色味や形の異なる小さなタイルを並べてオリジナルの模様を作り、空間に華やかさや癒しをもたらすことができるモザイクタイル。
自然光や照明など、光の当たり具合によって独特の煌びやかな風合いを感じられるとあり、近年の家づくりで注目されています。壁や床、キッチンまわり、玄関など多くの場所にモザイクタイルを取り入れることで、ひと味違うおしゃれなデザインに仕上げることができます。
特に高級注文住宅をご希望されている方にはおすすめできる素材です。ただ、
- どこに取り入れたらいいかイメージが湧かない…
- よくあるモザイクタイルではなく、個性的なデザインにしたい…
- 海外住宅で使われるようなモザイクタイルに興味がある…
という方もいるのではないでしょうか。
参會堂はこれまでに高級注文住宅の設計・デザインをするなかで、モザイクタイルを取り入れた家づくりをしてまいりました。
今回の記事では、モザイクタイルが映える空間事例をご紹介しながら、モザイクタイルの魅力について解説していきます。
目次
空間にアクセントを与えるモザイクタイルとは
モザイクタイルはさまざまな種類があります。はじめに、モザイクタイルとは何なのか、特徴や種類などをご紹介していきます。
モザイクタイルの特徴
1枚の表面積が50㎠以下の小さなタイルをモザイクタイルと言います。
モザイクタイルは「素材」「形」「色」の種類が多彩な装飾性のある建材です。タイルの選び方や仕上げ方で個性溢れる“模様”が生まれ、デザイン性の高い家づくりができるのが魅力と注目されています。
日本の家づくりでも、昭和時代、一般家庭のキッチンや浴室など水回りを中心にモザイクタイルがよく使われていたことがありました。
当時は、モザイクタイルの耐水性・耐久性など“機能”に着目されたことで広く普及しました。円形の“玉石”や“小さな正方形”のレトロな雰囲気のモザイクタイルが施された古民家を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
古くから日本でも家づくりの建材として使われていましたが、近年のモザイクタイルは形やカラーの種類が豊富で、デザイン性を高められるアイテムとして注目されています。
モザイクタイルの代表的な種類
次にモザイクタイルの代表的な種類について見ていきましょう。
素材の違い
大理石モザイク
天然大理石から成る「大理石モザイク」は、マーブルモザイクとも言われています。天然石ならではの耐久性と“質感”が魅力的です。
ガラスモザイク
無色のガラスに色をつけたもの、あるいはそもそも色付のガラスを使っているのが「ガラスモザイク」です。ガラスの輝きが見る角度によって微妙に異なり、透明感が独特で美しい表情を作り出しています。
セラミックタイル
粘土を焼き固めて釉薬を施した「セラミックタイル」は、耐水性や耐熱性などが優れた素材です。釉薬により色柄も表現でき、デザイン性を高められます。
形状の違い
よく選ばれているのは正方形ですが、そのほか円形、六角形、ランタン型、異形状などメーカーによって独特な形をしたものもあります。
形によって、可愛い、美しい、上品…などたくさんの表情を作り出すことが可能です。
シンプルな表情を持つ四角い形に対し、円形や六角形は個性的で海外住宅のような面持ちになるでしょう。
モザイクタイルが主に使用される場所
壁面や床、天井、キッチンの天板などにモザイクタイルを採用することでアクセント効果が生まれます。シンプルな空間も、テイストの違うワンランク上の空間に仕上げることができるでしょう。
特に、防水性の高さから、昔から浴室・洗面室、キッチンなど水回りでもよく使われています。
小型のタイルということもあって、モザイクタイルは狭いスペースにも柔軟にフィットさせられるのが特徴的。複数の色を使って交互に貼ったり、微妙に異なる色味のタイルを絵画のような芸術的な模様にしたりなど“貼り方”によってさまざまなデザインにできます。
玄関土間にモザイクタイルを採用する方もいます。その耐水性から水回りに使うイメージが定着しているモザイクタイルですが、耐久性も優れているので玄関土間に使うと装飾性の高い空間が仕上がります。
また、玄関アプローチや門、庭などの外構にもモザイクタイルを使うと、外観にさまざまな表情を演出することが可能です。
形や色の組み合わせ方、並べ方が織りなすアートのような美しさ。唯一無二のデザインに仕上げられるとあって、モザイクタイルは内装・外構など多彩なところでアクセント効果をもたらしてくれることでしょう。
モザイクタイルが暮らしに与えるメリットと注意点
美しい見た目からおしゃれな空間デザインにぴったりのモザイクタイル。魅力的なメリットが多いなか、注意点もあります。
モザイクタイルが暮らしに与えるメリット
空間を華やかに彩ってくれる
日本住宅では、昔ながらのモザイクタイルの印象が強いかもしれません。近年建材として使われるモザイクタイルは種類が豊富で、最近は“おしゃれ”なものとして家づくりで認識されるようになってきました。
もともと、西洋建築でもモザイクタイルによる装飾は伝統的な技法として取り入れられています。
色柄、形の異なる小さなピースをひとつずつ貼り合わせ、まるで絵画のように芸術的なデザインにすることも可能です。色味や形状の種類は多彩で、並べ方によって雰囲気が大きく変わってきます。
空間全体の雰囲気とのバランスも考えながら、さまざまなテイストに仕上げることが可能です。
メンテナンス性に優れている
古くは浴室や洗面室、台所などに採用されていたことからも分かるように、モザイクタイルは防水性や耐候性、耐熱性に優れた建材です。汚れに強いため、水回りにも適しています。
基本的には、水汚れなどが気になったタイミングで、水に濡らして絞っただけのタオルで拭くメンテナンスでも構いません。1日の終わりにタオルで拭くことを日課にしているだけでも清潔感のある空間が保てるでしょう。
また、水回りは毎日のように水が飛び散る空間。お手入れしたつもりでも汚れが溜まることはあります。
薄めた中性洗剤をタオルに染み込ませ、水を使ったら丁寧に拭いていくことでお手入れが可能です。モザイクタイルは日常的なお手入れ、そしてひどい汚れがあったら適切な方法で清掃をすることで美観を長く保つことができます。
防⽕・防⽔性能が⾮常に⾼い
ワンランク上の空間づくりにも注目されているモザイクタイルですが、実は防火性や防水性がとても高く、機能性の面でも大きなメリットがあります。
タイルといっても原材料と工法が異なるため全部が同じではありませんが、耐火性が高い建材です。特に内装では水回りに使われることも多いため、防水性の高い機能性が注目されています。
モザイクタイルを採用する際の注意点
施工コストがかかる
モザイクタイルは“小さな形”ということもあって建材そのものが他のタイルと比べて高めです。さらには小さな面積に繊細に施工することから施工コストがかかります。
最近はローコストな家づくりで、コスト削減のために“モザイクタイル調”のクロスを選択する住宅もあります。これらは、モザイクタイル風ではありますが、実際はクロスです。
見た目は確かにおしゃれで空間に華やかさをもたらすことはできるものの、壁紙ですから本物のタイルのような機能性は実現できません。何よりもタイル本来の風合いが感じられないため、本物の家づくりをしたい人にとっては不向きです。
ですが、モザイクタイルは部分的にアクセントとして使用することもできます。
一部分にモザイクタイルを採用するだけでも空間が引き締まり、アクセント効果から高級感・華やかさを演出することが可能です。モザイクタイルの繊細なデザインを少し取り入れるだけでも、ホテルライクな空間にも仕上げられるでしょう。
ただし、空間全体とのバランスやコーディネートも問われる仕事です。経験豊富な設計事務所に依頼することで、オリジナリティ溢れるデザインを叶えることが重要です。
経年劣化で割れてしまうことがある
小さなものをいくつも組み合わせて並べるモザイクタイルは、繊細な施工が求められる難易度の高い工事です。
ずれたまま施工を続けると、デザイン性も悪くなるばかりか耐久性にも問題が生じます。
モザイクタイルは水回りや玄関など、耐水性や耐久性に配慮した施工場所となるため、耐久性の高い素材を選び、それでいて高品質な施工力が必要となります。質の悪い素材選び、施工経験不足の業者に依頼すると不良を起こすリスクが高まるため注意しましょう。経験豊富なことはもちろん、丁寧で高品質な仕事ができるプロに依頼することが大事です。
また、最近は市販のユニット化されたシート状のモザイクタイルもあることからDIYなどでも施工が可能です。しかし、安価な素材と簡易な施工が原因で、通常よりも劣化が早まるリスクもあるでしょう。DIYでは目地で失敗することもあります。
高級感のあるモザイクタイルのはずなのに、劣化がひどく美観が損なわれることは避けたいものですよね。
長く愛着を持って利用できるようにするには、やはりモザイクタイルの性質を熟知し、「耐久性の高い素材選び」と「丁寧な仕事」を全うできるプロの職人への依頼が必要です。
素材によっては滑りやすい
モザイクタイルは、水回りの壁面や玄関土間、外構などさまざまな場所に採用できます。ただ、場所ごとに求められる機能が変わってきます。
水回りなら「水汚れが付着しやすい」といった特徴からお手入れのしやすさだけを意識すればいいかもしれませんが、玄関土間などには“人が歩くこと”を想定した耐久性にも着目した素材選びが必要です。
滑りやすいモザイクタイルを選ぶと、安心して歩けなくなる恐れもあります。
モザイクタイルは、素地の違いで硬さや吸水性が変わってきます。
玄関土間には滑りにくい素地、外構には太陽光や雨風の刺激に耐えられるような素地…というように、使用する場所に応じて素材を適切に選択しなければいけません。
モザイクタイルの経験豊富な設計事務所なら、機能性の観点からの素材選びはもちろん、耐久性を高められる施工をすることができます。
モザイクタイルの魅⼒を⽣かした参會堂住宅事例3選
参會堂には、空間にモザイクタイルを取り入れた家づくりの施工事例が数多くございます。そんななかから、選りすぐりの3つの事例をご紹介していきます。
クラシカルなテラコッタタイルを採用した事例
クラシックな風合いのテラコッタタイルと優雅なデザインの室内扉、そしてモザイクタイルをバランス良く配置した施工事例です。
芸術的なモザイクタイルが空間に華やかさと、クラシックな雰囲気を追加しています。
淡い色のモザイクタイルを縦横に並べ、中央に幾何学的な要素を組み合わせて描いた放射状に広がる太陽のようなパターンが印象的となりました。
テラコッタタイルはヨーロッパデザインでよく使われる床材ですが、モザイクタイルを組み合わせることで個性溢れる空間作りが可能です。
黒、白、茶色のタイルを交互に配置することで、色のコントラストが絶妙に際立っています。
床材のなかでも“タイル”は表面に輝きをもたらし、多彩な表情を感じさせてくれる素材です。光が反射することで見られる輝きは、石が持つ、素材そのものの美しさを物語っています。
タイルの配置が生み出す立体感は、非常に魅力的です。
大きなタイルでは並べたときのデザインが“角”だけとなってしまうところ、細かなモザイクタイルだからこそ、円形や三角形、ひし形など絵画を描くような配置にできます。
私ども参會堂では独自のルートで本場海外のモザイクタイルを輸入しており、ワンランク上の空間作りが可能です。
芸術的なモザイクタイルを採用した事例
石材ブロックで構成された重厚感のある壁の一部に、芸術的に飾られたモザイクタイルです。ヨーロッパデザインの住宅では、素材をいくつか組み合わせることで装飾性を持たせる技法が採り入れられます。
石の独特の風合いにモザイクタイルが加わったことで立体感も叶えられ、まるで芸術作品のような印象となりました。
アンティーク調のブラケットライトと相まって、古代ヨーロッパのような美しくゴージャスな雰囲気を創り上げています。
ゴールドとブルーをベースにした色鮮やかなモザイクタイルを使い、円形やらせん状の模様を配置しました。優雅で華やかなゴールドに、爽やかでインパクトのあるブルーが混じり、動きのあるデザインとなっています。
らせん状の模様は繰り返しのパターンで対称性があり、秩序と調和を生み出した洗練された印象を与えてくれます。
規則的なデザインでありながらも、ひとつひとつ微妙に異なる表情が感じられる唯一無二の空間に仕上がりました。
八角系のモザイクタイルを採用した事例
八角形の形状をした“折り上げ天井”の立ち上がり部分にモザイクタイルがあしらわれた施工事例です。天井にある八角形、壁面にあるアーチ壁、窓枠の長方形とさまざまな形がバランスよく配置されています。
折り上げ天井は段差により立体感を生む技法ですが、モザイクタイルを部分的に施すことで一層デザイン性が高まりました。照明から放たれるオレンジがかった暖かみのある光が合うようにブラウン系のモザイクタイルを選んでいます。
天井のエッジ部分に配置されたタイルは、繊細で美しいパターンを形成。廊下などのスペースに視覚的なインパクトを与えるだけでなく、空間全体をより個性的で印象深いものにしています。
天井の中心に取り付けられた照明の光がタイルを照らし、その美しさをさらに引き立たせています。
折り上げられた部分にオレンジがかった光がほんのりと光り、ブラウン系の小さなタイルが生み出す陰影が幻想的な印象となりました。色彩のコントラストが空間全体にエレガントで洗練された雰囲気を加えています。
参會堂パートナーMEGARONについて
参會堂では質の高い“本物の素材”にこだわりぬいた家づくりのため、本場ヨーロッパにおける現地パートナーとのネットワークがございます。
モザイクタイルメーカー「MEGARON」は、創業1982年と長い歴史のあるメーカーで、本場ならではの優雅なデザインが特徴的。
モザイクタイルに使用している素材や加工方法も様々で、高品質な商品を展開しています。
参會堂のショールームには大理石やガラスなどの様々なタイルを展示しており、実際に手に取ってご覧いただくことも可能ですので、モザイクタイルを取り入れたいという方はお気軽にお問い合わせください。
細部にまでこだわった理想の住宅を⼿に⼊れよう
理想の住宅を手に入れるためには、細部にまでこだわりぬくことが大切です。
インパクトのあるデザイン、空間のアクセントにできるのがモザイクタイルの魅力です。浴室やキッチン、洗面室などさまざまな場所で取り入れることができます。
素材が持つ自然な輝きが空間に高級感をもたらし、複数の色を用いることで芸術的なデザインを叶えることが可能です。たとえ小さなスペースへの部分的な採用でも、華やかさやおしゃれな雰囲気へと誘います。
ただ、モザイクタイルの良さを引き出すには「品質の良い素材選び」と「空間全体のトータルコーディネート」が必要です。市販の大量生産された安価なモザイクタイルは、残念ながら理想の高級感は感じられない可能性もあります。海外デザインの高級感のある家づくりには、質感豊かな本物のタイル選びと熟練の職人による施工が欠かせないのです。
私ども参會堂は30年以上にわたって海外デザイン住宅を手掛けてまいりました。本場ヨーロッパのデザイナーやメーカーとの販路が確立しています。
耐久性・機能性の良さにこだわった品質の高い本物の素材選びにはじまり、モザイクタイルの美しさをもたらすデザイン力と設計力をご提供することが可能です。
ひとつひとつの建材に妥協せず、確かな設計力であなたの理想の家づくりをご提案いたします。
下記の画像から、外観やリビングなど、場所毎にまとめた参會堂のデザイン事例をご覧いただけます。是非チェックしてみてくださいね。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。