上品に暖炉まわりを彩る「マントルピース」。日本の住宅ではあまり馴染みがないですが、海外の邸宅のリビングやホテルなどで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
マントルピースを取り入れると非日常感や品格が住まいにもたらされ、まるで海外住宅のような洗練された雰囲気が演出できます。
一方で、「本当に海外のような雰囲気になるの?」「そこだけ浮いてしまわないか?」と不安に感じる方も少なくありません。
今回の記事では、マントルピースの魅力や取り入れ方、海外住宅のように上質な空間へ仕上げるポイントをご紹介します。
目次
マントルピースとは?暖炉まわりを飾る装飾的な造作

まず、マントルピースについて見ていきましょう。
マントルピースの意味と本来の役割
マントルピースは、暖炉の焚き口まわりを囲う装飾枠や、その上部の飾り棚の部分を指します。炎のまわりを格式あるデザインに整え、暖炉の周辺を熱から保護する役割も担っています。
もともとは、暖炉文化を持つ西洋で発達した建築要素です。
海外では、暖炉のある部屋が家族団らんの場として親しまれていたため、マントルピースにも意匠性の高さが求められ、リビングのなかでも象徴的な存在として発展してきました。
また、マントルピースは壁と一体になった造作のことが多く、その家の中で視線が集まる場所をつくり出します。
海外の住宅で暖炉が豪華で上質な雰囲気を放っているのは、マントルピースが単なる家具ではなく、空間の中心的な意匠だからと言えるでしょう。
現代では暖炉がなくてもインテリアとして取り入れられる
もともとは西洋建築の意匠で「暖炉+マントルピース」が基本スタイルでした。
しかし、現代ではインテリアとしての考えもあり、実際に火を使う暖炉がなくてもマントルピースを装飾に取り入れる住まいが増えています。壁面装飾だけでなく、ディスプレイ棚、収納家具としての設置が可能です。
IKEAやニトリなどリーズナブルな市販品でDIYを身近に楽しむ方法もあります。
ただ、後付けのマントルピースの場合、簡易的に設置されることから、どうしても“置いただけ”という違和感が生まれがちです。
海外の邸宅のような美しいインテリアとしてマントルピースを設置するときは、空間の雰囲気とのバランスを考えて、素材やデザインを計画していくことが大事です。
マントルピースが空間にもたらす3つの魅力

本来は暖炉まわりの彩りのために生まれたマントルピースですが、現代ではインテリアとしても高く評価されています。まずは、その魅力を見ていきましょう。
リビングの視線を集めるフォーカルポイントになる
マントルピースの大きな魅力は、リビングやホールの中で自然と視線が集まる「フォーカルポイント」をつくりだせることです。
部屋に入ったとき、無意識のうちに存在感のあるマントルピースに視線が落ち着きます。その存在が空間全体の重心を整える要素となり、まとまりのある印象になります。
テレビやソファ、ミラー、照明といった要素も、マントルピースを中心的にすることでバランスのよい配置が生まれます。
たとえばマントルピースの上部にミラー、そして左右に照明を添える。そしてテレビを中央にといった計画により、それぞれがひとまとまりの軸になり、空間を彩ります。
マントルピースを中心にインテリアを計画することでリビングを引き締めることが可能です。
海外住宅のような上質感やアンティーク感を演出できる
素材やデザインの選び方によって、さまざまな世界観を表現できるのがマントルピースの魅力です。
たとえば、白いモールディングで仕上げることにより優雅なヨーロッパ風の印象となりますし、大理石調にするとホテルライクな重厚感が生まれます。
木製や彫刻的な装飾を施せば、フレンチシックやアンティーク調の落ち着いた雰囲気の演出も可能です。
素材選びによってマントルピースが単に「おしゃれな飾り」だけにとどまらず、住まい全体のテイストにまとまりをもたらし、建物全体の世界観を支える要素となります。
床材や壁、建具の質感やデザインと合わせることで、家全体の風格を引き上げる存在となってくれるのです。
飾り棚や収納として暮らしの楽しみも広がる
マントルピースの上部や周辺は、日常を彩るディスプレイのように使うことができます。
キャンドルやミラー、アート、洋書、季節の小物などを飾り、その時々の気分を楽しめる表現の場ともなります。「何を置こうか」とディスプレイを考える時間が日々の暮らしを豊かにしてくれるでしょう。
また、下部にスペースを設けることで、本や雑貨を収める収納としての活用も可能です。
ただし、意識したいのがマントルピースは隠す収納ではなく「見せる収納」という点です。本やオブジェなど自分のお気に入りのものを美しく並べ“魅せる”、それがインテリアの一部となり空間を上質に演出します。
家づくりを考え始めると、さまざまな疑問が出てくるものです。参會堂では、経験豊富な建築家が土地・間取り・資金計画などのご相談をLINEで直接お受けしています。
建築家との対話の中で、あなたにとっての住まいのイメージが大きく形になっていきます。
土地のこと、間取りのこと、資金のこと。小さなことでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
※営業ではなく家づくりのご相談をお受けします。
マントルピースを取り入れる場所と見せ方

マントルピースは「設置するだけ」ではその魅力を十分に引き出すことは難しいです。取り入れる空間に合わせた演出が大事です。そこで、マントルピースを取り入れる場所と見せ方のポイントをご紹介していきます。
リビングに設けると空間の主役になりやすい
家族や友人たちが集まり、語らいの時間を過ごすリビング。そんな空間にマントルピースを取り入れる人も多く見られます。
ソファの正面や壁面の中央に配置することでリビング全体の印象が大きく変わり、部屋に入った瞬間に視線を引き、空間の主役級の存在感を放ちます。
ただし、リビングには、暖炉やテレビ、造作棚といったマントルピースと組み合わせたい要素が数多く集まっています。
これらをどう並べて、どこにマントルピースを設置するかは、家が出来上がってから考えるのでは遅く、設計段階から全体のバランスを意識しながら検討することが欠かせません。
部屋にいるときの視線の流れ、生活動線までをふまえた計画により、美しいレイアウトに仕上げることができます。
玄関やホールに設けると迎える空間に品格が生まれる
また、玄関やホールに設けるという選択肢もあります。
オーナー様が帰宅したとき、友人や知人を迎える大切な空間となる玄関ホール。そこにマントルピースを配置することで、住まい全体の第一印象をぐっと格上げしてくれる存在に。
海外邸宅のような品格を漂わせ、訪れる人を上質な空間で出迎えます。季節の花を飾る花台、さらにはアートやミラーとの組み合わせにより、来客を出迎える空間に華やかさを演出することができます。
ただし、玄関やホールはリビングと比べると面積的にも小ぶりとなることが多く、大きすぎるものでは圧迫感をもたらしてしまうことも。空間に合わせて、上品に添えるのがポイントです。
寝室や書斎では落ち着いた装飾として活用できる
寝室や書斎にマントルピースを取り入れる際は、リビングほど主張させず、壁面の余白を美しく整える使い方が合っています。
圧倒的な存在感ではなく、寝室や書斎といった“静”を感じさせる空間に、そっと添える程度にすることで、落ち着いた雰囲気になります。
寝室や書斎はプライベートな空間ですから、小さめのマントルピースやアンティーク調のデザインがよくなじみます。
間接照明や、自分だけが好むアートなどと合わせることで就寝前や作業をする際に心地良さをもたらしてくれるでしょう。
既製品・DIYではなく、注文住宅で設計するマントルピースの価値

既製品やDIYでもマントルピースの設置は可能です。しかし、空間と一体化した美しい佇まいを実現するには、住まい全体の設計と合わせて計画することが重要です。次に、注文住宅で設計するからこそ得られるマントルピースの価値について見ていきましょう。
サイズや高さを空間に合わせて設計できる
既製品のマントルピースは手軽に取り入れることができます。しかし、天井の高さや壁の幅、家具の配置に合わず、浮いて見えることがあります。既製品の場合、どうしても空間にズレが生じやすいのです。
注文住宅を建てるときの設計なら、部屋の広さや視線の高さに合わせて、マントルピースを自然に組み込むことができます。
吹き抜けなど天井が高い空間なら、大きく存在感のあるマントルピース、コンパクトな部屋にはすっきりと見えるサイズ感。
空間全体に対し、不自然とならない大きさで組み込むことができるのは、注文住宅ならではの魅力です。
素材や装飾を建物全体のデザインと統一できる
注文住宅でマントルピースを設計する魅力は、建物全体との統一感を持たせられる点です。
マントルピースは単体で飾るのではなく、モールディングや塗り壁、大理石、木材、アイアン、照明などの意匠や素材を調和させながら計画することで、空間の雰囲気を統一感が生まれます。そして、それらが響きあって、本来の美しさが放たれるものです。
マントルピースのような存在感を放つ意匠は、それだけで目立つのではありません。周囲の意匠に溶け込みながら一つの世界観を作り出せるように計画することが大事です。
クラシカルな装飾との組み合わせなら重厚感、木材でまとめると温かみを演出することもできます。
マントルピースを取り入れることを前提として、素材選びから細部までこだわれり、市販のかわいい家具を単体で置いただけでは生まれない、一体感を作り出すことができるのは注文住宅ならではの強みです。
暖炉・照明・収納と一体で計画できる
本物の暖炉や電気式暖炉、間接照明や壁面収納、テレビボードなどとの組み合わせを検討している場合は、後付けよりも設計段階で考えたほうが美しい納まりにすることができます。
後付けだと、寸法や下地、配線など問題もあり、思い通りに仕上がらないことも多々あります。
注文住宅なら、ゼロベースから一体で計画できるので、壁の中に配線を隠してすっきりさせ、暖炉や照明、収納をマントルピースと一続きに整えることが可能です。
また、暖炉は火を扱う暖炉や電気式暖炉などがありますが、意匠はもちろん、安全性への専門的な計画が欠かせません。後付けでDIYすると、こうした安全性が疎かになってしまうことがあります。
最初から組み込むことができる注文住宅なら、マントルピースを住まいの主役へと導いてくれることでしょう。
マントルピースが映える海外邸宅のような施工事例
私ども参會堂は、これまでに美しい海外デザインの住宅を手掛けてきました。そのなかで、マントルピースが映える施工事例をご紹介していきます。
大理石のマントルピースが映えるクラシカルリビング

ゴールドの取っ手や模様入りの両開きのガラスドアを開けると、正面にはマントルピースに囲われた暖炉が目に入ります。
模様入りガラスのアンティーク調のドアは自然光が透過し、空間に明るさと上品な雰囲気を添えています。床材はモザイクタイルから大判タイルへ切り替わり、空間につながりを持たせながらも、視覚的にゾーニングされた印象となっています。
暖炉まわりには大理石のマントルピースを設け、上部には鏡や美しいデザインのお皿を飾ることで、海外邸宅のような華やかさが演出できました。
薄いアイボリーの大理石床とも調和した配色で、空間全体が統一感のある上質なインテリアに仕上がっています。

折り上げ天井により高さの変化が生まれ、開放感のある上質なリビングとなりました。
天井には間接照明を取り入れたことにより温かみのある光が広がり、落ち着いた雰囲気に包みこまれた空間です。
中央には華やかな装飾のシャンデリアを配置し、その根元には繊細な彫刻が美しいメダリオンを設置。白を基調とした天井のアクセントとなり、クラシカルで優雅な雰囲気を添えています。
自然光がシャンデリアの小さなガラスにひとつひとつ反射し、豪華さの中にも穏やかさを感じられるのも魅力です。クラシカルなデザインのソファやテーブルとも調和し、統一感のあるインテリアを演出しています。
天然石のマントルピースが主役の吹き抜けリビング

梁や柱をあえて見せるティンバーフレームの内装で、重厚感と温もりが感じられます。
柱や梁、階段に使用した木材は、落ち着きのあるブラウン系で統一され、ソファの色味とも調和。空間全体に一体感を生み出されました。
木の質感が印象的なインテリアは、包み込まれるような温かな気持ちとなり、ご家族がゆったりとくつろげるリラックス空間となっています。
吹き抜けと天窓を設けたことにより、自然光がたっぷりと注ぎ込まれ、明るく開放感あふれる空間に仕上がりました。

薪暖炉の煙突の立ち上がりには石材を選び、柔らかでありながらも重厚感のあるデザインとなりました。
一つとして同じ表情がない石の断面が、空間に洗練された雰囲気をもたらします。天然石ならではの美しい質感が、主役級のマントルピースに穏やかさや落ち着きが表現されて魅力的です。
暖炉の上部に設けられた棚には絵画を飾り、暮らしに彩りを添えています。全体的に、色や素材に統一感をもたせたことで、まとまりのある上質な空間が実現しました。
淡いブルーのマントルピースが彩るやさしいリビング

薪暖炉のまわりにマントルピースを設け、柔らかな印象のリビングです。オレンジ系のタイルに薄いブルーを組み合わせ、可愛らしさや爽やかさが感じられる空間となりました。
巾木や廻り縁にも同系色を用いることで、空間全体として統一感があります。床と壁、壁と天井の切り替えを明確にしながらも、主張しすぎない色使いによって自然に馴染み、ライトブラウンのフローリングとも美しく調和しています。
白い壁面と軽やかなデザインのチェック柄のソファ。ゆったりとした曲線の背もたれに身を預けると、リラックスした心地よい時間を過ごせそうなリビングに仕上がっています。
私たちの施工事例をご覧いただきながら、ご自身の住まいについて考え始めた方も多いのではないでしょうか。
家づくりは、土地の条件やご家族のライフスタイルによって最適な間取りや設計が大きく変わるため「自分の場合はどんな家になるのだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
参會堂では、経験豊富な建築家が土地・間取り・資金計画などのご相談をLINEで直接お受けしています。建築家との対話の中で、土地条件やご家族の暮らし方にふさわしい住まいのかたちが見えてきます。
小さなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。
※営業ではなく家づくりのご相談をお受けします。
マントルピースを取り入れる前に確認したい注意点

マントルピースを取り入れる際に確認しておきたいことがいくつかあります。ひとつずつ見ていきましょう。
火を使う暖炉と組み合わせる場合は安全性の確認が必要
実際に火を焚く暖炉や薪ストーブとマントルピースを組み合わせる場合は、見た目はもちろんのこと、安全性をしっかりと確認することが必要です。
耐熱性のある素材選び、換気や煙突の計画など、安全性を保つために配慮すべき要素が複数あります。
火を扱う以上、独自の判断で素材や配置をすることでリスクが高まることもあるため、専門家とともに安全性のある計画が欠かせません。
安全に安心して暖炉を楽しむためにも、マントルピースは設計段階で専門的な視点を取り入れることが大事です。
小さめの部屋では圧迫感が出ないサイズを選ぶ
注文住宅でのマントルピースは、一人暮らし向けの小さな家具を選ぶ感覚とは違います。
空間全体とのバランスが悪いと、小さめの部屋では圧迫感が出ることもあるため注意が必要です。
奥行きや高さ、装飾量を控えめにして計画することで、狭い空間でも上品に見せられます。大き過ぎず、小さ過ぎず、その微妙なサイズの見極めは、マントルピースの経験豊かな設計者の手腕ともかかわってきます。
装飾を盛り込みすぎると空間が散らかって見える
マントルピース自体に十分な存在感があるため、装飾を盛り込み過ぎると、かえって空間が散らかった印象になりやすいです。
ミラー、雑貨、照明、アートをあれこれと取り入れてしまうと、本来のマントルピースの上質感が薄れるため注意しなければなりません。
高級感を出す鍵は、引き算です。ミラーや雑貨、照明、アートを数多く、盛り込むのではなく、厳選した“引き算”を意識。装飾の「量」ではなく「余白」と「統一感」が大切なのです。
マントルピースが映える住まいを参會堂の注文住宅で
マントルピースは「置くだけで完成する家具」ではありません。住まいの世界観をつくり、空間の重心ともなりうる設計要素です。
だからこそ、ただマントルピースを取り入れればよいという単純なものではなく、サイズや素材、暖炉まわりの安全計画、収納としての活用法、リビングでの見せ方などを含めて、住まい全体と一体で考えなければ成功しません。
マントルピースの魅力を最大限に引き出すには、海外住宅の意匠に精通した、腕の良い設計者の存在が大事です。
参會堂では、海外住宅をこれまでにたくさん手掛けてきました。海外パートナーの存在があり、デザインから素材選びまで連携しながら手掛けることができます。
私どもなら、海外デザインの住宅に魅力的なマントルピースの設置、暖炉まわりのデザインから空間全体の見せ方を意識した設計が可能です。
「海外住宅を家づくりに取り入れたい」「空間を魅力的に彩るマントルピースを計画したい」とお考えの方は、注文住宅の設計段階からご相談ください。
後付けでは実現できない、一体感のあるデザインの仕上がりが注文住宅で設計する魅力です。マントルピースのある暮らしに憧れている方は、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。理想の空間づくりを、設計の段階から丁寧にお手伝いいたします。














