いくら外観で豪邸のような存在感があっても、毎日の暮らしに直結するダイニングがシンプルなものでは全体的な調和がとれず、豪邸の品格さえもなくなってしまいます。
豪邸のダイニングは、高級感のあるデザインや装飾、質の良い素材などを使いながら、ほかの部分とのトータルコーディネートで建てられるべきです。
高級感のあるダイニングでの食事は日々の暮らしを豊かなものにしてくれます。
ただ、「高級感のあるダイニングにしたい」という理想を抱きながらも、「豪邸らしくするとは?」と特徴がよく分からずにご不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
豪邸でダイニングを作るときは、豪華で華やいだデザインを駆使することはもちろん、機能性も備えた設計力も重要となってきます。
私ども参會堂はこれまでにたくさんの豪邸を手掛けてまいりました。
そこで、今回は、高級感のあるダイニングの施工事例とともに、こだわりの詰まったダイニングを実現するためのポイントを詳しく解説してまいります。
目次
ダイニングのレイアウトは大きく2つ
ダイニングのレイアウトは、大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれについて、特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
リビングと同じ空間にあるタイプ
まず、リビングと同じ空間にダイニングがあるタイプについてです。
メリット①空間を広く取れる
「食事のためのダイニング」と「くつろぐためのリビング」を一体化するため、多目的な要素を詰め込んだ広い空間にすることができます。
“ダイニングだけ”の場合よりも、リビングと一体にすることで広い空間作りが可能です。
メリット②開放感がある
「食事をするスペース」としてダイニング側にはダイニングセット、「ゆっくりするためのスペース」としてリビング側にはソファというように、目的に応じた家具を配置するのが基本です。それにより、空間が同じでもしっかりとゾーニングをすることができます。
リビングとダイニングが同じ空間の場合、目的に応じて区切を設けつつも、空間が繋がっているため開放感のあるダイニングが叶うでしょう。
メリット③家族とコミュニケーションが取りやすい
家族といえども日々の時間帯は異なることは多々あり、同じ家に住みながらも食事の時間がずれるケースもあるでしょう。
リビングと同空間にダイニングを作ることで、「ダイニングで食事をしている人」と「リビングでリラックスしている人」との隔たりがなくなり、コミュニケーションが取りやすくなります。
デメリット①食事や調理の匂いと音がリビングに届く
空間が繋がることで、キッチンでの調理中、出来上がった料理を食事中の“匂い”がリビングにまで漂ってしまう間取りとなってしまいます。
時間差で食事をする家族がいる場合、リビングでリラックスしている人のもとへと食事の匂いが漂ってしまうでしょう。
また、調理中の音、食事中の音もリビングに届きます。まったく気にならない人はデメリットにさえ感じないかもしれませんが、人によっては“気になるポイント”となるかもしれません。
リビングと別の空間にあるタイプ
次は、リビングと別の空間にあるタイプのダイニングについてです。
メリット①食事や調理の匂いがリビングに届かない
空間が別になっている場合、リビングにいてもダイニングの食事や調理中の匂いがすることはありません。
肉や魚を焼いても、煙・匂いがリビングへと充満せずに済む間取りとなります。
メリット②食事に集中できる
リビングと同じ空間の場合、どうしても食事中に“リビング側”が視界に入ります。
- テレビを見ながら食事をしてしまう
- リビングにいる家族と話し過ぎて食事が進まない
といった問題点も出てくるでしょう。
そうなると、食事よりも、テレビや会話が主となってしまい、“ながら”での食事となる恐れもあります。
ダイニングとリビングを別空間にすれば、“食事だけ”を純粋に楽しめる環境にできます。
美味しい食事を家族と共に。
ダイニングをリビングから離すことで、毎日の食事を充実した時間にすることも可能です。
デメリット①各空間が狭くなってしまう
リビングとダイニングを一体化する場合、多目的で空間を共有しながら過ごすことができます。しかし、それぞれを独立させるには、「くつろぐリビング」と「食事をするダイニング」の理想的な広さを設ける必要があります。
「食事をするだけだから…」と狭いスペースにしてしまうと、圧迫感のある居心地の悪さにもつながってしまうため注意が必要です。
デメリット②家族とコミュニケーションが取りづらい
食事に集中できるというメリットの反面、リビングが離れるため家族とのコミュニケーションが確保できない問題点もあります。完全に“壁”を設けて個々の空間作りをしている場合は、用事があるときに不便を感じやすくなるでしょう。
一方で、通路を設けて明確な分け方をしないことで、コミュニケーションも取りやすくできます。
リビングとは別空間にしたいけれどある程度繋がりを確保したい…、といった希望があるときは緩やかに区切られるような間取り設計のできる会社に依頼することが大事です。
高級感のあるダイニングを実現するには
高級感溢れる佇まいのダイニングを実現するには、細やかな配慮による設計とデザイン性、素材などへのこだわりが求められます。特に重要なポイントをご紹介いたします。
ゆとりを持った空間設計が必要
まず大切なのがゆとりを持った空間設計です。
ダイニングとは、キッチンで作られた食べ物を食べるための場所。使う目的はとてもシンプルですが、日々の暮らしのなかでも重要な“食事”というシーンを窮屈な気持ちで過ごさないような配慮が欠かせません。
高級感のあるダイニングを実現するには、スペースが狭いことによる“暗さ”や“圧迫感”は大敵です。
「テーブルと椅子を置いて食事をするだけ」とならないように、ゆとりを持った空間設計が必要です。
また、長く住むことを想定し、将来的な用途も想定した設計が求められます。
住む人の現時点でのライフスタイルを反映させるべきなのは言うまでもありません。ただ、長い人生のなか、ダイニングを使う目的が大人数での食事となる可能性も加味しておくことも大切です。
食事をとることはもちろん、来客の際にお茶を飲む場として、家族がノートパソコンを広げて作業ができる場として…。
十分なスペースでゆとりをもって設計できれば、今後、ライフスタイルが変わった際にも、多目的に使えるダイニングにできるでしょう。
採用する家具にこだわりを持つ
豪邸の高級感のあるデザインに調和する、美しい形で作られた品質の良い家具を置くことが大切です。
ダイニングテーブルやダイニングチェアにこだわることで空間の印象が大きく変わります。
空間への影響が最も大きいのが“素材”です。
よくある失敗は、見た目を模した「木目調」や「大理石調」など安価な家具を置いてしまうことです。
人工的な素材は耐久性があまりなく、傷つきやすく、脆いという特徴があります。初めこそ、新しさが感じられるものの、すぐに使用感が出てしまい、せっかくの豪邸のダイニングの雰囲気を損なわせてしまう可能性があります。
また、安価な家具は重量がなく、動作のたびに床から動いてずれてしまうかもしれません。
安定感のある、本物のラグジュアリー感のある素材にこだわりましょう。
木製や大理石といった、“天然素材”が奏でる美しさは別格です。
使い続けることで古くはなりますが、「経年劣化」というより、時を経てプラスされる“味わい深さ”が魅力となるでしょう。
また、高級感のあるダイニングでは、無垢材によるダイニングテーブルやダイニングチェアを選ぶ方も多いです。
天然の木材は、色味の違いこそあるものの、“温かさ”が感じられます。食事という日々のシーンを和やかで温かみのある、豊かな時間にしてくれるでしょう。
デザイン性だけでなく機能性も考える
豪邸でダイニングを設計する際、高級感を意識するあまり「豪華であるべき」とデザイン性を重んじてしまうかもしれません。
特別感のある素材や装飾性の高いインテリアをとにかく取り入れることで高級感は演出できるでしょう。
ただ、高級感のあるデザインとインテリアをむやみに並べただけでは、「豪邸らしさの演出」だけにとどまり、機能性がともなわない可能性があります。
逆に機能性を重視するあまりデザインがありきたりなものとなると、豪邸のダイニングとしての品格が感じられないでしょう。
高級感のあるダイニングは、デザイン性と機能性を両立させてこそ、豊かな暮らしへと繋がるのです。どちらか一方だけでは快適な暮らしは実現できません。
高級感のなかにも、日々の生活動線の良さや、掃除・メンテナンスのしやすさの実用性も兼ね備えるためのバランスが確保された設計・デザインが重要です。
豪邸のダイニングは、キッチンやリビングとの繋がり方を全体的に把握しながら、デザイン性と機能性を兼ね備えた設計をしましょう。
憧れの空間を実現した豪邸のダイニング事例4選
参會堂は、お客様が抱く豪邸への憧れる想いを共に描き上げてまいりました。
数々の豪邸を手掛けたなかから、お客様の憧れの空間を実現したダイニング事例を4つご紹介させていただきます。
開放的かつ上品な雰囲気のダイニング
南側のバルコニーに面したキッチンと一体となったダイニングです。スペースを広めに確保し、家具がゆったりと配置されています。全体的に開放的で上品な雰囲気です。
ダイニングテーブルとダイニングチェアには天然木の素材を選び、高級感と重厚感を演出。味わい深さが感じられる深みのあるダークブラウン色、そしてねじりやアーチ、繊細な彫刻が施されたデザイン性の高さ。そこにあるだけで絵になる、美しい家具です。
お部屋全体とのトータルコーディネートを意識した色・素材選びと、バランスのよい配置により、空間全体にまとまりが感じられます。
キッチンには大型のパントリーを併設しました。これにより、キッチン側に吊戸を設置しなくてもよく、ダイニング側からキッチン側への圧迫感がありません。
内装の“白”や、大きな窓から差し込む光も相まって、明るく広々した雰囲気のダイニングとなりました。
作業効率とデザイン性にこだわったダイニング
アイランドキッチンを中心とし、作業の動線の良さにこだわったキッチン、そしてその延長線上にあるダイニングルームです。
キッチン上部、ダイニング上部を折り上げ天井とし、シャンデリアを配置しました。シャンデリアは存在するだけでデザイン性を高められる照明です。しかし、どんな家にもマッチするわけではありません。
豪邸と呼ぶに相応しい空間だからこそ、シャンデリアが映えるのです。
折り上げ天井は、フラットな天井よりも意匠性が高く、立体感と重厚感に包まれた空間になります。立体的なデザインで陰影が生まれる折り上げ天井は、豪邸のダイニングルームに溶け込んでいます。
全体的に白を基調とした内装に、光輝く大理石の床。シンプルなデザインでありながら、本物にこだわった素材により、豪華なダイニングとなりました。
吊戸棚には格子状のガラス、戸棚やキッチン扉には金色の取っ手など、色調や家具の雰囲気に統一感を持たせて、すっきりと見えるようにカラーコーディネートされています。
リゾートの雰囲気を存分に感じられるダイニング
漆喰の塗り壁と木目の窓枠、アイアンの装飾などにより、リゾート感のあるダイニングルームとなりました。
アンティークな雰囲気を演出するデザイン性の高いアイアンのカーテンレールは、豪邸のダイニングを彩るアクセントにもなってくれます。
ダイニングテーブル上部には5灯シャンデリアを設置しました。ガラスの形こそシンプルですが、アイアンの緩やかな曲線で描かれた上品でお洒落なデザインです。
ダイニングに座ると、中庭の中心的存在のシンボルツリーが窓の正面に見えます。広々とした庭の景色を屋内に取り込むように、観葉植物を部屋中に配置しました。
垂れ下がるような細長い葉、深い緑色の葉。こちらのお住まいの高級感あふれるダイニングに合った、シックな印象の植物です。観葉植物は、葉の形や色味で空間の雰囲気を変えてくれる存在です。
このままテラスに出られるような設計で、テラスに設置されたテーブルでの食事も可能です。
ボウウィンドゥが優雅な曲線を描くダイニング
タイル貼りのテラスに面した「ボウウィンドゥ」が優雅な曲線を描くダイニングルームです。
ボウウィンドゥとは建物から張り出した出窓のひとつで、複数のガラスを「bow(弓)」のようにカーブして設置されたもの。アーチを描くような柔らかな曲線により、豪華で気品のある空間となりました。
ボウウィンドゥの曲線とリンクするように、緩やかなカーブを描いたデザインのダイニングテーブルを設置。2つの曲線の絶妙なバランスがさらなる高級感を演出してくれています。
窓枠とダイニングセット、グラスを収納するカップボードには深みのあるダークブラウンを選びました。ダークブラウン色は重厚感と高級感をもたらす色彩で、ダイニングルームに気品を添えてくれています。
テラスは建物に囲われていて、外からの目線を遮る設計になっています。
常にカーテンを閉めずとも過ごせる空間で、窓からの光とシャンデリアの煌びやかな光沢も相まって、開放的で快適なダイニングルームとなりました。
ダイニングにもこだわった住宅を手に入れよう
豪邸と呼ぶに相応しい住宅は、周囲から見ても圧倒的な存在感を放つものです。
ただ、実際に日々の生活と密接に関わるダイニングが簡素となってしまうと全体的な調和がなくなり残念な家づくりとなるかもしれません。
ダイニングにも“豪邸らしさ”を備えた住宅を作ることが大事です。
毎日使用するダイニングにこそこだわりを
ダイニングは家族が食事をする住宅でも重要な場所です。
「テーブルと椅子があればいい」というシンプルな造りではなく、その空間に佇むだけで“非日常”が感じられるよう、居心地の良い特別な場所にしましょう。
そのためには、ゆとりのある設計や素材へのこだわり、設置する家具のデザイン性、空間の機能性なども含めた演出力も問われます。
これから長きにわたって使い続けるダイニングです。
どんな使い方をしたいか、豪邸のダイニングに溢れる想いを描きながら、こだわった空間作りをしてまいりましょう。
トータルコーディネートで快適な空間を実現
ダイニングという空間は“食事をすること”がメインの目的ですが、それを満たすためだけにしては面白みがありません。
“ダイニング”という場所がそこにあるだけで絵になるよう、装飾性にもこだわりましょう。
折り上げ天井など凝ったデザインの天井、インテリアとしても効果的な煌びやかなシャンデリア、壁面に施されたモールディング装飾、光沢のある美しさを持つ大理石の床、素材に繊細な装飾をもたせたアンティークな木製家具…。
豪邸ならではの装飾やデザインを多用しつつも、キッチンやリビングとのトータルコーディネートを意識することで、インテリアとしても満足できると同時に豊かな暮らしへとつながります。
デザインと機能性を両立する参會堂の住宅設計
経験豊富な参會堂なら、デザインと機能性を両立した理想的な内装が実現できます。
豪邸の高級感のあるダイニングを叶えるためには、暮らす人の“想い”を形にできる設計者の手腕が大きな鍵となってきます。
私どもが家づくりにおいて大切にしているのは、オーナー様とのコミュニケーションです。オーナー様が思い描く理想に耳を傾けじっくり聞き、その対話のなかで私ども設計者の経験と知識からの観点で提案する…。参會堂は、そんなコミュニケーションのなかから私どもの設計力やデザイン力をプラスして、お客様の理想像に近づけてまいります。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。