ドイツをはじめ、ヨーロッパデザインの家には、感性が研ぎ澄まされる芸術的な美しさがあります。まるで中世のようなアンティークな雰囲気の外観に憧れる方もいらっしゃるでしょう。
注文住宅を建てるとき、ドイツにあるような家を建てたいという思いの反面、「日本という風土でドイツ建築を上手に取り入れられるのだろうか」「ドイツの家は日本の家と何が違うか知りたい」といった疑問・不安もあるかもしれません。
ドイツの街並みから日本の家との違いを知り、それをかけがえのない家づくりに取り入れてまいりましょう。
ヨーロッパデザイン住宅を数多く手掛けてきた私ども参會堂の施工事例とともに、ドイツの街並みや家づくりへの思想などを詳しくお伝えしていきます。
目次
童話のようなドイツの家と街並みの特徴
「ドイツ」という国のなかでも、エリアによって家と街並みの雰囲気がだいぶ違います。歩んできた歴史や気候の違いによって、どんな住宅や街並みの特徴があるのでしょうか。
ドイツのなかでも代表的な都市の街並みについて見てみましょう。
ローテンブルク旧市街の街並み
ローテンブルクは、ドイツの観光街道「ロマンティック街道」に面した、ドイツの南部に位置する小さな街です。
急勾配の三角屋根や石畳の道路、白やイエロー、オレンジなどの外壁で街並みがとてもカラフル。
ローテンブルクの街に佇むと、中世時代にタイムスリップしたかのような、童話の世界に迷い込んだような・・・。そんなメルヘンチックな不思議な感覚に陥る魅力があります。
中世時代の街並みが美しいまま保存された街の、ローテンブルクは“中世の宝石箱”と称されるほどです。
ローテンブルクのなかでも最も可愛らしいスポットとも言える「プレーンライン」や、ルネサンス様式やバロック様式、ゴシック様式などの特徴を持つ「マルクト広場の市庁舎」、風格ある佇まいと美しい彫刻による祭壇が有名な「聖ヤコブ教会」などが、ローテンブルクの街並みのなかでも多くの人が訪れる観光スポットとなっています。
ベルリンの街並み
ドイツ東部に位置する首都「ベルリン」は、歴史的にもドイツの中心的な存在として発展し続け、現在では先進的な大きな建物が立ち並ぶ都市です。
ヨーロッパのなかでも流行を生む進化的な都市である一方で、ベルリン大聖堂やシャルロッテンブルク宮殿といった歴史的な建造物も見られます。
古き良き時代の建物を見ながら、カフェでお茶を…。そんな「旧・新」が混在した趣を感じさせてくれる街並みです。
また、中心部から少し離れたエリアに行くと、アイボリーやホワイト系の外壁、ブラウンやオレンジ系の屋根などが特徴的な低層の住宅も見られます。
ひとつひとつに抜きん出た個性はないですが、街全体に統一感があり、それがベルリンの美しい街並みを作り出している背景と言えるでしょう。
フランクフルトの街並み
フランクフルトの「ハブ空港」はヨーロッパのなかでも規模が大きい空港で、ドイツの空の玄関口にもなっています。ドイツを訪れた世界各国の人々が立ち寄る都市です。
ヨーロッパの大手の金融機関の本拠地になっていることもあり、フランクフルトは近代的な街並みです。
見上げるような高層ビルが並ぶ“大都会”的な要素を持ちつつも、“レトロ”な建物が並ぶエリアも混在しています。
フランクフルトのなかでも美しい光景が広がるレーマー広場には、段々になった切妻屋根の建物が立ち並び、芸術的なのにどこか可愛らしい表情で観光客を楽しませてくれます。
ハイデルベルクの街並み
ハイデルベルクは、ドイツの西部に存するとても小さな街です。
オレンジやイエロー、ホワイト、グレー、薄いグリーンといったさまざまな色味の外壁を持つ、4階建て、5階建ての集合住宅も多いです。
色の微妙な違いはありますが、周囲に調和した家づくりの方向性は同じで、建物の形や色味に統一感があり、美しい街並みが保たれています。
ひとつひとつの家を眺めると、縦長で可愛らしい窓、アーチで描いた入口など、ヨーロッパ住宅の特徴とも言える装飾性の高さに魅了されます。思わず写真におさめたくなるノスタルジックで芸術的な街並みが広がっている街です。
ブレーメンの街並み
「ブレーメンの音楽隊」というグリム童話によって世界的にもその名が知られているドイツ北部のブレーメン。
童話の世界観がそのまま表現されたような街並みに、多くの観光客が訪れています。
世界遺産に登録されたブレーメンの「市庁舎」は旧市街のマルクト広場にあり、ゴシック様式のなかにもルネサンス様式で増築された部分が混在、宮殿のような風格漂う建物となっています。
また、中世の街並みを忠実に再現した「ベトヒャー通り」も有名です。通りの長さは実はたった100メートルほどですが、石畳の通りに急勾配の三角屋根とレンガの可愛らしくも美しい建物が立ち並び、通りを歩くだけでも優雅な気分になります。
日本の家とドイツ住宅には意外な違いが
家づくりへの考え方は、それぞれの国の歴史的背景や気候などによって大きく変わります。次に、日本の家とドイツ住宅の違いを見ていきましょう。
新築を建てるよりリフォームへの意識が高い
日本では、家づくりに対し、「古くなったら新築」という考えが根付いています。
築20年を過ぎた頃には「古さ」を感じ始め、30年40年…となると住み替えや建て替えを検討し始める方も多いでしょう。
一方のドイツは、日本人のように新築を建てるという考えは薄く、リフォームが主流です。
世代を超えてリフォームして住み続けている住宅も多く、日本では建て替え時期とも言える築50年程度の家も、ドイツでは「リフォームして住み続ける」という考えが普通です。
古い部分もリフォームしながら魅力にもできるため、ドイツには「レトロで可愛らしい」中世を彷彿させる家々もたくさんあります。
実はデザインと同じくらい住宅性能への関心が
ドイツでは、日々の生活に直結する「住宅性能」への関心度が高い傾向にあります。省エネ基準が重視された建築基準が定められ、国全体で環境に配慮した家づくりの考え方があります。
たとえば、日本の一般的な住宅の断熱材の厚みは10cmほどですが、ドイツでは36cmの厚みの断熱材が法律で義務づけられているなど、日本の住宅より総合的な性能は上回っています。
また、窓の性能も日本とは段違いです。ドイツの窓は「ドレーキップ窓」といって、レバー操作で“内側に倒す”、“内側に開く”と2パターンの開閉により換気が可能です。
内倒しで上部だけを開ければ、外から入った空気が優しく部屋の上側へと舞い込みます。
突然の雨でも部屋が濡れることを防いでくれる構造です。冬でも換気がしやすい窓と言えるでしょう。
参會堂でもドイツ製の窓「アルプラストワン」を使用しています。2通りの開け方ができるドレーキップ窓です。
アルコンガスとフィルムを中間に挟み、4層の複層ガラスです。高い気密性により断熱性能も良く、外気の影響をダイレクトに受けないので室内温度が安定しやすい特徴があります。隙間がなく、遮音性も高い窓です。
そして、特に注目したいのが防犯性で、「4つの層」に「特殊繊維フィルム」という効果も相まって、ガラスが割られても貫通せずに暮らす人を不審者から守ります。
また、丈夫な白いフレームは、ヨーロッパデザインの住宅との相性が良く、おしゃれな雰囲気を演出できます。
街を見渡せばほとんどの家が急勾配の屋根
エリアによって異なる部分もありますが、ドイツの家はほとんど急勾配の屋根です。
傾斜が45℃と急なのは、ドイツの「雪が多い」と言う気候も関係しています。
目的や使用用途ごとに仕切られた間取り
近年の日本住宅では、リビング+ダイニング+キッチンがひとつにまとまった「LDK」が主流です。
一方、ドイツの家は、空間の使用用途によって仕切る間取りもよく見られます。リビングはリビング、キッチンはキッチンと分かれている事が多いのがドイツの家の特徴です。
また、前述したように、ドイツの家は「リフォーム」をして住み続けていく傾向にあります。
100年近くも前の中古住宅をリフォームして住む方も多く、間取りについては暮らす人のライフスタイルに合わせたものが多いようです。
外観デザインが落ち着いている
日本では、外観デザインにこだわった家づくりも多いのではないでしょうか。屋根・外壁の素材の種類は多彩で、隣の家、周囲の家よりも個性的にする方もいます。
ドイツの家は、街並みに溶け込むようなデザインの住宅が多いです。三角屋根や煙突、ドーマー窓など、童話のなかにいるような可愛らしいフォルムのお住まいもよく見られます。
ひとつの家がひときわ存在感を放つことはなく、落ち着いた色味で周囲の住宅とも調和し、美しい街並みに佇んでいます。
本物の素材で超高寿命の家づくり
性能重視傾向のドイツの家は、何十年という時を経ても価値が低くならず、むしろ一層魅力が増す家と評価されるケースも多いです。
新築、リフォームにしても「コストをおさえたい」という一時的に費用をおさえる方法ではなく、本物の素材を使い「高くても長寿の家を」という考え方がされる傾向にあります。
参會堂の家づくりでも、ヨーロッパ風、ドイツ風・・・と言うような“風”ではなく、本物の素材を採り入れた家づくりを実現。オーナー様が長く安心して住み続けられる家づくりを考えてまいります。
大きい窓、数が多い窓
ドイツの家の外観を見ていて気づくのが「窓の多さ」です。夏はそれほど高温にならずに涼しく、冬は寒いという気候の特徴を持つドイツですが、窓によって室温を調整する傾向にあります。
夏はいくつかの窓を開けることで快適を保ち、冬は窓からの採光で心地良い空間を実現しています。
熱還流率を高めるために樹脂窓を採用されるケースが多く、窓を閉めたときでも「熱の流入・流出」を防いで断熱効果を高めることができるのです。
ヨーロッパ建築30年の歴史を誇る参會堂の施工事例
参會堂には30年ものヨーロッパ建築の施工歴がございます。おしゃれという見た目はもちろん、住まう人が理想的で快適な暮らしを送れるようにデザインした住宅ばかりです。
そのなかから、私ども参會堂がオーナー様と共に作り上げた、ヨーロッパ住宅を3選ご紹介していきます。
レンガ張りの外観がレトロでおしゃれな洋風住宅
総レンガ張りの外観で無駄のないシンプルなデザインとなりました。
オレンジやブラウンによる色の微妙な違いを持つレンガの重厚感と高級感、レトロでお洒落な雰囲気も表現され、魅力的な外観です。
粘土や泥を主原料に高温で焼き上げた外壁材のレンガは、耐久性や耐熱性、蓄熱性、デザイン性を兼ね備えた魅力的な外壁材です。
張り方によって個性を表現できるレンガですが、こちらのお住まいでは「窓やガレージの上下部分」「屋根の下部」を縦貼りにアクセントを施しています。
また、駐車スペースから玄関までのアプローチにはグレーのタイルを敷き詰め、そしてガレージ扉はダークグリーンの落ち着いた色味を選び、ドイツの家らしさが表現されました。
明るい空間となるように天井と壁に白を選びました。一段高くなった折り上げ天井を設け、空間の上部に奥行きを持たせています。
間接照明によりお部屋の立体感も生まれ、平らな天井にはない、デザイン性と個性が表現されました。天然の赤みを含んだフローリングは、お部屋に暖かみと上質なテイストをもたらしてくれています。
また、内装の一部にフローリングと同系色を施し、曲線と直線でデザイン性を高めたアクセントを設けました。立体的で装飾性の高い内装により、リビングで過ごす時間に心地良さを演出してくれそうです。
上品な白い外観とR窓が特徴的な洋風住宅
R窓が特徴的なデザインのお住まいです。
木目柄の格子窓と外壁のホワイトの組み合わせにより、上品で穏やかなファザードとなりました。
家の顔となる玄関の面にはRの曲線を多用し柔らかさを演出、一方、側面には長方形の窓が規則的に並び、変化をもたせました。
外観や内装にR曲線を取り入れるのは、ドイツをはじめ、ヨーロッパ建築の特徴です。
インテリアとしても存在感の高い「サーキュラー階段」を設置しました。
空間全体に優雅な印象をもたらすサーキュラー階段は、ヨーロッパデザインの家によく似合います。
“木製の踏み板”と“窓のフレーム”にはダークブラウンを使い、アイアン素材の黒で明るい空間も引き締まった表情になります。蹴込み板をなくしスケルトンにしたことで、空間全体への採光性が高まります。
縦長の形状の窓がいくつも並び、大理石に反射した光の広がりにより、日中でも暗さを感じることがありません。
空間全体の内装や照明、採光、家具や素材などを細やかに計画したコーディネートが必要です。
参會堂でもサーキュラー階段を取り入れた海外デザイン住宅の施工事例がたくさんございます。ぜひ、ご相談ください。
木目の優しさと白の美しさを感じる洋風住宅
ホワイトをベースとした外壁にサッシを均等に配置したデザインで、木目の窓枠がホワイトの外壁のアクセントになりました。
木製の玄関ドアやカーポートの木材を同系色にこだわり、建物の外観、外構ともに穏やかで上質な雰囲気に仕上がっています。
高台に建つホワイトをベースとした外観の住宅です。外観には、三角形の屋根と細長い煙突、木製フレームで囲まれた縦長の窓、そして曲線を使ったアーチ壁とさまざまな形を取り入れました。
全体的にホワイトを基調としている外壁は、直線だけではシャープになりがちです。アーチの曲線によってヨーロッパ建築の柔らかな表情をもたらし、ワンランク上のデザインとなりました。
ウッドデッキの木材がホワイトのなかでアクセントとなったウッドデッキの“木”が、周囲の緑の景観ともなじんでいます。
ドイツの家をはじめとするヨーロッパ住宅を日本で建てる価値
ヨーロッパデザインの住宅は、人々を惹きつける美しさと、いつの時代にもなじむ飽きのこないデザイン性を叶えてくれます。
本物のヨーロッパ住宅を街で見かけることは稀
ヨーロッパデザインの住宅を家づくりに取り入れたいと考える方も多いでしょう。
ただ、日本にはヨーロッパ住宅に似せた『風』住宅は建っていますが、残念ながら“本物”を見かけることは少ないです。
日本の風土や周囲との景観バランスを考えると、本当の意味での「本物のヨーロッパデザイン住宅」を建てるのは難しく、“風”となってしまうのも仕方がないことなのかもしれません。
参會堂なら本物のヨーロッパ住宅を建てられる
しかし、参會堂は本場イタリアにパートナーを持つ、ヨーロッパ住宅施工歴30年以上の設計事務所です。
日本の家づくりとヨーロッパの家づくりを組み合わせ、独自の方法で本物のヨーロッパ住宅を造ることができます。
「本物の素材・本物のデザイン・本物のヨーロッパの思想」をコンセプトに、日本でヨーロッパ住宅をお考えの方にお届けしたいと願っています。参會堂は、30年もの長い期間、ヨーロッパ住宅を建て続けてまいりました。
ドイツをはじめ、ヨーロッパの人々が家づくりに思う、“性能の良さ”にもこだわっております。本物のヨーロッパ住宅は簡単に実現できるものではないからこそ、手にいれる価値がある家なのです。
私ども参會堂なら、質の高い素材を提案し、これまでに培った設計力とデザイン力でオーナー様の理想のヨーロッパ住宅を叶えることができます。
人生において幾度もない貴重でかけがえのない“家づくり”の時間・・・。そんな大切な家づくりを私どもと共に描いてまいりましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。