クリニックを新しく開業したいと思ったときには、ご自宅を作るとき以上にお悩みになる先生方が多いのではないでしょうか。
「他のクリニックとは違う、内装やインテリアにもこだわったおしゃれで高級感のある唯一無二のクリニックをつくりたい」…「来訪される患者様や働くスタッフにも来ること自体を楽しみにしてもらえるようなクリニックにしたい」…
そう思ってはいても、具体的な実現の方法はなかなか分からないものですよね。
クリニックを設計する際には、満たすべき法的要件等や気をつけるべき点がありますが、いまいちよくわからない場合が多いものです。
さらに、一般的な個人の住宅と違って、ネット上で検索しても、おしゃれなクリニックの施工事例は少ないものです。
自分が理想しているようなクリニックを作り上げられる設計事務所を見つけ出せず、理想のクリニックづくりを諦めて、無難なクリニックに落ち着いてしまう場合も多いかもしれません。
しかし、おしゃれなクリニックを作る目的やメリット、作るときのポイントを押さえておけばきっと理想のクリニック作りを成功させることができます。
今回は、クリニックを作る前に知っておきたいポイント、そして、先生方の個性を感じられ、患者様方への想いも伝えられる、おしゃれなクリニックの施工事例をお伝えしていきます。
目次
クリニックの設計前に押さえておくべきポイントと注意点
クリニックの設計をする際には、デザインや内装などたくさんのことを決める必要が出てきますが、設計の前に押さえておかなければならないポイントや注意点がいくつかあります。
クリニックとなる建物は、病床の数によっては、一般建築物ではなくて建築基準法の「特殊建築物」に該当する場合があります。
特殊建築物は、建築するにあたって厳しい基準が設けられています。そして、その基準をクリアするためには、すべての条件を満たすような設計をしていかなければなりません。
特殊建築物の基準は非常に細かく設定されていて、その全てを把握することは難しくなっているので、まずは基本として知っておくべき基準についてご紹介していきます。
有床診療所と無床診療所における建築基準法の違いについて
クリニックは入院用ベッドである「病床」の数で、「病院」と「診療所」に分類されます。
20以上の病床があれば「病院」、19以下の病床であれば「診療所」という区分になります。
すべての「病院」の建物は、建築基準法上「特殊建築物」であることが必須となります。
特殊建築物とは、建築基準法で定められている、特殊な設備・構造を持った公共性の高い建物のことをさします。
「病院」は構造や設備が特殊であり、不特定多数の人々に利用されることから、立地条件や構造、さらに工事中の取扱いにまで厳しく義務が定められています。
しかし、「診療所」の場合は少し異なります。
病床が1つ以上ある診療所の建物は「特殊建築物」となりますが、病床がゼロの診療所ならば、「特殊建築物」ではなく「一般建築物」となり、建築の自由度が急激にアップします。
バリアフリー法と地方公共団体条例の規制
さらに、クリニック設計を開始しようとしたときには建築基準法だけを考えればよいのではなく、バリアフリー法や地方公共団体条例など、遵守すべき法令がたくさんあります。
これから建物を新築や増築、改築または用途変更をする場合には、バリアフリー法に基づいた設計を取り入れなければなりません。
バリアフリー法(バリアフリー新法)とは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の通称で、2006年に施行されました。
例えば、高齢者の方や障害者の方などで車椅子を必要とする方に向けて、車椅子などが通れる廊下幅があったりスロープが設置されていたりという「段差解消」が必要になります。
このような「段差解消」は、バリアフリー法によって定められている規定の一つとなります。
しかし、これよりも気を付けなければならないものが「まちづくり条例」です。
国が制定している「建築基準法」や「バリアフリー法」の内容は、どこの地域であっても違いはありませんが、条例は地方公共団体が制定しているものなので、まちづくり条例は地域ごとに内容が異なっています。
地域ごとで設定されているまちづくり条例は、バリアフリー法など他の法律と矛盾している場合もあるのでその都度確認が必要となります。
クリニック設計にかかわる構造設備等の基準
診療所としてクリニックを設計する場合でも、構造設備等の基準が重要になってきます。
代表的な基準は下記のようなものがあります。
・診療所がビル内にある場合は、ビルの階段や廊下等と明確に区画すること。
・居宅内に診療所を開設する場合、診療所と居宅の出入口は別に設置し、廊下等の共有がないように明確に区画すること。
・診察室や待合室、廊下はそれぞれ独立していること。
・診察室には給水設備があることが望ましい。
院内に薬剤を保管する際にも、医療法において各診療科目で定められた基準が存在します。
さらに、医療機器を院内に導入するにしても規定があるので、注意が必要です。
このように診療所であるクリニックを作る場合でも、建築基準法や各種条例での規制があり、煩雑な手続きが必要となります。
そして、これらの問題を解決するためには、専門家のアドバイスが必要になってくるのです。
快適なクリニックに求められる内装設計の重要性
「人は見た目が9割」などと言われますが、視覚から入る情報は、ファーストインプレッションに大きな影響を与えます。
同等の内容とレベルの診療を行っているとしたら、外観や内装が優れていて清潔感のあるクリニックが選択されることは間違いありません。
「細部までこだわった快適な建物を作る」という心遣いができるようなクリニックならば、「患者に対しても細やかな心遣いをしてくれるに違いない」と判断されるからです。
洗練されたクリニックの外観や内装は、クリニックのイメージアップに大きな効果を発揮します。そして、細部までの徹底的なこだわりは、クリニックのブランディングとなり、集客や患者様への安心感に結び付いていくのです。
しかし、おしゃれな外観や内装に仕上がったクリニックでも、実用性に欠けると本来の業務に支障をきたしてしまいます。
そこで、おしゃれな外観や内装で患者様に快適に過ごしていただけながらも、実用性を高められるクリニックであるためのポイントをいくつか挙げてみました。
業務効率のバランス
クリニックの一番大切な目的は、高度な診療を患者様に提供することです。
そして、ドクターの技能を最大限に発揮させる診療を行うには、関係する全スタッフの高レベルな補助が必要不可欠になります。
患者様に快適性や安心感を提供できる外観や内装はもちろん大切ですが、スタッフがストレスを感じないような使い勝手や動線を考えた配置や設計が非常に大切になってきます。
衛生管理の必要性
クリニックは患者様の健康に関わる非常に大切な場所なので、患者様はクリニックに来院する際には、清潔感を重視しています。
外観や内装がおしゃれで優美でも、衛生管理に問題があったり掃除がしにくくなっているような内装になっていると、クリニックのイメージダウンにもつながり、患者様に不信感を与えてしまうことになってしまいます。
プライバシー管理の重要性
患者様が抱える症状はどんなものであっても、患者さまにとってはデリケートな問題です。
それぞれの患者さまに寄り添ったプライベートでプライバシー保護がしっかりとできる内装が、クリニックの付加価値となります。
個人情報保護が徹底できるような内装の設計や、診療中のプライバシーを遵守できる、防音設備や広さなどを考慮する必要があります。
診察室は「必ず守らなければならないもの」と「設置が望ましい」とされるものがあります。
おしゃれと実用性の両立を図る内装にすることは難しいことですが、やはりどの規定もクリアすることが患者様への安心感につながるのでクリアする必要があります。
そのスペースをどのように使いたいかを明確にしてから、設計タイプを考えるようにしましょう。
“病院らしくない”高級感溢れる施工事例3選
次に、参會堂がこれまで手掛けたおしゃれなクリニックの施工事例を3つご紹介していきます。
高級リゾートのラウンジを彷彿させる待合室
「高級リゾートのラウンジのように患者様をリラックスさせられる空間がほしい」という先生のご要望で完成したのが、こちらの待合室です。
壁のカラーは眩いばかりのホワイトですが、落ち着いた風合いの床材とブラックで統一したテーブルや椅子の効果で、無機質さを感じないラグジュアリー感に溢れた空間に仕上げました。
さらに、所々に取り入れられたゴールドのカラーがアクセントとなり、広い空間に引き締まり効果と高級感を与えます。
ファーストクラスの座席を思わせるようなパーソナルチェアは、患者様にここが待合室だということを忘れさせ、いつまでも座っていたいという感覚にさせます。
大きめの窓には重厚感がある落ち着いた風合いのカーテンを吊るし、パーソナルチェアの置き場とマッチさせることで、プライベート感満載のスペースにしました。
受付カウンターは高級ホテルの会員制ラウンジ風にすることで、高級感を加味して非日常性を楽しんでいただけるようにしました。
クリニックならではの照明は清潔感や明るさをアピールできますが、捉えようによっては事務的で無機質なものになってしまいます。
壁や床の色を明るく単調なものにしてしまうと、いかにも病院という温かみのなさを感じさせてしまうのです。そうならないためにも、白を採用している広い壁には、大きめのグレーの情報ボードを設置しています。
それがアクセントになることで、天井からの照明の反射を抑えることができ、患者様のストレスを軽減する役割を担っています。
さらに、温かみを感じさせる木目調の壁材を使用している受付カウンターの内部は、照明の色も温かみのあるカラーにしました。
親近感をアピールすることで、初めていらっしゃる患者様であってもアットホームな雰囲気でお出迎えできます。
また、床の配色にも落ち着いた色合いを部分的に取り入れることで、単調さからの脱却とラグジュアリー感の演出を行っています。
まるで自宅にいるような居心地の良い診察室
「ご自宅で治療をうけているように患者様にリラックスしてほしい」という先生のご希望から、圧迫感や閉塞感を感じさせない診察室を目指して、暖かみがあり、親しみやすいクラッシックな空間を設計しました。
明るく開放感に溢れた空間にするため、内装は明るめの色で統一し、開口部を多く設けています。天井にも意匠を凝らし、ヨーロッパの邸宅を思わせるデザインを採用しています。
その天井から吊るされる、センスと品の良さを感じさせる豪華すぎないアイアン使いのシャンデリアは、階段の手すりのアイアンとの統一性を計算して設置しました。
多くのクリニックではロールスクリーンやブラインドが主流になっていますが、このクリニックでは、レースカーテンや重厚なゴシック様式のカーテンを用いました。
このことが「病院らしくないクリニック」を強調させ、座り心地のよい椅子とも相まって、「もっと滞在したい」「また来院したい」という患者様の欲求を引き起こさせることができます。
診察室は、採光を重視して大きめの窓を可能な限り多く設置しています。
診療に必要な明るさは人工の照明でも十分すぎるほど確保できますが、診療中の患者様の恐怖心を少しでも取り除けになるように、敢えて温かみのある自然の明るさにこだわりました。
患者様が診療中に目にする範囲の窓枠やブラインドには、性別や世代に関係なく誰からも好まれるナチュラルカラーを取り入れ、居心地の良さを醸し出させました。
広い面積を占める床に関しても木目調のデザインを採用し、自然の中にゆったりといるような気持ちで、リラックスして欲しいという想いをアピールしました。
女性をお姫様気分にさせてくれる複合型施設
「マタニティヨガや産後ヨガ、母親学級も行える複合施設のようなクリニックにしたい」という先生のご要望で、女性の方が落ち着いてリラックスできる空間に仕上げました。
女性がターゲットとなるため、「高級感」「ラグジュアリー感」「上質感」など、女性が好む要素を充分に取り入れた受付にしました。
高級ホテルのフロントを思わせるような上品な受付カウンターは、訪れる患者様や利用者様に満足感を与え、上質なホスピタリティを期待させる効果があります。
単調になりがちな大きな白い壁ですが、ブラックの太い柱が、空間を引き締める効果を発揮させ、滞在する方々に安心感を与えてくれます。
クリスタルのシャンデリアは部屋中に優美な光を放つとともに、天井にも反映し、豊かな芸術作品を描き出しています。
華美でありすぎないシャンデリアと床の落ち着いたカラーが、お姫様気分を味合わせつつも、子どもっぽくなり過ぎない大人の上質さをアピールしてくれています。
マタニティヨガや産後ヨガ、母親学級などを行うスペースは、温かみと解放感にこだわり、自然の光を思い切り取り入れられるように、壁一面に可能な限り大きな窓を設置しました。
直射日光が入ってきたときでも眩しすぎないように、床の色はダークな色合いにしていますが、その色合いも温かみのある落ち着いた風合いを醸し出す効果があります。
さらに、利用する方に最大限のリラックス効果を得てもらうために、照明にも温かみのある電球色を使用し、ユニークなドーナツ型の照明器具を採用しています。
明るく単調な壁面カラーは患者様に緊張感を与えてしまうため、大き目のモチーフを取り入れた温かみのあるデザインにしました。
横からライトで照らし出されることで、より一層温かみがアピールできて、患者様の気持ちを和ませる効果が倍増します。
「クリニックに来るということで、忙しい日常や子育てからほっと解放されて、リラックスした時間を過ごしてもらいたい」というスタッフの心遣いを表現できています。
求められる機能性とデザイン性を実現する参會堂のクリニック設計
クリニックの設計になると、空調設備での特殊なノウハウが必要になったり、設備設計においても、一般とは全く違った部分が沢山あり、デザイン性を重視することに重点を置けなくなったりする場合が多くなります。
患者様が不安を抱くことなく医療を受けられる為の空間設計
しかし、無機質なエントランスや機能性だけにこだわった待合室、そんな「病院らしいクリニック」は、無条件に患者様に恐怖心や不安感を与えてしまいます。
もちろん医療機器や空調の配置、働くスタッフの効率に配慮した動線、患者様のプライバシーを保護する工夫など、クリニックに求められる様々な要素を考慮することは当然のことです。
そんな当たり前のことをクリアした上で、照明や意匠まで緻密にプランニングし、患者様が不安を抱くことなく医療を受けられる為の空間設計を行うことで、“病院らしくないクリニック”を作り上げることができます。
デザイン性と高級感を高めた建物にすることで、行くこと自体が楽しみになる、身体も心も癒されるクリニックが完成するのです。
クリニックに行くことが楽しみになるデザイン性と高級感
さらに、個性溢れる高級感に満ちた外観や内装は、先生方を含めクリニック自体の個性の表現方法として非常に有効となり、クリニックをブランディングすることができます。
とくに、“高級感”という一般的にクリニックに求められることが少ない点を重視することは、クリニックの価値を向上させるための重要な役割を担っています。
高級という満足感を与えられる建物の存在が、患者さまの満足を得ることにつながり、クリニックの価値を向上させていくからです。
利用される患者様の「クリニックにも高級なものを求めたい」という気持ちを満たすためには、個性溢れる高級感に満ちた外観や内装が必要になります。
高級で上質な空間で過ごす時間は、クリニックであるということさえ忘れさせ、シンプルに感情を揺さぶり、そこにいるだけで精神的な満足感を与えることができます。
利用する患者さまの『他のクリニックとは違うということで得られる優越感』や『上質な空間で過ごすことでの満足感』を満たすことも、クリニックの新しい付加価値になるのです。
参會堂のクリニック設計は、その付加価値を、先生方のクリニックの建物に与えられます。
安らぎとホスピタリティに満ち溢れた参會堂のクリニック設計は、患者様を想う心に満ち溢れた、居心地のよい唯一無二のクリニックを創り上げることが可能なのです。
経験豊富な参會堂だからこそ提案可能な唯一無二のクリニック
数多くのクリニックの設計に携わってきた参會堂は、これまでに行ってきたクリニックの設計から多くのノウハウを培ってきました。
さらに、高級住宅を30年以上手がけてきたからこそ、高級志向の患者様に満足してもらえるような意匠のご提案が可能で、内装やインテリアにもこだわった洗練された空間を作りながらも、クリニック本来の機能を最大限に効率化できる設計が行えます。
クリニック設計の豊富な経験と長年にわたり、高級住宅を作り上げてきた実績の両方を持っている参會堂だからこそ、唯一無二のクリニックの提案が可能になってくるのです。
参會堂は、先生方のこだわりや想いを形にし、より高いクオリティーのクリニックをたくさん作り上げてきました。
参會堂は、先生方のクリニックに対する熱い思いをじゅうぶんにお聞きします。
まだしっかりとした形になっていなくても、全く問題はありません。先生方のお気持ちにしっかりと寄り添い、先生方の想いからクリニックを具現化していくことが私たちの仕事だからです。
参會堂なら、先生方が理想とするおしゃれで機能的なクリニックのご提案が可能です。
ぜひ、わたしたちと一緒に、先生方が理想とする、高級感とオリジナリティーが溢れるクリニックを作っていきましょう。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。