注文住宅では、自分好みのテイストの空間に仕上げるために細部にこだわりたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
天井デザインは、お部屋の素敵なインテリアに彩を添える重要な部分。人とは違ったオリジナリティを追求して満足度の高い家づくりをしたいものですよね。
ただ、その一方で、「自分が思い描く空間はどんな天井デザインにしたらいいのか分からない…」「個性的な天井デザインにしたいものの、天井の種類の違いを把握するのが難しそう」「デザインを重視して快適性がなくなったら困る」など、天井デザインに迷いや不安がある方もいるかもしれません。
天井デザインは、インテリアの一部として重要な部分です。
今回の記事では、参會堂がこれまで手掛けた素敵な天井デザインの施工事例とともに、天井デザインにおいて心得ておきたいポイントをご紹介していきます。
目次
天井の種類とそれぞれの特徴
天井には、いくつかの種類があります。家づくりのときの事前知識として「天井の種類」を詳しく知っている人はそれほど多くはないかもしれません。
お部屋の印象を左右する重要な部分ですから、代表的なものをおさえておきましょう。
3つの代表的な天井の形状と特徴とは
平天井
床に対して水平な天井を「平天井」と言います。
天井の種類のなかでも最もスタンダードな種類です。昔も今も、多くのお住まいで平天井が主流となっています。
平天井のメリットは、和室でも洋室でもどんな部屋でも違和感なくマッチするデザインということでしょう。
注文住宅を建てるとき、天井に特に希望がなければ、床に対して水平な平天井になります。
勾配天井
床から見て傾斜がついている天井を「勾配天井」と言います。
屋根の形状を利用したデザインですから、「上階に部屋のない1階部分」、もしくは「2階部分」に作られます。
通常であれば屋根裏空間となっている部分が部屋になるため、天井高が高くなるのが特徴です。
お部屋の空間が広くなるため、上方に窓を設けると空気の循環もよくなり換気しやすいでしょう。圧迫感がない、開放的な空間は、吹き抜けに近い印象となります。
折り上げ天井
天井の中央が周りと比べて一段高い位置となったものを「折り上げ天井」と言います。天井そのものに凹凸ができ、一般的な平天井よりも奥行のある空間となるでしょう。
また、照明によって立体感を作り出すことができるのも特徴です。
一段高い位置に主照明、さらに周辺に間接照明を散りばめて設置することで部屋の印象がかなり変わります。
天井の種類で部屋の印象は大きく変わる
お家のなかのすべてのデザインがすでに決まっている建売住宅の場合、住まう人の細かなこだわりを反映させることが難しいですよね。
そのため、「自分好みの家づくりをしたい」と思う人は、注文住宅で家を建てることになるかと思います。
ただ、家づくりの打ち合わせは多岐にわたるため、「キッチンや浴室はどんなデザインにしょうか」「床材や壁紙はこんな素材にしたい」など、設備や床材・壁紙に重点を置くケースもあるのではないでしょうか。
天井にはそれほどこだわりがないという方もいらっしゃるかもしれません。床や壁と違い、天井は上を見上げないかぎり視界に入らないという意見も少なからずあります。
しかし、扉を開けたとき、ソファーに座ったとき、キッチンからリビングを見渡したとき…など、実は常に目に入っている部分なのです。
また、素材や色を変えるのもデザインのひとつです。
たとえば、ひとくちに「平天井」と言っても、升目のように縦横に木材を組んだ“格天井(ごうてんじょう)”は、格式高い和風の家で伝統的に取り入れられていたデザインでした。縦横に織りなす木材の表情は、平坦な素材とは違った空間となるでしょう。
天井は、床から壁、壁から天井へというように、繫がっています。
「床・壁・天井」とすべてが同じ素材となっている空間と、天井や壁にデザインをつけてメリハリをもたせた空間では、見る人が受ける印象もだいぶ変わるのです。
天井のデザインが空間に与える効果とは
アパートやマンションは、初期コストをおさえるために白い平面の天井のケースがほとんどです。
また、注文住宅で内装のデザインや色を決めるときも、天井はそれほど意識せず「白い平面が無難」という一方で、「壁や床はこだわりたい」という方は多いのではないでしょうか。そういった背景もあり、天井は白い平面のデザインが当たり前とされがちです。
ただ、それなりに面積の広い天井を“白・平面”にするのは、どこの家でも見るようなありふれた一面にしかなりません。
天井は、何気ない日常でわざわざ意識して見上げることが少ないかもしれませんが、いつも視界の片隅に入り、空間の一部として認識されている箇所。そこで、白くて当たり前という天井のデザインにこだわればワンランク上の住宅になるのです。
たとえば、天井を白で統一するにしても装飾やアクセントの工夫をするだけで、光による陰影が生まれて立体感や高級感まで表現できるでしょう。
また、白い天井に別素材を加えたり、豪華な照明を設置して特別感を演出することも可能です。
海外の美しい建築物を見ると、思わず見上げたくなるような凝ったデザインが天井に施されていることに気づきます。空間をおしゃれにしたいときは、床や壁と同じように天井にもこだわった設計が重要です。
天井デザインで失敗しない為のポイント
次に、天井デザインにおいて失敗しないためのポイントを見ていきましょう。
種類や色だけでなく使用する素材にもこだわりを
天井の種類や色合いで雰囲気がかなり変わるのはもちろんですが、使用する素材にも目を向けましょう。
たとえば、壁と天井に「同じ素材・同じ色」を使った場合、仕上がりはとてもシンプルです。
一方、天井の素材にこだわることで、お部屋の印象がまったく違ったものとなります。さまざまな箇所にこだわって個性を演出できるのは、注文住宅だからこそです。
ぜひ、素材の違いや仕上げにこだわって、天井デザインに個性を表現してみましょう。
たとえば、天然の素材を天井に施すと空間全体に“温かさ”がプラスされます。クロス仕上げと比べると、素材の風合を楽しめる空間となるでしょう。
また、本来天井に隠されているはずの梁をデザインの一部として露出して仕上げることもできます。勾配天井のように、屋根の傾斜をデザインとして見せると空間の印象がかなり変わります。
壁面と同じ素材でモールディング装飾を施して、個性を演出することもできます。
素材が持つ独自の風合いや、装飾を施すことで、華やかさや高級感をプラスすることができるでしょう。
照明・壁・床までを考えたトータルコーディネート
室内の印象を決定づける要素は「天井」「壁」「床」です。
このうち、壁や床は家具などのインテリアに隠れてしまう部分が出てきます。
一方、天井には何かによって隠される部分がまったくなく、何かしらのデザインを施すことで、それがそのままの状態で空間を彩ってくれる部材と言えるでしょう。
ただ、注意したいのは、照明や壁、床までを考えたトータルコーディネートをしなければならないということです。
たとえば、空間全体を照らす「照明」。
一般的なシーリングライトのほか、間接照明、シャンデリア、ダウンライト、スポットライトなどたくさんの種類があります。
吹き抜け天井にした場合は、壁や床などの下方に向ける光に加え、上方の天井側にも広がるような照明の種類や取り付け方などを考えなくてはなりません。
また、床素材や色を考えながら天井デザインを決めることで、全体的に調和のとれた空間へと仕上がります。
参會堂は、お客様のご要望をお聞きしながら、全体的に調和のとれるご提案もいたします。
壁や床といった内装はもちろん、天井デザインに合った照明器具や配置方法などのトータルコーディネートも考えていきましょう。
天井に求める機能もしっかりと把握しておく
忘れてはいけないのが温度・湿度調整などの天井が持つ本来の役割です。
天井はデザインにより空間の印象を決める部分であると同時に、室内空間を快適に保つ機能性も持たなければなりません。
洗練されたデザイン性や個性を求めるあまり、機能性に欠けてしまった居心地の悪い空間となってしまっては元も子もありません。
たとえば、開放的な空間を創り出す勾配天井による吹き抜けですが、高さがあるほどに空気が滞留します。何も対策をせずに吹き抜けだけを作った結果、後から冷暖房の効果が悪く悩みどころとなってしまうことも…。
吹き抜け天井では、シーリングファンを設置することで、空気の循環しやすい空間にできます。
「お部屋を適切な温度に保つこと」と「照明を取り付けて空間を明るく保つこと」という天井の主な機能を把握し、空間づくりをしていくことが重要です。
おしゃれな天井が印象的な施工事例5選
参會堂は、オーナー様の思い描くデザインとなるように、細やかな部分にもこだわりを反映させた家づくりをしたいと考えております。
これまでに手掛けた施工事例のなかから、おしゃれな天井が印象的なお住まいを5つご紹介させていただきます。
格子が織りなす規則的な形状が特徴的な天井デザイン
こちらは病院の会議室の前にある待合スペースの天井です。凸凹のある格子のデザインにより陰影をつけました。
平坦な天井よりも上部の表情が豊かです。格子が織りなす規則的な形状が天井に奥行をもたせ、エレガントな印象となりました。
大きな窓のカーテンを留めているのは、房の飾りがついたタッセル、そして装飾性の高いカーテンレール。美しい色合いのカーテンに、さらなる優雅さをもたらしてくれます。
規則的に並んだ木枠の腰窓には、裾がバルーンのように膨らみ半円状となったカーテンを取り付けました。
自然の光が優しく入り込み、窓辺に華やかな彩を添えてくれます。直線の表現とは違い、柔らかで美しいラインのカーテンです。
格子天井の上品な雰囲気ともマッチする窓の仕上がり。ディティールにまでこだわることで、光や風が取り込まれることはもちろん、芸術的で美しい開口部となっています。待合室で過ごす時間が優雅なものとなるでしょう。
格子天井の中央部には主照明となるシャンデリア、周囲にはほのかな光を放つ間接照明を取り付けました。窓から入り込む自然の明かりに、照明の温かみのある明かりがプラスされ、格子天井のラインに美しいグラデーションをもたらしてくれます。
階段手摺りには、白い内装を引き締めるような色味のアイアン素材が存在感を放ちます。手摺り上部の“笠木”と呼ばれる部分には、木の素材を施し、手触りの良い温かな風合いに仕上げています。
空間毎にこだわりが反映された天井デザイン
スキップフロアにより一段下がったリビングには、多角形の吹抜けを設けました。天井が高くなったことで、ソファーに座ると上部へと突き抜けるような広がりが感じられます。
内装全体が光り輝く白で、明るく開放感のある空間となりました。壁から天井…というように、“白”だけを広い面積に使っているのにもかかわらず単調にならないのは、壁面の装飾パネルが作り出している陰影によるもの。
さらに、床材にはダークブラウンを選び、立体感が表現されました。リビングで過ごす人にリラックス効果をもたらしてくれることでしょう。
天井には間接照明を設置し、上部に向けて温かな光が広がっています。多角形の天井に緩やかに反射し、リビング全体を優しい明るさで包んでくれました。
和室の天井には、白い色の格子天井を施しました。
和室で使われる天井と言えば、日本では主に板材が一般的でしたよね。板材の張り方次第で表情は変わるものの、板の色合いと模様が織りなす雰囲気はどうしても“和”です。
そこで、こちらの和室は、“和”という概念にこだわらないデザインを施しました。白く装飾性の高い格子天井、存在感のあるシャンデリア、空間にリラックス効果をもたらす間接照明…というように、まるで和室とは思えないほどエレガントな雰囲気となりました。
格子天井とインテリアにより、“和”と“洋”のどちらも上手く採り入れたデザインとなっています。
また、床には縁がなく、繁盛サイズの“琉球畳”が色を違わせて濃淡が交互となるように配置しています。
伝統的な“和”の要素を持ちながらも、近代的なデザインをも融合し、個性溢れる素敵な空間となりました。
シャンデリアが映える上品な天井デザイン
階段ホールの天井は、モールディングを組み合わせたデザインです。空間を彩るシャンデリアと合わせるように、シンプル、且つ、上品に装飾しました。
優雅で華やかなフォルムで“魅せる”照明ともなるシャンデリアが空間を彩ります。シャンデリアが映えるように、天井を豪華にし過ぎないデザインとしました。
大理石の床材には、天井デザインがそのまま床に投影されたようなデザインを施しました。
中央の床にモザイクタイルを貼ることで空間のアクセントとしての役割と、階段ホールのインテリアの一部を担っています。
シャンデリアを取り囲むように細長く可憐なラインのデザインが、階段ホールを見下ろすように描かれています。
シャンデリアを吊るす根本部分には、“メダリオン”と呼ばれる装飾性の高い台座を使用しています。シャンデリアのクラシカルな雰囲気を一層引き立たせるために、海外ではよく採用される装飾部材です。
深く繊細に彫られたメダリオンは、シャンデリアとともに空間を美しく演出しています。
剥き出しの化粧梁がおしゃれな天井デザイン
天井に、2階の床を現し、インテリアの一つになりました。剥き出しとなった構造体を塗装で仕上げ、凹凸による立体感と開放感に包まれたデザイン性の高い空間です。
天井に見える化粧梁は、建物をしっかりと支えてくれる強固な存在。ふだんは目に入りづらい構造体も、現しにすることで空間を彩る素敵なインテリアとなりました。
リビングの中央部分には、無垢材の床材を“ヘリンボーン”で仕上げています。床は、タイルとフローリング、境目にラインタイルを施し工夫を凝らしてデザイン性の高い空間に…。
フローリングや木製の窓枠、テーブルやテレビ台にも木材を使い、天井の現しとの素材を統一していることでまとまりのあるインテリアに仕上がっています。
木材の温かみを存分に感じられる天井デザイン
天井に現した木材と同系色で、リビングに通じる階段の踏み板にも木材を使いました。
緩やかな曲線で描かれた階段にはアイアンの手摺を設けてアクセントに。アイアンは、白く清潔感のある内装にも合いますし、木材が多用された暖かみのある内装にもマッチする素材です。
暖かい素材感が空間全体に広がります。
枠にとらわれない参會堂の高級注文住宅
参會堂は、これまでに、さまざまな天井デザインを手掛けてまいりました。
すべての家にたったひとつの物語を作るためには、枠にとらわれずにお客様のご要望を形にすることだと考えております。
快適な空間づくりとデザイン性の両立は可能
機能を重視するとデザインを諦めなくてはいけないのだろうか…とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、機能にこだわるとシンプルになりがちな印象がありますよね。
逆にデザイン性ばかり重視した結果、「冷暖房の効率が悪い気がする」「照明が暗く感じる」などの現実的な後悔を住み始めてから実感するケースもあります。
参會堂なら、快適な空間づくりとデザイン性を両立させることは可能です。豊富な設計経験から、お客様の生活スタイルや、建築後快適な暮らしまでを考えた提案が可能です。
「建てたら終わり」ではなく、施工後のお客様の暮らしにまで目を向けてデザインをしてまいります。
理想のインテリアは自由な発想から生まれる
理想のインテリアは、お客様ごとに異なるものです。
同じ種類の天井でも「素材は何を選ぶか」「どんな風に模様を施すか」「床材の素材や色」などでまったく印象が変わります。
ただ、枠にとらわれすぎてしまうと、デザインもありきたりのものとなってしまいます。「天井はこうでなければいけない」という型にはめてしまい、選択肢が狭まってしまうことは残念なことです。
参會堂には、既成概念の枠にとどまらず、自由な発想から生み出すデザイン力と設計技術がございます。もちろん、お客様のご要望に寄り添いながら丁寧に形にしてまいります。
細部にまでこだわった唯一無二の住宅を手に入れよう
今回お伝えしたように、天井デザインひとつで空間全体の印象がかなり変わります。
壁や床のデザインばかりを意識し過ぎ、天井がありきたりのものになっていませんか。
天井は結構目につく部分です。おしゃれで考え抜いたデザインのものは、思わず上を向いて眺めてしまいたくなるほどの満足度が得られるでしょう。
天井はデザインだけでなく、色や素材によって雰囲気の方向性が異なります。
「優しい雰囲気に…」「おしゃれで洗練された空間にしたい」「暖かな空間に癒されたい」「海外のようなデザインが好み」などさまざまなこだわりがあるかと思います。それに見合った天井デザインを見極めなければ失敗する可能性があります。
それに壁や床とのバランス、インテリアにもこだわり持って空間演出をしましょう。
天井と違って、壁には窓があり、さらにカーテンもあります…。
今回の施工事例でもお伝えしましたが、カーテンの形状や装飾、照明の取り付け方など、お部屋の印象の要素は多々あります。すべてがバランスよくコーディネートされてこそ、優れた天井デザインが生きてくると言えるでしょう。
デザインだけに気をとられて天井がミスマッチとならないようにしなければなりません。
参會堂は、約30年もの間、日本はもちろん、海外の生活様式を採り入れたオリジナルデザインの設計をしてまいりました。意匠性を高め、おしゃれや遊び心などのデザイン性も叶えつつ、そして快適性を天井に見出すことも可能です。
天井や床など細部にこだわった唯一無二のお住まいをお考えの方は、ぜひ私ども参會堂にお話をお聞かせください。
参會堂が創り出す「唯一無二」の独創空間
参會堂は、1992年の創業から一切の妥協を許すことなく建築と向き合ってきた、海外デザイン建築を得意とする設計事務所です。
どの建築会社にも真似できない秀逸な参會堂の建築デザインは、住宅設計のみならず、クリニック設計や土地活用・賃貸設計といった分野で、多くのお客様からご支持頂いております。
住宅設計なら「ずっと家に居たくなる空間」、クリニック設計なら「ホスピタリティが溢れる空間」、土地活用・賃貸設計なら「いつまでも色褪せない魅力を放つ空間」と…。参會堂は、それぞれのお客様のご要望に合った価値を生み出し、ご提供しております。
一切妥協のない本物の建築技術、心躍るような唯一無二の空間をお求めの方は、是非その夢を参會堂にお聞かせください。