるうえ、丈夫で耐久性があります。
また、直接的に太陽を受ける屋根には、寿命の長いスペイン瓦を使っています。傷んだときには差し替えられるのはもちろん、1枚ずつ焼き色が異なり味わい深いのも特徴のひとつです
一部地域ではパティオ(中庭)があるのが基本
スペインの一部地域では、夏の強烈な日差しを涼し気に演出する工夫として、「パティオ」という中庭が設けられた家が多いです。
自分の家の建物によりパティオ内に日陰ができ、暑い夏でもプライベートな避暑地として利用できる空間になります。
タイルを敷いてデザイン性を高め、噴水や植木、テーブルなども配置。単なる庭というよりも、まるで公園のような使い方ができるスペースです。
断熱材が厚く、性能の良さにもこだわりがある
法律で断熱材の厚みを義務化しているなど、ヨーロッパ住宅では「暑さ・寒さ」に対する性能の良い家づくりがされています。
世界的にも寿命が低めと言われている日本の家と比べると、性能は上回っている家が多いです。
また、スペインの住宅は、石や漆喰といった自然素材による質の高い家づくりが特徴的。
お手入れをして寿命を延ばしていくという考えが根付き、「古さ」が良きものとした建築への思想があります。
生活や街全体に暑さを緩和する工夫がされている
スペインと日本の気候の違いのひとつに「湿度」があります。日本の夏は、高温多湿で、湿気によってじめじめしているのは当たり前。日陰に入っても、蒸し暑さで不快に感じることも多いでしょう。
一方、スペインでは湿度が低めのため、暑い夏でも日陰に入るとジリジリした太陽の暑さを和らげることができます。
街の細い路地などには日差しを遮って影になるように建築されています。道路の幅が狭くなることで建物による影の部分が多くなり、夏の暑い時期でも人々を暑さから守ってくれるのです。
また、スペインの生活に根付いている「シエスタ文化」も暑さ対策のひとつ。シエスタ文化とは、昼食後に長い休憩を取って身体をゆっくり休めてから再び仕事に取り掛かる、国全体の習慣です。
実は、このシエスタ文化のもともとの始まりが「灼熱の夏、ちょうど日差しが最も強い昼食時間帯に休憩を取り涼む…」というものだったとのこと。
シエスタ文化により休憩を長くとり、街全体で“暑さ”を和らげる工夫がされているようです。
地中海沿岸では白壁の家が多く存在する
地中海沿いのスペインの家は、白壁の家が多く見られます。外壁には漆喰を使い、強い日差しを跳ね返すような“白の塗料”を塗って暑さ対策をしているのです。
視覚的にも涼し気な白壁にすることで、立ち並ぶ建物の間の小路を歩いていても“涼”を感じられる街となっています。
独立したキッチン空間
近年の日本では、リビングとダイニングにキッチンをつなげた「LDK」という間取りが主流です。
一方、スペインではLDKといった考え方はあまりありません。
キッチンを「料理を作るプライベートな空間」、そしてリビングは「家族やゲストと共に食事を楽しめる空間」と分けた考えが多く、リビングはリビング、キッチンはキッチンと分かれている事が多いです。
料理にじっくり向き合える壁付けタイプのキッチン、調理用具をたくさん置ける充実した収納も特徴です。
完全にキッチンとリビングを扉で区切った閉鎖的なキッチンではなく、開放感も演出することでスペインのキッチンを表現できるでしょう。
ヨーロッパ建築30年の歴史を誇る参會堂の施工事例
参會堂はこれまでに30年もの間、ヨーロッパ建築に携わってきた歴史がございます。
私どもがこだわっているのは“質の高い、本物の家づくり”。見る人の心を惹きつけるデザインと暮らす人の快適性、どちらも叶えた家づくりをしております。
そんな数々の施工事例のなかから3選をご紹介していきます。
暖かみのある外観がおしゃれな洋風住宅
3つのビルトインガレージがある住宅です。S型瓦を使用した屋根は色ムラのあるカラー。丸みを持った形状の瓦が屋根に並べられることで、一層立体感が表現できます。
さらに、中世建築でよくある「ドーマー」の三角形、窓やガレージ扉の長方形、そして玄関上の円形とさまざまな形が散りばめられ、動きのある表情となりました。
窓枠には木製のフレーム、ガレージにも木製の扉というように、暖かみのある外観に合う素材感を使うことで、全体的に統一された印象です。
道路から玄関扉に向かうアプローチ、ガレージ前の入口の足元にもオレンジ色を使ってデザインしました。
多角形で作られた、非日常が感じられる個性的な多角形の間取りです。
ヨーロッパの伝統的なゴシック建築を彷彿させる、天井へ広がる開放感、多方向から明かりを取り込める採光性が叶えられた空間となりました。
空間の形状とリンクするように取り付けた星型多角形の照明や台座が空間をバランスよくまとめています。
床にはオレンジ色の優しい色合いのテラコッタタイルを採用し、多角形の空間になじむように繊細に向きや貼り方を変えながら美しい表情を演出しています。スペインの歴史的な建造物を彷彿させるデザイン性の高い空間となりました。
温もりを感じるスペイン瓦が映える洋風住宅
クリーム色の外壁色と瓦屋根のオレンジ色が「温もり」を感じさせてくれる住宅です。
職人が丁寧に仕上げた美しさが魅力の塗り壁は、オレンジの表情豊かな瓦屋根によく合います。丸みのある形状、そして色ムラによるスペイン瓦が描く色のグラデーションが素敵です。
また、アーチ型の縦長窓も取り入れ、ヨーロッパ建築のディティールにこだわっています。
洋瓦や塗り壁というスペインの家づくりの要素を盛り込みつつも、日本でよくある引き違い窓にしてしまうと“スペイン風”にとどまった建物になってしまいます。
参會堂では、屋根・外壁とともに、外観イメージを大きく左右する窓の形や開き方など、ひとつひとつを全体とのバランスに配慮しながらデザインした家づくりを行っています。
木製の玄関扉は重厚感が感じられるデザインとなりました。それでいて、木目の柔らかさも表現されています。
両開きの玄関扉を開けると緑豊かなお庭と一体化され、より開放感が感じられる空間になります。
一部に青と茶色で描かれた円形のメガロンタイルをアクセントにした玄関床は、木製の玄関扉との相性の良い素材です。
「靴を履く・脱ぐ」という実用だけを意識した玄関とは違い、屋外と屋内を緩やかにつないでくれる居心地の良い玄関ホールとなっています。
凹凸のある外観デザインが特徴的な洋風住宅
凹凸がある張り出したデザインが建物をより一層大きく印象づけています。窓周りや手すりなどにモールディング装飾を施しました。
外観の表情を豊かにする装飾はヨーロッパ住宅でよく見られる建築技法です。
優しいクリーム色の塗り壁に、自然な風合いの木目のガレージ扉がアクセントになっています。
玄関扉は両方に開く開放的なデザイン。採光を確保できる透明ガラス部分のアイアンは、外観の穏やかな色味のなかに高級感をもたらすアクセントとなりました。
お住まいの顔ともなるアプローチを美しく彩ってくれるデザイン性の高い玄関です。
スペインの明るい太陽と青空を彷彿させる、爽やかでありながら高級感のある外観となりました。
リビングと繋がるバルコニーはとても開放的な空間になるようにデザインしました。
タイルには淡いオレンジ系を使い、室内との統一感を意識したことで屋内との繋がりは緩やかに。食事やティータイムもできるように外家具を置き、多目的な用途で利用できるアウトドアリビングです。
スペインの青い空を彷彿させるようなセンスの良い空間で、“非日常”の癒しが感じられる毎日となりそうです。
憧れのスペインの家を建てる上で大切なこと
見る人の心に響く美しさを持つスペインの家。憧れのスペインの家を日本で建てるには、気をつけなければならない大切なポイントがあります。
スペイン住宅を日本に取り入れる難しさ
今回お伝えしたように、スペインと日本には気候や家づくりへの考え方で違う点も多いです。
スペイン住宅を日本にそのまま取り入れることは、単なる真似となってしまうこともあるでしょう。日本にはない衝撃的な色使いの家になったり、日本の風土に合っていなかったりと、周囲との景観バランスを考えると難しいのが実情です。
現在の日本ではヨーロッパのデザインを似せた「ヨーロッパ風」の住宅を見かけることが増えてきました。
ただ、似せた住宅はあくまでも“風”ですから、ヨーロッパの家づくりの本質までは理解されずに建てられているケースが多々あります。
参會堂では、上質な本場の素材を使うとともに、感情を揺さぶるデザイン性、住む人の快適性までをも実現します。洗練されたヨーロッパ建築のデザインと心地良い暮らしを叶えることが可能です。日本住宅とスペイン住宅の良さを両立する参會堂
参會堂は本場イタリアにパートナーを持つ、ヨーロッパ住宅施工歴30年以上の設計事務所です。日本の家づくりとヨーロッパの家づくりを組み合わせ、独自の方法で本物のヨーロッパ住宅を造ることができます。
お客様のなかには、スペインの家づくりにおいて、「スペインの家に合ったインテリアを選べるか不安」という方もいらっしゃるかもしれません。
参會堂は、建物の設計やデザインはもちろん、インテリアもトータルコーディネートすることが可能です。日本住宅の良さ、そしてスペイン住宅の良さを両方知り尽くし、日本の風土に合った理想のスペイン住宅を提供できます。
あなたのかけがえのない家づくりを私どもと共に叶えてまいりましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。