輸入住宅にも採用されることの多いL型キッチン。
素材やデザインにこだわれば洋風住宅との相性も良く、輸入住宅を建てたいとお考えの方にも人気があります。
- L型キッチンの輸入住宅を新築して料理を楽しみたい
- リビングから見えるからインテリア性を高めたい
など、輸入住宅のキッチンにはさまざまな理想をお持ちの方も多いでしょう。
ただ、輸入住宅の場合、日本の家づくりとは違った視点での設計がとても大事。よくあるシステムキッチンをL型に配置しただけでは、インテリアに馴染まずに違和感が残ることもあります。
“輸入住宅+L型キッチン”を上手に設計するには、L型キッチンのメリット・デメリットはもちろん、海外デザインの住宅の特徴を理解しながら細やかな設計をしなければなりません。
参會堂はこれまでにたくさんの海外デザインの住宅をつくりあげてきました。そのなかで培った海外キッチンの知識をもとに、デザイン性や機能性にこだわりながら充実したキッチンを取り入れています。
今回は、参會堂ならではの視点でL型キッチンのメリットとデメリット、そして輸入住宅に取り入れたL型キッチンの施工事例と共にご紹介していきます。
目次
L型キッチンの代表的な種類と特徴
アルファベットの“L字”をイメージさせるL型キッチン。2つの辺が形を作って構成するL型キッチンは、ウォール型やペニンシュラ型、アイランド型などの種類があります。
代表的な種類ごとの特徴を見ていきましょう。
ウォール型
ウォール型は、お部屋の角に合わせてキッチンを壁付けするレイアウトです。
作業中は体を壁に向けたスタイルとなり、料理や作業にじっくり集中できます。比較的、省スペースでも配置しやすいのがウォール型のL型キッチンの特徴です。
ただ、正面に壁があるため、作業中、視界が壁に遮られるのが特徴。閉塞感を感じることや、照明の位置が背後になると手元が暗くなってしまうリスクをふまえ、照明の配置には注意が必要です。
作業中に前面となる壁側からの採光の確保も大切。自然光が差し込むように小窓の設置をするなど、壁付けにしても明るいキッチンにする工夫も盛り込みましょう。
また、壁とキッチンが密着するウォール型は壁面を利用した調理器具の収納もしやすいです。収納量が増えることで機能性も高まるメリットがあります。
ペニンシュラ型
対面式キッチンのひとつとなるペニンシュラ型のL型キッチンは、一面が壁面を向き、もう一面はリビング側に向いた配置です。一面は壁につけ、そしてもう一面は対面での料理ができるスタイルです。
対面のペニンシュラ型のL型キッチンなら、ダイニングやリビング側にも目を配れるレイアウト。
壁面を向いての作業中は集中しつつも、家族との対話のときにはリビング方面にさっと視線を向けられます。L型キッチンのペニンシュラ型は小さいお子様やペットがいるご家族に人気があります。
また、対面している部分には前面に壁がないため、手元の明るさも確保しやすいのも特徴です。
アイランド型
ウォール型のL型キッチンに、リビング・ダイニング方面に島のような作業台を設置するのがアイランド型です。
アイランド型のL型キッチンは、輸入住宅でもとても人気があります。
実は、海外住宅では壁付けしたウォール型タイプのL型キッチンが多い傾向があります。
キッチンはリビングの一角にあり“リビングの一部”としてデザイン性を高めたいという考え方が一般的です。
一方、日本における壁付けは、“昔ながらの独立した台所”が思い浮かぶ方も多いかもしれません。採光性は二の次で「調理をするためだけの空間」として閉鎖的な印象を抱くことから、最近の日本の家づくりでは対面式キッチンが増えてきました。
海外住宅と相性の良いL型のウォール型のキッチンに、開放感と家族とのコミュニケーションも叶えられるアイランド型の良さを融合させた「アイランド型」なら、機能性もデザイン性も兼ね備えたキッチン空間となるでしょう。
L型キッチンのメリット・デメリット
デザイン性の高いL型キッチンは、海外デザインの住宅にも映える、魅力的なキッチン空間を実現できます。
ただ、どんなキッチンにも言えることですが、デメリットがないわけではありません。デメリットをカバーできる設計力やデザイン力を持つ住宅会社に依頼できれば、理想のL型キッチンが叶えられます。
そこで大切なのはメリットとデメリットの両面を把握しておくことです。
L型キッチンのメリットと特徴
まずはメリットを見ていきましょう。
動線を確保しやすいので作業効率が良い
L型キッチンは「シンク」と「コンロ」を“L字”の一辺ずつに配置ができるキッチンです。体の向きを右・左に向けて移動できます。
たとえば、「シンク+コンロ+冷蔵庫」が三角になるように配置できれば、
- シンクからコンロへ斜めに移動
- コンロから冷蔵庫へ横に移動
- 冷蔵庫からシンクに斜めに移動
と体の向きを少し変えてトライアングルのようなコンパクト動線になります。
動線を深く意識せずに設置すると、このL型キッチンのメリットは引き出しにくいかもしれません。キッチン全体の動きに配慮した設計・施工ができる住宅会社への依頼が大切です。
壁面の収納スペースを確保しやすい
L型キッチンは壁が正面となるため、壁も利用した収納を確保しやすいのがメリットです。壁面に吊戸棚を設けることで、キッチンの下部分だけでなく上部にも収納を作ることができます。
吊戸棚はリビングの方からもよく見える部分ですから、収納のデザインにもこだわりましょう。
海外ではキッチンをインテリアの一部と考え、リビングやダイニングとのトータルコーディネートが求められます。
吊戸棚にすれば“収納が増えて実用性が高まる”という機能性が高まります。
加えて、モールディング装飾による豪華な雰囲気、木製扉を使ってリビングと一体化させたデザイン性など、さまざまな技法を使うことで雰囲気の良いキッチンに仕上げられるでしょう。
複数人での調理や作業に適している
L型キッチンはスペースが広いので、複数の人が同時に作業しやすいのがメリットです。
友達や親戚などを呼んでホームパーティーをしたい、親子でお菓子作りを楽しみたいといった要望も叶えられます。
「シンク+コンロ+作業台」を横並びに密着させるI型キッチンと比べたとき、L型キッチンは面積的にもゆとりがあります。作業スペースも十分に広く、料理の一時置きをしやすいのも魅力ポイントです。
キッチンでは、
- 食材を切る
- 盛り付け皿を置く
- 茹でた食材を冷ましておく
など広いスペースを必要とするシーンが多々あります。
L型キッチンのように作業スペースが確保されていれば、何人かで同時進行をしても窮屈に感じません。
I型キッチンの場合、複数人での作業は横並びに何人も立つことになり、動作の最中にぶつかるリスクがあります。
でも、L型キッチンなら背後を広く確保できるため、複数人がトライアングルな動きをしても混雑せずに済みます。お互いの動きの気配を察知しながら、楽しみながら料理ができそうです。
コンロでフライパンを使って炒め物をしている人、そしてその対角線上のシンクで食材を洗いながらカットする人。それぞれのスペースで分担しながら効率のよい作業が可能です。
L型キッチンのデメリットと注意点
次は、デメリットと注意点を見ていきましょう。
デッドスペースが生まれやすい
L型キッチンは作業スペースが確保しやすいメリットの反面、奥行の深さによる使いづらさを感じることや、収納力を活かしきれずに“デッドスペース化”するリスクもあります。
特に、コーナー部分の収納スペースは奥まで手が届きづらく、収納時に不便を感じやすい箇所。
ふだん使わない物を奥に置くこともできますが、「入れづらい・出しづらい」で使用頻度が少なくなります。結果的に収納した物の存在を忘れてしまう可能性も…。
あるいは、「奥は出し入れしづらい」と手前側だけに収納することもあるでしょう。これでは、せっかく増えた収納量が“無駄”になってしまいます。
そこで、デッドスペースを有効活用するプラン、そしてL型キッチンの“コーナー”に特化した収納アイテムを活用するなどの工夫が必要です。
緻密なレイアウト設計が必要
L型キッチンは、他のキッチンに比べると奥行きが必要となる場合が多いです。
「ウォール型」「ペニンシュラ型」「アイランド型」といった、どのレイアウトを選んでも通常よりも床面積を広めに確保しなければなりません。サイズによってはキッチン空間が狭くなる可能性もあるため、サイズやレイアウトには注意が必要です。
冷蔵庫やキャビネット、シンク、コンロなどのレイアウトが悪いと、動線が長く、使い勝手が悪く感じる可能性があります。
家づくりの設計段階から、L型キッチンを配置したときの家事動線も意識しておきたいところです。
後悔しない為にデメリットを理解しておきましょう。
輸入住宅にL型キッチンを採用した事例4選
参會堂では輸入住宅の施工事例が数多くあり、そのなかでもL型キッチンもたくさんのお客様とともに施工してまいりました。
今回は、そのなかから4つの施工事例をご紹介します。
省スペースながら機能性抜群のL型キッチン
LDK一体となった部屋の隅に、キッチンをコンパクトにまとめました。家族の団欒スペースに隣接し、作業中も家族との距離が近いキッチン空間です。
小空間ながらにも機能性は抜群。左右前後に体の向きを変えるコンパクトな動線で作業ができる、効率の良いキッチンになりました。
壁を向いて作業に集中しつつも、家族と近い距離にいるのでコミュニケーションが取りやすい設計です。
照明の配置も綿密に計画し、調理中や片付けの際に手元が暗くて不便を感じないような配慮を施しました。
高さのあるカウンターにより、リビングとキッチンを区切っています。リビング・ダイニング・キッチンという大きな空間のなかでも、キッチンの独立性を保つことが可能です。
カウンターは出来上がった料理の一時置きができ、配膳や後片付けなどがしやすいレイアウトです。
また、床材の色調を意識しキッチンの扉には温かな色味の木材を使いました。触れたときの質感も天然の木材ならではのもの。可愛らしいデザインの丸い取っ手が、柔らかい雰囲気を演出しています。
吊戸棚の扉のガラスには、アンティークな雰囲気のデザインガラスを選びました。
チェックの模様入りのガラスは細やかな凹凸により光が反射し、上品で優しく、そして可愛らしい表情を感じさせてくれます。
清潔感溢れるペニンシュラ型キッチン
コンロを壁付け、シンクをリビング側に向けたペニンシュラ型のL型キッチンです。清潔感のある白をベースに、天井や床材とマッチするように柔らかい色調で明るくまとめました。
ダイニングルームと区切られた独立型のキッチンですが、ダイニング側の開口部をできるだけ大きく取っています。それにより、開放感と明るさを確保できました。
キッチンの扉には、框のついた面材による凹凸による立体感を演出。“木目風”ではなく、本物の木材の唯一無二の木目柄が美しいデザインを描きます。
そして淡い色調の美しい木目やゴールドの取っ手が絶妙なバランスを保ち、優しく上品な雰囲気になりました。
ワークトップにも穏やかな色調の天然石を使い、光が反射した明るい空間です。
また、個性溢れる丸い形状のレンジフードの色も白。キッチン全体が明るくコーディネートされました。
全体的に淡い色味のなか、木製の窓枠のダークブラウンがアクセントになっていますが、“木材”という自然な素材は空間全体に馴染んでいます。
収納力と効率を重視したL型キッチン
収納力を重視した大型のL型キッチンです。アイランドカウンターと併用し作業面が広くなり、調理する際の効率も良くなります。
壁面にバランスよく設置された縦長の窓からは、自然の光がキッチン空間に注ぎ込み、日中は照明がいらないほどの明るい空間です。
天井は開放感を持つ折り上げ天井を設計し、中央にはおしゃれなシャンデリアをさげました。シャンデリアは、“光を優しく放つ”という実用性だけでなく、お部屋全体のデザイン性を高める装飾性も叶えてくれる照明です。
特に、海外デザインのお住まいでは人気があり、お部屋を一層華やかに導いてくれます。
また、壁面にはモザイクタイルで四角形や円形、八角形が混ざり合うような美しい模様を描きました。単なる作業場ではなく、見せる要素も重要視し設計したキッチン空間です。
イタリアンデザインがおしゃれなL型キッチン
イタリアの片田舎の古い住まいを意識して作ったキッチンです。
田園風景のなかに佇む家をイメージし、素焼きのタイルの床や、タイル貼りのキッチンに木製の扉など伝統的なスタイルを再現しました。自然素材がもたらす温かい色味と風合いは、シンプルなのに上品で華やかさももたらしてくれます。
作業台に使っているテーブルはアンティークです。
ヨーロッパでは、100年以上もの時を超えた年代物の家具や美術工芸品を“アンティーク”として広く親しまれ、家づくりでも取り入れる傾向があります。
時を重ねることで出現する独特の風合いの変化が古さを感じさせないのは、良質な本物の素材から作り出されているアンティークだからこそ…。
大量生産の安価な家具では表現できない、良質な素材感と高級感がキッチンに溶け込んでいます。
デザイン性と機能性を叶えるL型キッチンを取り入れよう
海外デザインでL型キッチンを取り入れる際は、デザイン性と機能性の両面を叶えるための、豊富な経験や提案力がポイントになります。
素材とデザインにまでこだわりを
日本の新築やリフォームでよく選ばれるシステムキッチンは、シンクやコンロがすべて一体化して採用しやすい特徴があります。
近年は、ひと昔前のタイプと比べると格段に便利な機能が満載。シンクとコンロ、作業台がひとまとめになったシステムキッチンが新築・リフォームともに主流です。
ステンレスや人造大理石などの素材により、最近ではおしゃれに見えるデザインも増えてきました。
ただ、輸入住宅に国産のシステムキッチンを選ぶと、どこか物足りなさを感じてしまうでしょう。システムキッチンは“本物”の天然素材をよく使う海外デザイン住宅のインテリアとの相性はあまりよくありません。
そこで選びたいのは、素材やデザインにこだわった“本物”を誇れる輸入キッチン。
海外デザインの家づくりにおいて、リビングやダイニングの延長にあるキッチンを全体に馴染む空間にすることが可能です。
- 高級感のある天然石の天板。
- キャビネットの扉には本物の質感を持つ無垢材。
- まるで家具のようなモールディング装飾。
輸入住宅に精通した参會堂だからできる機能性・素材・デザインへのこだわりがあります。
私どもは“風”ではなく、本物の素材を使った輸入キッチンを使い、海外デザインの住宅とのトータルコーディネートをいたします。
豊富な経験で住宅全体を理想の空間に
現在の日本ではLDKという間取りが主流です。
キッチンが独立していた頃の古い時代の考え方ではなく、リビングと同じ空間にあることで“リビングとの統一感”や“皆が使いやすい機能性の高さ”などが求められるでしょう。
輸入住宅で人気のL型キッチンも、「部屋の一角に設置すればいい」という単純な考えでは、使いにくさが際立ち、失敗することもあります。レイアウトごとに照明との関係性や、リビングとの統一したデザインも重要です。
私ども参會堂は、長年作り続けてきた海外デザインの住宅の豊富な経験をもとに、キッチンだけで考えるのではなく、家全体を居心地の良い理想空間にする為の提案をいたします。参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。