日々の暮らしに“非日常”な気持ちを添える、おしゃれでデザイン性が高い海外住宅。海外の家の優れた意匠性をマイホームに取り入れたいという方もいらっしゃるでしょう。
ただ、
- 海外の家の間取りは日本とは違うのだろうか…
- 海外デザインの家づくりをするなら間取りも同じくした方がいいの?
といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
そもそも気候や歴史・文化が違う海外に建てられる家は、日本とは違った面も多くあります。それを理解せずに家づくりをすると、暮らし方にフィットせずに後悔に繋がることもあるでしょう。
そこで、今回は日本との違いに焦点をあてながら、海外住宅の間取りの特徴や家づくりに取り入れる際のポイント、そして参會堂が手掛けた優れた間取りをご紹介していきます。
目次
日本と海外の住宅 間取りの違い
人々が暮らす家は、歴史や土地柄が強く影響しています。
そのため、日本では当たり前に思っているものが海外では珍しく、逆に、海外住宅の“普通”が日本では“意外”に思えるものも多いのです。
海外といっても、アメリカ、ヨーロッパなど、地域によって異なる点もありますが、まずは“日本の間取り”との違いについて着目してみましょう。
客人を招くことを想定した設計
海外住宅は、“誰かを家に招くこと”を想定した設計となっています。
日本では、家づくりにおいて「帰宅後・休日をリラックスして過ごしたい」という理想を持っている人は多いでしょう。居心地の良さや生活動線の軽やかさなど、“その家に住む人”の目線の間取り、基本的には家族が過ごすことを前提とした家づくりが一般的でしょう。
その延長線上に「来客があったらどう見られたいか」という考えはありますが、そもそも間取りの前提にあるのは“家族のための設計”です。
欧米の家は、「お客様が来るかもしれない」といった可能性ではなく、家族以外の人が家に出入りすることを初めから想定した建築をする傾向にあります。
家族の誕生日や記念日などには親戚や友人達を招き入れ、皆で“食べて語らう”といったホームパーティーもよく行われています。それ以外にも、ティータイムや週末の飲食など、事あるごとに客人を家に招くことは日常的な光景です。
また、人を招けるような広々とした設計にできる背景には、欧米は敷地が広いことも関係しています。
土地が広い欧米では、たくさんの客人を招けるようにリビング、ダイニング、キッチンが全体的に広く設計されているのです。
ひとつひとつの部屋・空間がゆったりしているので、一層開放的で広がりを感じられるのが海外の設計の特徴と言えるでしょう。
玄関の近くにリビングを配置
海外の家は、人が出入りする玄関の近くにリビングを配置する間取りが特徴的です。
客人が多い海外では、エントランスとリビングを通じさせ“人を招きやすい”設計にしています。
一方、日本は“採光性の確保”を意識し「リビングは南側」と意識する傾向にあり、玄関と離れることも多いです。道路の向きにもよりますが、南のリビングにするには玄関が北側になってしまい、「玄関⇒廊下⇒リビング」という玄関とリビングが離れた間取りもあるでしょう。
また、日本人にとっては、靴棚を設け、靴の脱着のための段差がある玄関は、家づくりにおいて重要です。
しかし、欧米では、靴の脱ぎ履きのためを目的とした“玄関”がないのが一般的です。扉を開けるとリビング…といった間取りも珍しくありません。
日本ではかつて畳に直に座って過ごすことが多い生活習慣で、なおかつ“衛生面”をも守ることから「玄関で靴を脱ぐ」スタイルが根付いています。
近年の日本の住まいは、フローリングやタイル、カーペットといった床材のバリエーションが増え、ソファー・ダイニングチェアに座ることで床に直接座る機会も減っています。
とは言え、家では靴を脱いで生活するスタイルが一般的です。玄関は、日本の家づくりにおいて重要な要素と言えるでしょう。
日本よりも防犯を意識した間取り
海外住宅は、日本の家よりも防犯を意識した間取り・設計になっています。
海外住宅で防犯対策として特徴的なのは「窓」です。
日本の家づくりでは、2枚のガラスをスライドさせて開閉する“引き違い窓”が選ばれるケースが多いです。今でこそ、さまざまな種類の窓ガラスが採り入れられた新築が増えていますが、ひと昔前は引き違い窓が主流でした。
欧米では、上げ下げ窓・すべり出し窓など、縦に長い窓を複数並べて配置することも多いです。換気のために10~20㎝程度だけ開けた場合でも、そもそも窓自体が小さく、外から誰かが侵入するのは構造上難しいでしょう。
そして、ガラスの素材にも日本とは違いがあります。
海外では防犯の観点から強化ガラスが家づくりで選択され、「窓を壊す」という侵入者の多くの手口に対して大きな効果が期待できます。パワーのある人がハンマーを使って破壊しようとしても貫通しないほどです。
参會堂では、ドイツ製の強化ガラスを採用し、暮らす人の安全を守ります。また、玄関扉の開き方が日本と海外では違います。海外では、基本的に防犯性の高い「内開き」が主流です。犯罪率が高い海外では、玄関扉も不審者の侵入経路となり得る箇所。少し開けて怪しい人が入って来そうになっても、“内側から押す”ことで阻止できるという特徴を持ちます。
一方、日本は昔から治安が良い国と言われ、「玄関から不審者が入ってくる」ということは想定されていなかったため、玄関扉は基本的に外開きです。しかも、日本住宅では玄関で靴を脱ぐため、内開きの扉では不便となってしまいます。
日本は世界的に見ても“安全な国”という位置づけがされることも多く、昔から家における防犯対策は希薄な傾向だったのも扉の開き方の違いに表れているのかもしれません。
海外の間取りを取り入れる際のポイント
日本と海外の間取りは違う点も多く、だからこそ注意すべきポイントもあります。海外の間取りを理解したうえで、“日本の風土・暮らし方”に合わせた家づくりが求められます。
海外の間取りをそのまま流用しない
気候や文化、国の生活習慣など、さまざまな面から、国ごとの家づくりの特徴があります。
そのため、海外の間取りを日本の地にそのまま真似ても、実際に暮らすとなると不便に感じる点もあるでしょう。
たとえば、靴を脱がない海外では住宅に玄関は不要かもしれませんが、日本では靴を脱ぐための空間は欠かせませんよね。
ただ、せっかくの海外住宅なのに玄関だけが“和”の印象になっては残念なこと。玄関扉や床材などは、海外デザインの外観や内装にマッチしたものを選ばなければアンバランスな家になってしまいます。
間取りを設計するうえで、海外住宅の間取りやデザインの良さを取り入れつつ、日本人が“暮らしやすい”と感じるアレンジができる設計会社を選びましょう。
人気の間取りを部分的に採用する
海外の間取りは、全体的にダイナミックでデザイン性の高いものが多いです。ただ、それは広々とした敷地だからこそ叶えられるケースもあるでしょう。
そこで、人気の間取りを部分的に採用するのもおすすめです。
たとえば、リビングには「吹き抜け」や「リビング階段」をプラスすることで、視線が縦横に広がる圧迫感のない空間を実現させられます。
海外では、曲線で描かれる「サーキュラー階段」をリビングのインテリアのひとつに取り入れている住宅も多いです。
存在感のある階段は、リビングやホールにおいて、華やかで芸術的な要素となるでしょう。
吹き抜けと相性の良いシャンデリアや豪華な階段は“非日常”の演出につながります。まるで海外ドラマを見ているかのようです。吹き抜けで空間に奥行きが生まれ、居心地の良さも得られるでしょう。
住宅の一部をガレージにするビルトインガレージなどもおすすめです。オーナー様の愛車をしっかりと守れる空間としてはもちろん、プラスαの使い方により日常の暮らしを豊かにする存在となってくれます。
また、大きなウッドデッキも人気です。深い軒を取り付けて外家具を置けば、アウトドアリビングとしての活用もできます。
海外住宅の間取りをそのまま流用するのではなく、家全体のデザインとのバランスも考えながら、一部だけでも取り入れることで“海外”を演出することが可能です。
使用する素材にもこだわりを持つ
海外の間取りを取り入れる場合、使う素材にもこだわることがポイントです。
日本では昔ながらの家づくりは薄れ、洋風住宅が増えてきています。個性的な輸入住宅は惹きつけられる魅力がありますが、海外によくあるデザインに似せた“洋風”ということも少なくありません。
なぜ、“風”となってしまうか…。
これは、「使う素材の違いを意識せず、こだわりなく建ててしまっている」というのも理由となっているでしょう。
海外では、基本的に家は長く住めることを重視し、建材や家具ひとつひとつにこだわった家づくりが行われています。
たとえば、日本の家でもよく使われるようになってきた「フローリング」。費用的な観点から、日本の新築では合板のフローリングを使われるケースも多いかもしれません。
しかしながら、年を重ねたときに自然と深みが増していく無垢フローリングの質感にはかなわないでしょう。
日本の洋風住宅では“木目調”や“大理石調”といった内装材が使われがちですが、一見本物のような見た目にはなっても、自然素材の「本物の風合い・質感」とは似て非なるものです。
本物の海外住宅を建てる際には、こだわりを持って素材を吟味していく審美眼も必要になってくるでしょう。
海外住宅を建てる際は、日本で暮らすことを前提とし、そのうえで“建材へのこだわり”や“性能”などにも着目しなければなりません。
設計者の手腕が問われる海外デザイン住宅は、海外と日本の両方の家づくりに精通し、本物の海外住宅のノウハウを持ち合わせている住宅会社への依頼が大切です。海外の特徴的な間取りを取り入れた住宅事例3選
これまで参會堂は海外デザイン住宅を長年手掛けてきたなかで、たくさんの実例がございます。実際に参會堂が海外の間取りを取り入れた3つの住宅事例をご紹介していきます。
海外の特徴的な間取りを取り入れた住宅事例①
「玄関扉を開けるとすぐに部屋」というのが海外の間取りの特徴です。日本のような靴を脱ぐ“上がり框”は玄関になく、靴でそのまま屋内に入ります。
こちらのお住まいは、玄関扉からフラットな床が屋内へと続いていますが、“靴を脱ぐ位置”としてラインを設けました。
靴を脱いで過ごす屋内側には、三角や円、ひし形や六角形、そしてブラウンやブルー、イエローなど、さまざまな形や色で繊細な模様を施しています。
さり気なくもデザイン性の高い模様、そしてテラコッタタイルの美しい素材感が海外住宅の雰囲気を演出した玄関ホールです。
木製の大きな玄関扉を選びました。ベージュの内装、床のテラコッタタイルとの色味のバランスもとても良く、一層、海外住宅の雰囲気が高まります。
両開きの玄関扉は全開にすることで庭との一体感を得られます。深みのあるブラウンと大型サイズの重厚感をもたらす玄関扉ですが、上部にアーチを描きだしたことで柔らかさもプラスされました。
海外では、防犯性を高めるために内開きが基本的ですが、こちらは気密性を高められるように外開きにしています。
海外の特徴的な間取りを取り入れた住宅事例②
吹き抜けにより、全体的に広がりのある大空間です。
ピアノを置いたこちらの空間は、まるでロビーのような居心地の良さがあります。ご家族はもちろん、この家に訪れた人もほっと和める雰囲気となりました。
アーチ壁の通路により、ソファが置かれた緑の壁のリビングとも空間が繋がっています。
オープンな間取りで、来客が多いときでも、人々が思い思いの場所でゆったりとくつろげる余裕を持った造りとなりました。
海外の間取りは、部屋を細かく区切らないのが特徴です。
こちらのお住まいでは、“部屋のドア”を設けず、アーチ状の通路で部屋同士をアクセスしやすくしました。壁や扉で閉ざされると圧迫感が出ますが、通路で空間を緩やかに繋げることで開放的な印象となります。
アーチの曲線によりお部屋のデザイン性が高まり、“用途ごとの空間”を区切ることができました。
部屋の中央だけ“ヘリンボーン”と言われる、海外住宅でよく採用される伝統的なフローリングの張り方を施しています。タイルとフローリングの間には、異素材を違和感なく繋げられるようにラインタイルを描きました。
海外の特徴的な間取りを取り入れた住宅事例③
靴を脱がずに家に入る海外では、床には直接座らないのが基本です。そのため、座るための空間が家のなかに数多く設けられているのが特徴となっています。
客人が多い海外では、多くの人々がいくつかに分散してゆっくりと座って話ができるようなホールや通路がよく見られます。
部屋同士を繋ぐ通路は単なる通り道では終わらせず、機能性を持たせるのが海外住宅の間取りです。
こちらの通路は少し幅が広く、日本にありがちな“通るためだけの廊下”ではなく、椅子やテーブルを置いて“くつろぎの空間”も兼ね備えています。
アーチ壁やモールディング装飾、モザイクタイルや天然の美しい大理石、海外の宮殿にいるかのようなデザイン性の高い高級家具。大理石の輝きのある床材に外からの光が注ぎ込み、上品で美しい空間に仕上がりました。
海外住宅の間取りを意識したデザインが散りばめられた空間です。
海外デザインの住宅づくりには豊富な経験が必要
海外の家には、豪華で繊細な惹きつけられる魅力が溢れています。見る人の心を揺さぶる海外デザインを家づくりに取り入れたい方もいらっしゃるでしょう。
ただ、海外デザインの家を建てるときに重要視しなければならないのは、施工会社の豊富な経験です。
快適な暮らしには機能性が欠かせない
家づくりが完成すると、オーナー様とご家族が日々を過ごす場になります。
“癒される”ような優れたデザインはもちろん大事です。ただ、海外デザインの要素を組み合わせたことで視覚的な満足感がある一方で、機能性がなければ快適にはなりません。
日本とは違った特色を持つ海外の間取りですが、そもそもは海外の風土で発展したものです。そのため、海外の家づくりを日本で行う場合、日本の土地に馴染ませること、そして住む人の暮らし方の視点で考えなければ、快適とはかけ離れてしまうのです。
海外の間取りを取り入れつつも、機能性を損なわないような設計には、豊富な知識と経験が必要と言えるでしょう。
参會堂なら理想の海外住宅を提案可能
参會堂は、これまでに約30年、海外デザインの住宅を手掛けています。私どもは、海外の文化や歴史もふまえた「海外に建つ家」を熟知しており、「海外デザイン住宅を日本で建てる提案力」もございます。
また、参會堂が建てる家は素材も設計も“本物”です。
海外の文化・暮らしに精通した現地パートナーと連携した家づくりを行い、建材や家具も本場から仕入れるこだわりも大切に考えています。お客様の希望に耳を傾け、そして私どもが持ち合わせている秀逸したデザイン力や設計力を駆使したプランをご提案できます。
参會堂では、お客様の家への想いに私どもの“技術力”を加え、理想を超えるような家づくりをいたします。
「海外の間取りを詳しく知りたい」といった微かなお話でも構いません。まずは、私どもに海外住宅に抱く、お客様の想いをお話くださいませんか。
共に、かけがえのない家づくりをしてまいりましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。