高級感や重厚感に包まれ、見る人を惹きつけるような深い魅力があるレンガの家。まるで異国にいるような情景が浮かぶデザイン性が注目されています。
レンガの家に憧れを抱く一方で「レンガの家って夏は暑くないの?」「冬でも暖かく過ごせるか心配…」「レンガの家を作れる業者は少ないらしい…、腕の確かな業者はどうやって見つければいのだろう?」などネガティブな気持ちを抱えている方も多いかもしれません。
本物の優れたレンガの家を建てるには、まずはレンガの特徴やメリット・デメリットなどを詳しく知ることが大切です。
レンガの家づくりに長く携わっている参會堂が施工事例とともに、詳しくお伝えしていきます。
目次
レンガとレンガの家の特徴
レンガとは、主な原料に粘土や泥を使い、高温で焼き上げて型で圧縮形成した建材です。
レンガの歴史は非常に古く、紀元前から人々の暮らしを快適に保ってきた自然の産物。高温で焼いたことにより、耐熱性や耐久性、耐震性にも優れ、海外では多くの建築物で使われている素材です。
レンガが積まれた家は、ほかの家とは一線を画すようなデザイン性が感じられます。
レンガは、各国で製造されていますが、それぞれの地域性や歴史などから生まれたさまざまな種類のものがあります。
焼成される過程で発生する色ムラも趣があり、思わず見惚れてしまうような風合いです。
レンガの家は、どんなサイズのレンガをどんな順番で並べるか…という並べ方によっても見た目の印象をかなり左右します。建物はもちろん、外構やガーデニングにも採り入れることで自然素材の「癒し」を身近に感じられるでしょう。
また、レンガを模したサイディングボードもありますが、これは本物のレンガとは似て非なるものです。「レンガ調」であってレンガではないため、耐久性やメンテナンス性では劣ってしまうでしょう。
レンガにも種類がある
“レンガ”と聞いたとき、どんな色形を思い浮かべるでしょうか。
レンガには、産地の違いをはじめ、製造工程や特徴などいくつもの種類があります。レンガの家をつくるときは、レンガにも種類があることにも目を向けておくといいでしょう。
アンティークレンガ
いろいろな種類のレンガのなかでも近頃注目度の高いのが「アンティークレンガ」古い建物を解体したときに出るレンガです。
一般的に住宅に使用されるレンガは誰も使っていない未使用の“新品”です。一方、アンティークレンガは再利用される“中古”で、両者には大きな違いがあります。
通常、住宅を建てるときの建材は新品を用いるのが主流のため、アンティークレンガの経年による傷や色落ちで敬遠する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アンティークレンガの現物を見ると、安らぎや落ち着きが感じられるでしょう。ネガティブになりがちな古さが、逆に味わい深いとして注目度が高いのです。
100年以上前に佇んでいた歴史ある建造物を壊して再利用、アンティークレンガは現代の建物のなかで生き続けることができます。現代に合わせて作りだされた製品のように“鮮やか”や“煌びやか”といった真新しさはありませんが、長い歴史を辿ってきた使用感を個性として演出することが可能です。色合いや形状もすべてバラバラ。唯一無二の独特なレンガとして、個性を重視した家づくりに向いています。
ベルギーレンガ
ベルギーの街並みをイメージしていただけると分かるかと思いますが、古い時代から家づくりにレンガを取り入れているレンガの本場で作られたのが「ベルギーレンガ」断熱性に優れたレンガは、ベルギーの寒い冬から家のなかを守るために大きな役割を果たしています。
素材の質感はとてもやわらかく、角の丸みや、凸凹した表面が特徴です。
家づくりに採り入れることで、穏やかで優しい雰囲気づくりができるでしょう。
また、ベルギーレンガは色彩のバリエーションが豊富という特徴もあります。
一般的にレンガと言えば赤系の色合いをイメージする人も多いかと思います。ベルギーレンガは赤や黄、黒やベージュ、ブラウン、ホワイト…などが織り交ざったようなたくさんの色彩から選ぶことができます。
オーストラリアレンガ
「オーストラリアレンガ」は、日本の家づくりでも流通量が多いレンガです。
面積の広い国のランキングでも6位のオーストラリアは、日本の約20倍もの国土を有しています。赤土の広大な大地からは、品質に優れた赤土の採取が可能。オーストラリアレンガは、そんな赤土を原料として高温で焼き上げられたレンガです。
1200℃にもおよぶ高温で焼かれたオーストラリアレンガは、“高い耐久性”と“吸水性の低さ”から季節によって気温変動が見られる四季のある日本でも適しているレンガと言えるでしょう。焼かれる過程において、オーストラリアレンガはひとつひとつに独特な色彩と風合いが表現されています。原料となる赤土も、広いオーストラリアの産地によって微妙に色が違います。
その色むらこそがオーストラリアレンガの魅力で、お住まいの印象を左右する外観に採り入れることで趣が増すことでしょう。
レンガの家のメリット・デメリット
レンガの家のメリット・デメリットをチェックしておくと、ご自身がイメージするレンガの家に近づけることができます。それぞれを見ていきましょう。
レンガの家のメリット
レンガの家には、次のようなメリットがあります。
優れたデザイン性
異国に来たかのようなレンガの建築物。色彩や貼り方、形状などによって見た目のテイストを変えることも可能です。
柔らかで優しい雰囲気、重厚さと風格を感じさせてくれる雰囲気、現代風のスタイリッシュでかっこいい雰囲気…と、思い思いの外観に仕上げることができます。
高い耐久性・劣化の少なさ・メンテナンスフリー
レンガのお住まいの大きなメリットは耐久性の高さです。
そもそも自然素材から生まれたレンガは、「紫外線にも強い」「カビや腐食が起こりづらい」こともあり、寿命は50年以上、100年以上とも言われています。
塗装などのように、約10年周期で塗装メンテナンスが必要ということは基本的にありません。長い年月を重ねても「老朽化」ではなく、一層風合いに魅力が増すメリットとなります。
耐熱性・蓄熱性に優れている
レンガは、暑さに対しての「耐熱性」、寒さに対する「蓄熱性」のどちらも兼ね備えている素材です。
焼き上げて生成する過程で細かな気泡が内部にできるため、空気の層が存在しています。屋外と屋内の間にあるレンガは、両側からの気温をシャットアウトする役割があります。
夏には外の熱気を侵入させない涼しい屋内、そして寒い冬には暖かさを保った屋内…と、季節に応じた快適空間となります。
環境への配慮
100年の時を超えた耐久性を誇るレンガ。「塗装や張り替えのメンテナンス」「老朽化による建て替え」などが頻繁に起こらないため、廃材も出にくいです。解体によって不要になっても、何かしらの形での再利用や、自然に戻すことも可能です。
環境的にも配慮できる素材と言えるでしょう。
レンガの家のデメリット
家づくりで魅力的となるレンガですが、一方でデメリットも存在しています。
リフォームが困難
海外のレンガの家は、基本的に50年を超えるほどの長きにわたって住み続けることを想定されています。
そのため、“外壁の張り替え”や“外壁の解体をともなう増改築”など、外観に関係する大がかりなリフォームが難しいです。「長く住み続けるうちに、リフォームで印象を変えたい」などの場合はあまり向いていないかもしれません。
レンガを家づくりにお考えの場合、長い目線でお住まいに関する計画を想定しておくことが大事です。
対応できる業者が少ない
近頃は住まいづくりにレンガを採り入れたいとお考えの方も増えてきました。
ただ、日本ではまだまだレンガを扱える業者が少ないのも事実です。
レンガという素材は高い耐久性やメンテナンスのしやすさが魅力ですが、誰でも簡単に施工できるわけでなく、技術力も問われます。レンガの家づくりの経験が豊富な業者に頼まなければ、安全に長く住むことができません。
参會堂では、レンガを採り入れた家づくりを長きにわたって行っています。正しい工法でオーナー様のイメージするレンガの家にできるように、ぜひ参會堂にご相談ください。
レンガの家を建てる上での費用面
ほかの住宅と比べると、レンガの家は建築にコストがかかると言われています。
既製品を現場で組み立てるような短い工期ではできないため、人件費がかかるからです。施工不良とならないような技術も問われるため、工程ひとつひとつに丁寧さが求められるでしょう。
一般的な家づくりよりもスケジュール的に余裕を持たせなければなりません。それが“レンガの家は建築コストが高い”と言われる要因となっています。また、面積によってもレンガの数が変わってきますから、それも費用面に影響があります。
ただ、レンガの家は、“外壁塗装を10年ごと”という住宅と比べると、建てた後のメンテナンスコストが少なく済みます。耐熱性や蓄熱性にも優れているため、夏の冷房・冬の暖房といった光熱費をおさえることにもつながります。
レンガの家をつくるとき、初期費用が高めなことをネックに感じる人もいらっしゃいますが、お住まいにかかるトータルコストという長期的な目線で考えると、むしろコストは安くおさえられる可能性が高いです。家づくりでは、初期費用という目先の数字にとらわれず、長い先までシミュレーションすることをおすすめします。
おしゃれで風格のあるレンガの家の施工事例
参會堂では、これまでにレンガの家を多数手がけてまいりました。レンガの素材や種類に合わせて、全体的にまとまりのあるトータルコーディネートで家づくりをしています。
そのなかから、おしゃれで風格があるレンガの家の施工事例を3つご紹介していきます。
アンティークレンガの施工事例
長い時を超えたからこそ醸し出される独特な風合いが感じられるアンティークレンガの外壁です。ベージュ系の落ち着いた色味のアンティークレンガのなかに、ブラウンや黒の重厚さもプラスされました。
淡く深みのあるアンティークレンガの外壁との調和がよい茶系の洋瓦の屋根です。
瓦の丸みを帯びた形状ひとつひとつが優しいラインを描き、重厚感のあるレンガのなかにも穏やかな表情が作りだされています。
日本でよく見かける住宅のような長い屋根の軒がなく、スマートな外観となりました。
家の外観の色合いは、屋根に濃い色、そして外壁には落ち着いた淡い色…と流れるグラデーションが素敵です。
門まわりや窓周辺を囲うようにフェンスを取り付け、立体感が生まれました。直線だけではシャープになってしまうフェンスですが、曲線で描かれた規則的なデザインが施されていることで躍動感に包まれました。
アンティークレンガによく似合うクラシカルな印象となっています。敷地内には緑も植えられ、窓の外に設置されたフラワーボックスに花々を添えることで自然感のある雰囲気も奏でられます。
また、金属素材にしてしまうとクールになりがちなガレージの扉は、レンガの温かい風合いに合わせて木製を採用しました。アンティークレンガにもよくなじんだ扉です。
ベルギーレンガの施工事例
建物の外壁に赤みを帯びた細かなレンガを用いたことで、重厚感のあるスタイリッシュな印象に。風格を感じさせる佇まいが印象的です。
前面の外構部分となるRの外壁にベルギーのレンガ(アンティークロード)を使っています。
レンガという高級感のある素材の色に強弱をつけることで重々しくなり過ぎず、“シック”と“優しさ”が同居したデザインとなっています。
また、アイアン素材の門扉とブラケットライトは、ベージュ系のアクセントとなりました。
お住まいの奥側から前方にくるにしたがって色合いは淡い色合いに変化するグラデーション、半円を描くような曲線、高低差など、一体感のあるデザインとなっています。
オーストラリアレンガの施工事例
こちらはアメリカ製のクラックレンガを採用した住宅です。ひとつの色彩ではシンプルで単調になりがちなレンガも、濃淡をつけながら同色系の色彩のレンガを組み合わせることで上品な外観となっています。
部分的にレンガの向きを変えて、模様をつけました。同じ素材なのに、色合いと向きに変化をもたせて描かれた模様は、味わい深いです。
窓枠もレンガと同系色となるように、木材を採り入れています。レンガの風合いを損なわない濃いブラウンの窓枠です。
広いお庭に設けられた大きな円形の花壇の中心部にシンボルツリーを設けました。住まう人を見守るように控えめながらにもしっかりと佇む様子が感じ取れます。
花壇の周りに設置したのは、天然の木材による木柵。ばらばらな形状と色の素材ですが、高さを変えて段違いに取り付けたことでデザイン性が高まり、円形の花壇に一層華やかさを演出しました。その内側を取り囲むように植えられた花々がさりげなく彩を添えてくれています。
屋根の三角、窓に描かれた半円、玄関部分の四角、庭の中心にある円…というように、様々な形状を採り入れまとまりのあるデザインです。
レンガの家で後悔しないための対策方法
次にせっかく建てるレンガの家で、後悔しないために押さえておくべきポイントを3つご紹介します。
飽きが来ず、流行に左右されない外観デザインに
歴史的な建築物にも使われているように、レンガは古くから愛されている建材です。
それらを見ると分かるように、高度なデザインにより“伝統的”や“高級感”という魅力が感じられます。
レンガという建材自体がおしゃれですが、選ぶ種類や建物の形状、色味の選択やレンガの並べ方…というように、全体的な仕上げ方で雰囲気がまったくと言っていいほど変わります。
そのため、緻密な設計力が求められる建材と言えるでしょう。
あまりにも冒険した斬新なデザインにすると、今現在は流行に合っていると感じても、何年何十年経ったときに飽きがやってきます。
レンガの家で後悔しないためには、家を建てた“今”だけでなく、何十年先にも風格や味わいを表現してくれるような流行に左右されにくいデザインにすることが大事です。内装は長期的な目線で設計を行っていく
自然素材を高温で焼いたレンガには、伝統的な美しさや重厚な雰囲気があります。そこで、内装も外観と同じような方向性で設計していかなければミスマッチとなりかねません。
海外デザインの住宅で採用されることの多いレンガの家には、
- 白や明るい色味をベースとした壁
- 自然素材のフローリング
- 上品で美しい大理石
- ヨーロッパスタイルの住宅でよく見るアーチ壁
- アクセント効果のあるアイアン
- 暖かみや高級感をもたらす暖炉
- ダイナミックな雰囲気の吹き抜け
- 豪華な佇まいのサーキュラー階段
- 空間に立体感をプラスするシャンデリアの照明
など、レンガの家の外観の豪華さと調和がはかれるようなインテリアの設計が求められます。
ただ、内装は外観よりも目に触れる機会が多く、実際に暮らしと密接にかかわる空間です。優美でおしゃれな素材・デザインだとしても、それらをむやみに詰め込んだコーディネートでは飽きが来ることもあれば、住んでいて心地良さが感じられない可能性もあります。
レンガの家の内装は、実際に暮らす人が長い年月を経ても「心地良さ」や「快適性」を感じ、心を豊かにしてくれる上質な空間を長期的な目線で設計していくことが大事です。
レンガの家づくりの経験が豊富な施工業者へ依頼
レンガは、耐久性の高さという大きな魅力がある一方で、施工業者の腕によっては失敗する可能性もはらんでいます。
レンガを使った家づくりは、レンガの特徴をきちんと理解していることが大前提。レンガの短所となる点を踏まえた上での技術力とデザイン力が問われます。外観のおしゃれな雰囲気はもちろん、断熱性や耐震性など建築基準法に基づきながら“安心して住める家”への思いを施工に込められるかどうかもポイントです。
そこで大切なのはレンガの家をどれだけ施工していたかという実績となるでしょう。
レンガ調のサイディングではなく、本物のレンガの家を建てている経験です。そして長い年月を重ねたときでもレンガの魅力を保ち続けていられるデザイン力などを総合的にプロデュースできるかどうかもポイントです。
実は、日本ではレンガの家を対応できる施工業者はあまりありません。
参會堂はレンガの家の実績も豊富で、これまでに多くのレンガの施工事例がございます。レンガを熟知したうえでオーナー様のご要望にあった家づくりを一緒におこなっております。参會堂が建てるレンガの家
ひとつひとつの素材感や色合い、レンガの種類ごとに惹きつけられる魅力が詰まっています。
レンガを家づくりに採り入れることで、人工的な建材にはない独特の風合いや色合いを楽しむことができるでしょう。
ただ、レンガはどんな家でも似合うとは言えません。レンガが似合う家とそうでない家が存在しています。たとえば、“和”を中心に設計されたデザインの建物にレンガを使用してもミスマッチと言わざるを得ません。部分的だとしても、違和感が残るでしょう。「洋風の家にしたい」とレンガ調の素材を使っても、それは“風”であって、本物のレンガの家とは言えないのです。
「レンガを家づくりで使いたい」と考えたときには、レンガが似合うデザインの家を設計することが大事。トータルコーディネートによって、レンガの良さが生きるのです。
しかし、レンガの家に精通している業者は日本ではそれほど多くありません。
レンガを使えばおしゃれになるという単純なものではなく、レンガの長所を余すところなく発揮し、そして短所をカバーできる“腕”が求められます。
日本の風土に合わせた建築スキルを持ち合わせた業者に依頼すれば、デザイン性と耐久性の高い優れたレンガの家が建てられるのです。
参會堂は優れたデザイン能力から極上のレンガの家を建てることができます。これまでに、レンガを用いた家づくりの実績もあり、レンガの家づくりを熟知しております。
「レンガの家についてもっと知りたい」「外観だけでなく、内装もレンガに合った家づくりをしたい」「分からない点を分かりやすく教えてほしい」など、レンガに関するご不安や疑問があればお気軽にお問い合わせください。
一緒に素敵なレンガの家づくりを考えていきましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。