階段は上下の階をつなぐ役割を担っていて、2階建以上の住宅をつくる際でも「階段を設置するかどうか?」と確認することない程、その存在は住宅にとって当たり前となっています。
高さや幅などの機能的な面で着目することはあっても、住宅づくりをする際に階段のデザインにまでこだわる人は少なく、たくさんある住宅を構成する要素の中でも、階段の扱いはあまり重視されないものにもなっています。
単なる住宅づくりの際には、そのような考え方でもよいのかもしれません。
しかし、邸宅の場合には、外観や内装、インテリアにこだわるのと同じくらいに、階段のデザインにもこだわることが重要になってきます。
そうは言っても、邸宅の施工事例はあまり公開されていることがなく、特に内部にありニッチな存在であるデザイン性の高い階段に関しては、公開事例が極端に少なく、参考にすることが難しくなっています。
そのようなことから、自分のこだわりの住宅におしゃれで豪華な階段のデザインを取り入れたいと思っても、あきらめている方が多くなってしまっているのです。
今回は、邸宅を作る前に知っておきたい階段についての情報や、誰もが賞賛するようなおしゃれでデザイン性の高い階段の施工事例をお伝えしていきたいと思います。
階段の種類とデザインを構成する要素
様々な階段のデザインやテイスト、施工事例などを見て、自分好みの階段デザインのテイストを把握することは、自分の邸宅に理想の階段を取り入れる方法としてとても有効です。
しかし、今後建てる邸宅に理想の階段を設置するためには、階段の種類とデザインを構成する要素を知っておくことも重要になります。
階段の種類は大きく6つに分かれる
色々な種類の階段デザインが存在するけど、自分の理想の空間を叶える為の住宅に取り入れる階段の種類はどれがいいのかな…
そのようなお悩みを解決したい場合に、まず階段の種類を知ることが必要になってきます。
ひとくちに「階段」と言っても、階段の種類はたくさんあり、代表的な階段の種類としては次の6つが挙げられます。
直階段
階段が一直線に伸びている、もっともスタンダードなタイプで、どんなレイアウトやデザインにも、ピッタリとマッチします。
かね折れ階段
L字形階段ともいい、途中で L字形 に折れていて、折れ曲がることで直階段よりも狭いスペースに配置することができます。
折り返し階段
踊り場で「コ」の字に折り返す階段のことで、直階段よりもステップ数が多くなるので、勾配がなだらかになり安全性が増します。
中空き階段
折返し階段よりも踊り場数を多くして、ゆったりと昇り降りできるようにした階段で、蹴上を低めにすることができます。
らせん階段
柱を中心に曲線を描いた階段のことで、コンパクトなスペースに収まることや、高いインテリア性により、最近は人気のあるデザインになってきています。
カーブ階段
サーキュラー階段とも呼ばれ、昇降する途中に優美なカーブを描いている階段のことを言い、輸入住宅や洋風住宅によく見られます。
階段のデザインを構成する要素
さらに、「階段のデザインには様々な素材が使われているようだけど、選ぶのが難しそうだし、デザインのハードルが高そう…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
階段のデザインを構成する要素としては、手摺り・踏板・主柱・素材などがあります。
邸宅の内装に使用される素材と同様に、階段には天然木や天然石、アイアンなど、どんな素材でも使用することが可能です。
しかし、階段以外のインテリアや内装デザインと統一感を出せるデザインにしないと、邸宅のテイストに合わせることができなくなってしまいます。
ですから、階段以外のインテリアや内装デザインと統一感を出せるような階段のデザインを提案してくれる設計事務所の存在が必要になります。
数多くの邸宅の設計と施工を行ってきた参會堂は、階段はインテリアの一部であるとともに住宅の重要な要素であると考え、オーナー様が理想とするラグジュアリー感溢れる階段を提案することが可能なのです。
クラシックとモダン階段デザインの違い
建築様式には「モダン」と「クラシック」がありますが、階段にもそれらの建築様式に則ったデザインがあります。
モダンな階段デザインの特徴
モダニズム建築とは、ゴシック様式やバロック様式の装飾を一蹴し、新しい建築をつくろうという考え方で作られた建築のこと。
コンクリートや鉄、ガラスなどの工業製品を使って作られていることが、大きな特徴になりますが、日本の邸宅の場合は木造の「和モダン」住宅なども存在します。
クラッシック建築のデザインよりも、シンプルで直線的なデザインが多く、極限まで余計なものをそぎ落としたラインになっています。
なので、モダンな階段デザインには、「ストレート階段」「かね折れ階段」「折り返し階段」「中空き階段」などの、シャープでスタイリッシュなデザインが多くなっています。
クラシックな階段デザインの特徴
クラッシック建築とは、ルネサンス・バロック・ロココ調などのヨーロッパの古典様式を取り入れた、細部の凝った装飾や意匠が特徴の重厚で華やかなスタイルの建築のことです。
クラッシック建築は、天然木や天然石などを用いた濃い暗めの色調で、どっしりとした重厚感を感じさせます。
さらに、クラッシック建築の中には、白などの明るい外壁とアイアンのダークな色合いのコントラストの強い外観や開放的な構造が特徴の、ヨーロピアンスタイルも含まれます。
モダンなデザインに比べて、装飾的な部分が多いので暖かみのある雰囲気になり、重厚かつ格調のある雰囲気を醸し出します。
ですので、クラッシックなデザインの階段には、「カーブ階段」や「らせん階段」などの、荘厳で優美なデザインが多くなっています。
理想の階段づくりは好みのテイストを把握することから
このように、階段デザインは、大きく2つの種類に分けられます。
そして、理想の階段づくりの実現は、これらの種類の特徴を理解したうえで、好みのテイストを把握することから始まります。
自分自身がつくりたい階段はどちらの種類なのかを選ぶことで、理想の階段に対する大まかなイメージを心の中に持つことができます。
しかし、心の中にあるイメージを具体的なものにしていくには大変な労力が必要ですし、自分だけではくじけてしまう可能性が高く、理想の階段づくりを諦めてしまう原因にもなります。
ですので、失敗に陥らないようにするために、経験豊かな設計事務所の存在が欠かせません。
おしゃれすぎるデザイン階段の施工事例3選
次に参會堂が手掛けたおしゃれすぎるデザイン階段の施工事例を3つご紹介していきます。
クラッシックとモダンが融合したドラマチックな階段
邸宅のどこにいても家族の気配を感じられるようにしたいというオーナー様のご要望で、設置したリビング階段です。
お忙しい時間を送る毎日の中でも、家族の方々が玄関から個室までの間に必ず通るリビングに階段を設置することで、家族と顔を合わせやすくなりコミュニケーションの機会が増えます。
部屋全体が見える位置に設置した階段からは、たいせつなご家族がくつろぐ様子を見渡すことができ、忙しい毎日の中でも、ちょっとした安らぎの時間を得ることができます。
踏板や蹴込にはオイルステイン塗装を施してあるので、経年変化の味わいを感じることができ、家族が歴史を積み重ねるにつれて、階段も円熟の味わいを醸し出していきます。
白い壁の大きなアクセントになっている扉や重量感のあるソファーと、色の系統を合わせることで、壁や床の明るい色合いが多いにも関わらず、落ち着いた雰囲気を感じることができるように設計を行いました。
重量感を感じる天然木をメインとして使用するため、階段全体が重苦しい雰囲気になりすぎないよう、手摺の一部にはモダンさを感じられる素材であるアイアンを取り入れました。
アイアンという若々しく軽やかな印象を持つ異素材を、重厚な木材と組み合わせることで、手摺全体が軽やかなイメージになります。
さらに、ステップに明るさが加えられるので、足元が良く見えるようになり、安全性も向上するという効果を発揮します。
スターティングステップには、優美な曲線を描くリーフをデザインした、特注のアイアンモチーフを独立させて設置しました。
階段の手すりのデザインにも同じリーフのデザインを施し、スターティングステップで芽吹いた新しい命が、上に向かって勢いよく成長していく姿を表現しています。
異世界にいるようなワクワク感を感じられる宙に浮く階段
一見、どこにでもあるような階段のように見えますが、ちょっとした違和感があるのは、階段の片側に支えがないということからなのです。
踏板の片側だけを壁に固定して一段一段が宙に浮いているように見せるという「片持ち階段」を採用することで実現しているワザです。
日常生活の中に非日常を味わえる取り組みをしたいという、オーナー様の遊び心を実現し、SF映画に出てくる異世界にいるような、ちょっとしたワクワク感を味わうことができます。
階段の正面に設置した縦長で大きな2つの窓は中庭に面していて、階段にも自然光をふんだんに採り入れることができます。
天窓から差し込む日差しとも相まって、昼間の間は照明が必要ないほどの採光を得ることができ、自然光に包まれて階段の上り下りをすることが可能です。
ホワイトにまとめた室内同様、階段もホワイトで統一し、階段につく手摺も金属を使用してシンプルなデザインにしてあります。
一見寒々しい印象を与えがちなデザインですが、木のぬくもりを活かしたインテリアや調度品が、暖かい雰囲気を醸し出し、階段のシンプルさを際立たせる効果も発揮しています。
重厚感がありながらも軽やかさを感じられる階段
この階段で一番に目を引くのは、流れるように1階と2階とをつなぐ、優美な曲線のフォルムです。
この回り階段に合わせて壁にも曲線のデザインを施し、ホールの中央に配されたタイルのデザインとともに、円の丸みを強調したデザインに仕上げました。
円形状である様は、神秘的でミステリアスな印象を持たせる効果がある反面、人に穏やかな安心感を与えるという効果もあります。
自然光を充分に取り入れて明るさを確保している玄関ホールとは異なり、この階段には自然光は直接には差し込まず、必要十分な量の明るさを確保する照明器具しか設置していません。
この玄関ホールと階段の絶妙な光のコントラストが、ヨーロッパの歴史ある建築物を思い起こさせ、光と影の美しさを際立たせています。
踏板と蹴込のベースには床と同じ大理石を使用し、ファブリックを一部に取り入れることにより、温かみのある雰囲気をプラスしています。
さらに、階段をより一層美しく引き立たせるゴールドのステアロッドが、大理石とファブリックという異素材を結び付ける大きな役割を果たしています。
手摺には特注のデザインのアイアンを使用していますが、過剰過ぎないデザインと引き締めカラーのブラックが、この手摺のシンプルな上品さを際立たせています。
2階部分の手摺にも、階段と同様に開放感のあるアイアンのデザインを取り入れています。
シンプルな曲線たちが、2階部分にある意匠を凝らした円形の大きな窓の存在感を強調し、階段の物語性を際立たせる効果を発揮しています。
階段のデザインは空間のイメージを大きく変える
一般的な住宅の場合、階段はあくまでも住宅を構成する要素の一つでしかなく、安全性や実用性は重要視されますが、そのデザイン性については外装や内装ほど重要視されていません。
しかし、邸宅の場合は、階段に対する考え方がまったく違っているべきなのです。
安全性や実用性があることはもちろんですが、そのデザイン性は空間のイメージを大きく変えるほど重要なものになっているからなのです。
階段は住宅を構成する大きな要素
邸宅づくりをする際に階段のデザインを重視する人は多くないでしょうが、階段は家族全員が一日に何度も使用する、邸宅の中でも非常に使用頻度が高い場所になっています。
だからこそ、家族全員が安全安心に使えるという最低条件をクリアした上で、使用することが楽しくなるようなデザインの階段を作ることが必要になってくるのです。
さらに、視線を集めやすい箇所であるため、細やかな心配りをした階段のデザインは、訪れるお客様への最高のホスピタリティにもなります。
手を抜きがちな階段という要素にまで、細やかな心配りをできるということは、使う人に対するオーナー様の心配りにも通じるものがあり、大切なご家族や親しいお仲間の方々への最高のプレゼントでもあるのです。
階段を含めた統一感のある内装デザインが重要
本物の邸宅には、総合的なトータルコーディネートが不可欠となり、室内に関しては内装とインテリアのバランスが重要になってきます。
内装とインテリアを好みで選択することは簡単ですが、それらを安易に行ってしまうとデザインや素材のミスマッチを引き起こしやすく、統一感のない印象を与えてしまいます。
そして、階段にも同じようなことが当てはまり、統一感のある内装デザインにするためには、階段をインテリアの一部として考えることが重要になってくるのです。
統一感のない室内は、どことなく違和感のあるものになってしまい、オーナー様やそのご家族、そして訪れるお客様にとっても、心からくつろげる空間にはならないのです。
階段をそれ単体の存在として考えるのではなく、トータルバランスまで考えたデザインにすることで、室内を一枚の絵のような芸術作品に昇華させることができます。
参會堂ならあなたが理想とする階段をご提案可能
オーナー様が理想とするデザイン性の高い階段を、邸宅の間取りに合わせて配置することは、想像以上に難しいもので、トータルコーディネートを行うには邸宅と階段のデザインに精通したスペシャリストの存在が欠かせません。
ヨーロッパの建築様式を取り入れた邸宅の設計と施工を、30年に渡って行ってきた参會堂では、数多くの経験と実績から、オーナー様が理想とする階段を提案することが可能です。
これまでに確立してきたデザイン大国イタリアのパートナーとの繋がりにより、現地のデザイナーやコーディネーターとタッグを組み、ヨーロッパ風ではない本物のヨーロッパ住宅を提案します。
オーナー様が理想とする階段を実現するために、最高の建材を直輸入し使用する他、オーナー様のイメージぴったりの建材が既製品にない場合には、現地イタリアの工房でのオーダーメイドも可能です。
参會堂は、オーナー様の邸宅に関するご意見や利用シーン、好みのテイストなどについてじっくりとお話をお聞きします。
そして、そこから見えてくる邸宅や階段のイメージを具体的な形に落とし込み、オーナー様の理想の階段がある邸宅を具現化していきます。
ぜひ、わたしたちと一緒に、理想の階段がある唯一無二の邸宅づくりを始めていきましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。