家づくりでは、さまざまなことにこだわりたいという人は多いです。
なかでも最近人気になっているのが趣味部屋です。自分の趣味をゆっくりと楽しめる趣味部屋は、暮らしに豊かさや彩りを添える魅力的な空間となります。
上質な時間を過ごせるように素材や照明、家具の配置までこだわり、集中力や作業効率を実現することが大事になってきます。
施主様が描く趣味部屋のイメージを丁寧にくみ取り、それを形にできる設計者の存在が重要です。
参會堂では、これまでにお客様とともに、多彩な趣味部屋に携わってまいりました。
今回はそのなかから選りすぐりの施工事例を紹介しながら、暮らしの豊かさを高める趣味部屋のある家づくりについてお伝えしていきます。
目次
暮らしを豊かにする趣味部屋という発想

まずは、趣味部屋が暮らしに豊かさを加える点についてお話してまいります。
趣味部屋が“時間の質”を変える理由
趣味は、必ずしも専用の部屋がなくても楽しめます。空き部屋やリビングの一角を活用している方も多いはずです。ただし、どうしても“後付け感”があり、十分に楽しめていないこともあるでしょう。
一方、趣味を楽しむことに特化した専用の趣味空間があれば、そこで過ごす時間の質が大きく変わります。他の用途に使われることはなく、その趣味のためだけに存在する場所です。
趣味に没頭できる整った空間ではあっと言う間に時間が過ぎ、心地良い気分でいられます。日常の疲れをリセットし、心を癒してくれる大切な空間となるでしょう。
趣味部屋を作ることは、単に「部屋を増やすこと」にとどまらず、自分を癒してくれる存在となる価値ある空間なのです。
リビングでは得られない“専用空間”の強み
リビングは、テレビを視聴したり会話を楽しんだり、友人を招いてお茶をしたりなど、さまざまな目的で使われる空間です。
誰かと同じ空間で同じ時間を過ごす…。そんな「ながら時間」を楽しむには、ぴったりな空間と言えるでしょう。
しかしその一方で、趣味など特定の目的に集中するには、リビングは適した環境ではありません。
人の気配や声、テレビといった生活音が常に耳に入るため集中力は続かず、趣味に没頭したい時間には向いていない部屋です。だからこそ、趣味を行うためだけの“専用空間”が大きな価値を生みます。
音や光、視線といった要素をコントロールできれば、リビングでは得られない、濃密な時間を持つことが可能です。趣味の世界に深く入り込める場所となるでしょう。
趣味部屋は設計段階からの計画で価値が決まる
趣味部屋の価値は、設計段階から正しく計画することがカギを握ります。
趣味をする部屋という単純な発想だけでは、せっかく設けた趣味部屋に価値を見い出せない可能性があります。大切なのは、その空間で過ごす時間を具体的にイメージしておくことです。
設計次第で、満足度の高い空間にもできる反面、使い勝手が悪く後悔につながることもあるのです。
防音や照明、収納、間取りなどの要素は後付けで再現するのは難しく、念入りな計画が完成度につながります。
趣味部屋は、住宅の中にある単なる一室ではありません。
暮らしを豊かにできる価値ある空間に繋げるため、「趣味の部屋があったらな」という大まかなイメージだけでなく、そこで過ごす意味を設計者と十分に共有することも欠かせません。
理想の趣味部屋をつくるための設計視点

理想の趣味部屋実現のために重要な設計の視点をご紹介していきます。
目的から逆算する空間設計
自宅で楽しみたい趣味は、人によってさまざまです。
- 音楽を聴いたり、演奏をする
- 大画面でシアター気分になったり、迫力あるゲームを楽しむ
- 静かに読書をしたり、コレクションを飾る
ひとことで“趣味”と言っても、その内容によって求めるべき環境の方向性はかなり違ってきます。
そのため、趣味部屋を作ることだけに満足するのではなく、作ったあとに満足して使い続けられるかが重要なポイントです。
たとえば、“楽器を演奏したい場合”と“静かに読書をしたい場合”とでは、音、光、広さ、収納量は異なります。
最初に目的を明確にし、そこから逆算した空間設計が欠かせないのです。部屋という単なる箱ではなく、空間に意味を持たせることで、心地良い日々に癒しを添える趣味空間が生まれるでしょう。
音・光・温度をコントロールするという視点
音や光、温度をどうするかは趣味の質を左右するポイントです。
音楽を楽しむ場合は、防音や吸音といった性能が欠かせませんし、読書やパソコン、ゲームなど手元を見る作業が中心なら照明計画が重要になります。
間接照明とタスク照明を使い分けることにより目の負担を減らせれば、長く集中できる環境をつくることが可能です。
また、窓の大きさや配置は、採光性や視線の抜け方、プライバシー性にもかかわる部分。しかも、空間全体の印象にも影響を及ぼします。
趣味部屋は長時間過ごす前提だからこそ、空調計画も大きく意味を持ちます。安定した温湿度を保てる空間なら、そこで過ごす時間に心地良さが大きく高まります。
音・光・温度のコントロールは、後からリフォームで直しづらいところもあり、設計の段階から計画することがとても重要なのです。
家具が映える空間をつくるレイアウト設計
趣味部屋には、大型の書棚やゲーミングデスク、作業台などを置くケースが多いです。こうした大型家具は、空間のなかでもとても存在感があります。
ただし、後から置いたときに空間に馴染まないことも少なくありません。
無計画に空間だけを作った結果、家具の配置により、圧迫感が出たり、動線が悪くなったり、隙間が生まれるなど違和感のある空間になることもあるでしょう。
素敵な家具が持つ、本来の魅力が損なわれないように注意しなければなりません。
家具は“置くもの”ではなく、空間とセットで設計すべき要素として扱うことが重要です。趣味の空間を作るときは、配置する家具の視点からもレイアウトを考えることがポイントです。
家具が映える配置を意識すれば、使いやすさと美しさを兼ね備えた、魅力的な趣味部屋が完成するでしょう。
趣味部屋の代表的スタイル

次は、趣味部屋の代表的なスタイルをいくつかご紹介していきます。それぞれ特色が異なるので、家づくりの前に知っておくと安心です。
書斎・ワークスペース
読書や仕事に没頭できるのが書斎やワークスペースです。リモートワークが普及した今、注目度が高まっている趣味部屋です。
窓の配置や間取りによる視線の抜け、作業中の手元を照らすタスク照明、デスク周りの機能性によって“集中しやすさ”の質が大きく変わります。
木の温もりを活かした落ち着いた書斎や、洗練されたモダンデザイン、シャープでカッコいいワークスペース。
内装やインテリアにこだわることで、自分だけの世界観づくりを存分に楽しめるでしょう。
DIY・クラフトスペース
ものづくりが好きな人に人気なのが、DIYやクラフト専用のスペースです。
創作意欲を高め、趣味の時間を充実させるには“使いやすさを設計する”ことがポイントになってきます。
趣味の幅に合わせて材料や工具などをたくさん保管しておけるスペース、作業しやすい動線も重要なポイントです。
また、作品も増えていくことを前提に、収納計画を丁寧に考えることも欠かせません。
コレクションルーム
好きなものを自分の発想で展示できる贅沢な空間がコレクションルームです。
ガラスや照明、棚などのバランスによって、空間の印象だけでなく、価値も大きく変わります。
まるでギャラリーのような上質な空間演出も可能。自身の感性を出し個性を表現できる趣味部屋と言えるでしょう。
音楽室・DTMルーム
音楽を楽しむためのプライベートスタジオは、人気の高い趣味部屋のひとつです。
防音効果だけではなく、「どう響くか、どう聞こえるか」までを考えた設計が重要になります。
音楽スタジオでは、“音響”が空間づくりの要となり、演奏や録音、リスニングの質を大きく左右します。
音を外に漏らさない防音性能に加え、響き過ぎず、吸い過ぎないための吸音性能のバランスが欠かせません。
天井・壁・床の素材によって音の響き方は大きく変化します。設計段階からの計画が、音の質を高める最も効果的な方法です。
シアタールーム
非日常感を味わえるシアタールームは、趣味部屋のなかでも特に人気の高い空間です。
大画面に映し出されるダイナミックな映像と、空間全体から降り注ぐような音声に包まれるのが魅力です。テレビ視聴とは違い、まるで映画館にいるかのような没入感が得られます。
シアタールームの“臨場感”を演出するためには、暗室化や遮光、防音など音と光を自在にコントロールできるように設計段階からの十分な計画が重要です。
こだわりの詰まった趣味部屋の施工事例5選
これまでに参會堂では、多くのオーナー様の想いを反映させた趣味部屋を手掛けてまいりました。そのなかから、5つの事例について写真とともにご紹介していきます。
仕事と趣味に没頭できる、機能美を追求した大人の書斎

集中力を高めたいというオーナー様のご要望をもとに、あえて閉鎖的に設計した書斎です。ほかの空間と切り離すようなデザインにより、趣味や仕事に没頭できる環境となりました。
空間には採光性の目的で窓を設けていますが、“書斎”という用途を重視しているため、眺望目的の窓ではなく自然光を適度に取り込むためのものです。
また、鏡付きの収納を採用することで、閉鎖的な空間設計でありながらも、奥行きが生まれて圧迫感が軽減されています。
スタイリッシュでデザイン性の高さに加え、機能性も兼ね備えられた空間を実現しました。

フローリングやデスク、家具をダークブラウンで統一した室内で、重厚感と落ち着きを感じさせる色使いとなりました。
淡い緑色のクロスは他の部屋とは異なる色味を採用。あえて雰囲気を変えることで空間にメリハリが生まれています。
空間が繋がりつつも、部屋に入った瞬間に気持ちに引き締まりが感じられ、集中力や作業効率にも良い影響を与えてくれます。
照明はシンプルで控えめなダウンライト、そしてインテリアとしても映えるスタンドライトを選びました。
空間全体をまんべんなく照らすのではなく、読書や仕事に集中できるように適度な明るさを確保。光の分散によって立体感が生まれて、心地よい空間を演出しています。
愛車と映画に没頭する、大迫力の音響を備えたガレージ

洗練されたデザインでスタイリッシュなガレージの事例です。
一般的にガレージハウスは車を保管する場所という印象が強いですが、こちらの事例では愛車をディスプレイして眺めることを目的とした、ギャラリーのような空間設計をしています。
大きなスクリーンを設置し、シアタールームとしての機能も兼ね備えました。映画好きのオーナー様が思い描いたドライブインシアターです。
防音性が高いガレージだからこそ、大迫力の音量で映画鑑賞を満喫できます。

バランスよく配置されたスポットライトの光が空間を美しく照らしてくれます。
車のフォルムや質感が際立ち、まるでアート作品のように愛車を堪能できる空間となりました。
ガレージとシアタールームを兼ね備えたことで、映像を楽しむ際に自慢の愛車のシートに座るという特別な体験ができます。
至福の時間が日常に潤いをもたらしてくれます。オーナー様の個性や遊び心が演出された独創的な趣味部屋となりました。
至福の時間が過ぎる、幻想的なプライベートプール

曲線を描くように設計した大きな天窓が存在感を放つ、プライベート性の高い屋内プール空間です。屋内でありながら青空や太陽の光をふんだんに感じられます。
壁面にも窓を配置していますが、外部からの視線への配慮によりプライバシー性が確保できました。
白を基調とした内装や水面に光が穏やかに反射し、全体に開放感や明るさをもたらしています。ブルーのモザイクタイルの効果も相まって、爽やかな印象の空間です。
プールの底には魚のアートが描かれるという独創性の高いデザインを実現。自然光に包まれたリゾート感のあるプライベートプールです。

夜には、昼間とはまったく異なる表情を見せてくれる空間です。天窓から見える夜空、そして照明の光が水面に映り込む様子が非常に幻想的となっています。
壁面照明には暖かみのある色合いを採用しました。白い壁に反射することで、内装は日中の爽やかな印象からオレンジ系の神秘的な雰囲気へと変化します。
自然光の広がり方や照明の色、内装の色調など、それぞれの素材の印象がどのように変わるかが綿密に計算された設計です。非日常感が溢れる、特別な時間を過ごせる趣味空間が実現しました。
作業効率と心地よさを両立した、光に包まれるアトリエ

創作活動への没頭を重視して計画したアトリエ空間です。
細やかな作業に集中するには明るさは欠かせない要素となります。壁面と天井を白くし光を全体に反射させる内装としました。
ライトブラウンのフローリングは自然光を優しく受け止める色味となり、空間が適度な光に包まれた軽やかな印象にまとまっています。
部屋の扉を開けたときに見える正面の壁には収納を設けず、ウォールシェルフのみに。影が出にくいウォールシェルフですから、壁の余白が残って空間の明るさを保つことができます。
収納はサイドに集約したことで、入室時に奥行きを感じさせ、すっきりとした印象になります。
中央に配置した大きなテーブルと椅子、木製の扉が素材の統一感を生み出しています。ゆとりある空間で、作業効率が高まり、ゆったりとした時間を過ごせます。
愛車を眺めながら演奏できる、機能美を極めた本格スタジオ

複数台の車をお持ちのオーナー様の理想を詰め込んだ、ガレージとプライベートスタジオを組み合わせた事例です。
ガレージから繋がるように設けられた本格的なスタジオにはレコーディング機能を備え、多くの趣味を持つオーナー様の想いが反映された空間となりました。
ダークブラウンの色味のフローリングに白く穏やかな内装を組み合わせることで、洗練された印象と木目の温かみが両立しています。
一般的なプライベートスタジオと言えば防音性が重視され、窓がなく圧迫感が出がちです。こちらの事例では、ガレージに通じる窓を設置しました。
音響性能が損なわれないよう綿密な工夫を施し、視線の抜けにより圧迫感を感じさせません。愛車を眺めながら楽器演奏ができる、魅力あふれる趣味空間です。
理想の趣味部屋を形にするために必要なこと

多様なライフスタイルが増えている今では、自宅に本格的なプライベートスタジオやアトリエを設計するケースもあります。
理想の趣味部屋を実現するための大前提は、「趣味を楽しむ暮らし」のイメージを具体化してから設計を進めることです。普通のひと部屋を「趣味に使えたらいい」という程度で確保しておくのは満足度にはつながりません。
「何の趣味を楽しむか」という希望を計画段階から反映させることが欠かせないのです。
防音や照明、配線、収納、デスク寸法、家具配置など、細部の設計次第で作業効率や上質な時間の過ごしやすさにも大きく影響します。
趣味部屋は“後から整えるのが最も難しい空間”です。そのため、理想の趣味部屋を作る最短ルートは、プロの設計者と設計段階から進めることになってきます。
趣味部屋はオーナー様のこだわりを反映する、完全オーダーメイドの家づくりです。設計事務所なら、音・光・素材・動線を用途に合わせて最適化でき、住宅全体の統一感や方向性も意識することが可能です。
参會堂の作り出す唯一無二の独創空間
実は、趣味部屋は設計の難易度が高い空間です。趣味の内容によって、内装の素材選びや照明計画は大きく変わるからです。
仕事や家事とは違った側面を持つ“趣味”の時間。長く過ごした際に、疲れるのではなく、「十分に楽しんだ」という満足感や達成感を得られるような表現力が大切になってきます。
そのため集中力や快適性を実現するには、一般住宅とは異なる視点での設計が欠かせません。経験の少ない設計者では対応が難しい場合もあります。
だからこそ、趣味部屋の設計経験が豊富な事務所に相談することが重要です。
参會堂には、書斎、ワークスペース、スタジオ、ガレージ、シアタールームなど、多岐にわたる趣味部屋の施工実績があり、お客様の理想を的確に捉え、具現化するための発想力と技術力も持ち合わせています。
また、海外パートナーと連携することで、現地ならではの素材選びや建築技術を活かした家づくりが可能です。
人生において数少ない大切な家づくりを成功へと導くために、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。















